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Cランク冒険者の日常  作者: もちぞう
1/1

始まり

 僕はCランク冒険者だ。英雄願望も、向上心もなく王都で狩りをしているしがない冒険者だ。まあちょっと強くはあるけど・・・・。それは誰も知らない事。今日も僕は王都のダンジョンにはもぐらず、城壁の外の魔物を狩りに行く。森の近くまで荷車(にぐるま)を持って来ていた。そこには角兎3羽、スズメ5羽、イノシシ1頭を乗っけていた。全部ちぬきは済ませている。今日も沢山売れるかな?まあ、イノシシは狩れたのでいいだろう。それらを押して王都へと帰った。王都にはSランクからFランクまで揃っている。不足の事態なんて、物語のようなことは起きない。そう、全然。だから僕はこれでいいのだ。



「おう!帰りか?ユート今日も獲物はしとめたんだな!腕のいい狩人は違うね!!」

「僕は、ほどほどですよカインさん。からかわないでくださいよ?」

「いやいや、ベテランでもからあしはざらだぜ?流石だ」

「ふふふ、まあ、気にしてませんけど。」

「気にしてねーのかよ!俺肉が食いたかったんだ!今日は絶対妖精の宿り木に行くからな!残しといてくれよ?」

「ああ、はい、伝えときますよ?」

「ありがてぇ力が出るってもんよ!!いっちょ頑張るか!!」

「あはははは、頑張って下さい。ではでは。」



 そう言って街の方に向かった。荷車は割合いつもより軽かった。今日はあんまり取れなかった方だ。今日の夕食を楽しみにしている。今日はあれが完成する日だ。あれとは、日本人にお馴染みのあれである。今は秘密。冒険者ギルドに向かう。僕は解体はしない。まあ上手くできるが最近はしていない。獲物をとる時間が減るからである。ちぬきは済ませてあるので鮮度はいい。今の時間は混んでいるはずだ。まあ、素材買い取り所も混んでいるが王都のため解体専門のにんそくも結構いる。そのため割と早く回ってくるのだが遅くなるので今日はあらかじめ狩場でイノシシだけ解体を済ませてある。結構時間をとられた。まあ、魔法で冷やしてあるので腐りにくくなっている。



 1日2日(いちにちふつか)で悪くなるものじゃないがまあ、鮮度がいいほうがいいので魔法がかかっている。解体の人にも褒められる。こまやかなところが価値を上げているという事で僕の取ってきている肉は割と人気だ。他の人はマジックバックを使う事が多い。ダンジョンではよくドロップするのだ。僕はアイテムボックスがあるので困ってない。まあ大っぴらには使ってないが。アイテムボックス持ちはまあまあいる。容量は大きい人ばっかりで小さくても一軒家が入るほどはある。アイテムボックスは時間経過がないのでマジックバックより重宝される。マジックバックは時間経過があり魔物は血も出るのでマジックバックの中に血がたまる。



 それを定期的に出さないと、チリも積もればなんとやらって感じだ。そんなことを考えていたら冒険者ギルドについた。裏口から入り倉庫に行く。そして解体を頼む。そして査定だ。肉は持って帰ると言っておく。それで、買い取り金額の書かれた木簡をもって受付に並ぶ。依頼は受けていない。まあ、該当する依頼があれば達成という事になる。そのため、めんどくさいのでいつも受けないで出発していた。まあ常設依頼のことがほとんどなので受ける意味はないが、普通の依頼であれば受けないと他のパーティに取られてしまう。なので朝早くから皆こぞって冒険者ギルドに赴くのである。まあ王都なので依頼は無数にある。そして、種類ごとに分かれている。



 王都のギルドは大きい、それだけ需要がある。依頼も朝早くに出すことが多い。異世界人は朝が早い。冒険者は遅いがな。まれに早い者もいる。そんな奴は変わり者だ。あまり朝早くに行きすぎても依頼がなかったりする。そのため遅いのだ。まあ夜飲んでるというのもある。僕は飲まないけど。まだ未成年だし。僕は中学生の頃この世界に転移してきた。それでこの世界になれて王都で暮らしている。まあそれはいい、あ、僕の順番だ。



