この歌声に想いを込めて貴方に届ける…。
そう。私は夢の中にいた様な感覚だった。
歌い始めようとして辺りを見廻した時ー。
少し離れた処に…。高野くんが居る事に気付いた。
トクン。と私の心臓は高鳴る。
偶然なのだろうけど運命みたいなのを感じていた。
予定していた曲を、命を込めて歌う。
会場が沸き立っていくのを肌で感じー。
生きているんだって実感を得た。
幸せとは、こう云うモノなのだろうと思った。
総てを歌い切ると…。
会場はstanding ovationとなり…。
encoreを求める声が鳴り止まなかった。
だからー。
私はー。
予定になかった歌を歌う事にした。
急遽、歌う事になったので…。
オケを用意していた訳もなくー。
アカペラで自作の曲を歌う事にしたのだった。
運命みたいなモノを感じていた私はー。
高野くんだけを見つめー。
高野くんを想いながら描いた曲をー。
ワンコーラスだけをー。
想いを込めて歌う。
ねぇ。
ダーリン。
海に絵の具で色を付けたのよ。
涙零れて、滲んで…。
吸い込まれてった…。
ねぇ。
ダーリン。
この海の先は私には少し広いから。
手を握って…。
迷わない様に私を連れ出して。
I Love You…。
貴方の心なら、溺れてもいいわ。
I Love You…。
貴方の想いなら、溺れてもいいわ。
I Love You…。I Love You…。
I Love You…。I Love You…。