「ユートさんこんばんわ、今日も森で狩りをしてきたんですか?それ預かります。」



 茶髪のロングヘアーのお姉さんが話しかけてきた。綺麗なひとだ。名前はユリアさん。



「ユリアさんこんばんわ、森ですね、僕にはダンジョンは合ってないので。」

「そんなことはないと思いますけど。今日は何のお肉取って来たんですか?」

「イノシシです。大きいのが取れました。」

「私も夕飯食べに行きます。取っといてくださいね。お願いします。」

「はい、言っておきますよ。」

「あ、私ユートさんの料理も食べてみたいです。美味しいんですよね?」

「それは・・・、ガークさんのほうが美味しいですってやめといたほうがいいですよ。」

「ふふふ、いつもそう言いますよね?ガークさんはユートさんは料理人でもおかしくないって言ってましたよ?」

「それは嘘です!あり得ませんよ!騙されてはいけません!」

「もう!ガークさんは嘘なんか言わない人なのに・・・!そんなに私には食べさせたくないんですか。」

「うっ、それは、その~・・・特別な調味料を使うので多分口に合わあないと思いますので・・・・」

「それは貴重な物なんですか?もしかしてそれだから私には食べさせたくないとか?ユートさん?」

「それは、ひゅーひゅーーひゅー」

「口笛ふけてませんよ?」

「うっ、ユリアさん押しが強い・・・・」

「強くありません!私が図々しい女みたいじゃないですか!?」

「普段はおっとりしてるのに・・・」

「私がのろまだって言いたいんですか!?」

「それは言ってません・・・・」

「じゃあどういう意味ですか!?」

「普段はほんわかしてるのに、なんか絡んでくるし・・・・」

「絡んでません!ほんわかもしてません!私はきりっとしています!」

「きりっとはしていないと思うけど・・・」

「どこがですか!?どこをどう見てもきりりとしていますよ!?」

「ないない・・・というか、俺の時だけすごく怒鳴りますよね?嫌いなんですか?」

「なっ!?それは・・・・!嫌いではないです、むしろ・・・・・。」

「そうですか良かったぁ」

「でもユートさんは私の心を(もてあそ)んでいます!そういうのはやめて欲しいです!」

「どこが!?全然弄んでないです!絶対に・・・・!」

「いーえ、女心を弄んでいます。他の同僚も言ってました」

「え、そんなこと言われてるの!?どうして!?」

「自分の心に聞いてみてくださいね。よ~く聞いてみて下さい」

「はい、心当たりがないんですが・・・・」

「それでは新作の料理を渡しに食べさせてください、良いですね?」

「いや、それとこれとは関係ないと思いますが・・・」

「関係あります。良いですね。料理を出してください。これに拒否権はありません」

「いやいや、ありますよ!」

「拒否するんですか?いいんですよ?私にも考えがあります」

「物騒ですよ!許して下さい!」

「いいえ、許しません、私の誘いを断り続けている(むく)いは受けてもらいますよ?」

「そんな!?職権乱用です!ギルドマスターに言います!」

「なっ!それはっ、駄目です!絶対に言っては駄目です!落ち着きましょう!?話せばわかります!」

「でもなぁ~ユリアさん怖いし、僕悪くないし。多分・・・・」

「!?それはっわかりました今日の所は引きます!今度絶対食べさせてくださいね!?」

「約束はできません、ガークさんも同じもの作ってましたからそのうち食べられるようになるはずです。僕なんかより絶対そのほうがいいです!それでは!その手にあるお金をください!では!」

「待ってください!今度一緒にご飯でも行きましょう!?」

「早く渡してください!後ろがつっかえてます!」

「ううっ、ユートさんのいじわる!」

「それじゃあっ!」

「なんで嬉しそうなんですか!?」

「秘密ですっ」

「そんなぁ!」



「ユリアちゃん今夜ご飯一緒にどう?」

「いきませんっ」

「いいじゃんいいじゃん?奢るからさ?」

「いきませんっ」

「今日はいつになくご機嫌斜めだね?」

「そんなことありませんっ、次の方!」

「ちょっ!!待って!まだ報酬が!ユリアちゃん!」



 帰り際になんか聞こえた。僕は大きな袋で包んだイノシシ肉を身体強化を使って担いで帰った。今日は念願の牡丹鍋(ぼたんなべ)だ。すぐ近くだ。冒険者ギルドから2、3分ほどの所にある宿屋が僕の宿だ。ずっと泊っている。ご飯が美味しいからだ。まあ最近はもっぱら厨房を借りて料理しているけど。自分の鍋や調理器具も置いてある。帰るとガークさんにお肉を渡す。嬉しそうだった。ガークさんは宿の料理人で、腕が良く冒険者をしていたいかつい人である。料理人って感じの人だけど・・・。それで、僕が作っていたのは醤油と味噌だった。秘密兵器である。ふふふ。



 部屋に帰り魔法のお風呂に入る。水球を浮かして温めて入るというものだ。これが気持ちいい。そしてすぐ上がり、お湯を消す。そしてご飯を作りに行く。米を炊いて鍋を作る。火魔法を使いじっくり味をしみこませる。ガークさんにめっちゃ見られてた。手は止まってなかった。それが怖い。奥さんのマーサさんから注文が入る。マーサさんはオカンって感じの人だ。息子のマルク君も働いている。ちょろちょろと動き回っている。マルク君もマーサさんも計算できる、まあ、その都度お金を払う方式なので、払い忘れはない。料理が出来たので部屋に持って行く。大きなお盆に鍋敷きを敷き鍋を乗っけて、ご飯を大盛で盛った。食べ盛りである。野菜も一緒に煮込んだ。



 いい匂いをまき散らしながら厨房から出るとお客やマーサさんやマルク君に見られてしまった。そそくさと立ち去る。一瞬シーンとしたが、すぐに喧騒(けんそう)が戻る。味噌の匂いは独特だが、いい匂いだから見られたんだろうな・・・。まあいい、ご飯ご飯。ちなみにガークさんのごはんは角兎の香草焼きだった。付け合わせにパンと牛骨スープだった。美味しそうだった、でもでも今はもっぱら牡丹鍋だ。美味しくいただいた。



「いただきます。うまっ!味噌が美味しい・・・・これはご飯がすすむ!くたくたに煮た野菜も美味しい!・・・・・・・・もぐもぐ・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ美味しかった」



 お腹いっぱい、幸せだぁ・・・・・・。これは至福の時・・・・・・。僕だけの時間。まあ、ワイワイしているところで食べるのも悪くないけどね。ふう、散歩して寝ようかな?そうと決まれば早速散歩だ!僕はここ何年も休みをほとんどとってない、まあ、醤油と味噌作ったときは休みにしたけど。でも作り方はおさらい出来たから魔法でちょちょいのちょいとできてしまうけど・・・・。ガークさんはまだ醤油と味噌は使ったことがない、しかし僕が言ったことによって、料理人魂に火がついたらしい。流石だな、ガークさん。僕でもそんなすぐには飛びつかないのに・・・。流石だ。お米は僕が市場を調査しているときに見つけたものだ。王都でも出回っているらしい。どこで作ってるかまでは知らないが、定期的に手に入る。



 アイテムボックスには大量に入っているが・・・・。まあこれはこれ、それはそれってことだ。僕には何のことだかワカラナイ・・・・・・。サンポイク!部屋を出た。片づけてもろもろを厨房に運びそして宿を出た。夜の街は嫌いじゃない、あまり歩くことはないが・・・。さまよい歩く・・・・。道は分るのでただただ冒険する。そうして歩いていると、なんだか冒険者が集まっている酒場があった。何かなぁとのぞいてみることにした。入るとそこは・・・・・。きわどい服を着て冒険者に接待する店だった。おう!仕方ない・・・・。社会勉強だな。うん。ここは付き合うしかないな・・・・。とかなんとか思ってると、勝手に足が動き席に座ってしまった。やばいやばいここは出なきゃ!!



 ってことでダッシュで逃げて来た。ふっ、僕も大人になればこんなところくらい平気な顔で歩けるようになるんだ。そう、絶対!絶対なる!なんか、ユリアさんの顔がちらりと頭をよぎったが、ぶんぶんと頭を振る。そしたら他の受付嬢の顔が・・・・・。いかんいかん、関係ない関係ない。あの人たちは関係ない。僕はそのうち大人になる!!そのうち!!!今日ではなかった。多分、だが、一歩進んだ。寝よ寝よ。おやすみなさい。





























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