櫻ちゃんは本をよみたい。
執筆どころじゃねえええええ (^q^)フザケンナ
櫻ちゃんは、言葉を詰まらせた。
婚約している人がいると自ら触れ回った上でぼくを追い回すというのは、どうなのだろう?
遊び、ということだと解釈するのは当然ではないだろうか。
まさか、
嘘じゃあるまいし。
「婚約者が心配するようなこと、やめた方がいいよ。ぼくはきみを見てるから」
仕方なく監視するから。
これだけクレイジーな『妻』が居るんなら夫も相当なはず。
心配しない、なんて婚約者だとしたら、冷めきってるからぼくに執着してると考えられる。
なんとふざけた役回り。
なにをどう前向きにしても、櫻ちゃんを恋愛対象と思い込む自信は持てそうにない。
櫻ちゃんの足元で、今日もまた誰かが死んでいくそんな想像をしたら、 やっぱりヤンデレは二次元だよなと思えた。
「ぼくが、櫻ちゃんをヒロインにしてたとしてそれを見た婚約者はどう思うかな」
「やあん、妬いてる~」
櫻ちゃん前向き。
まーえむきっ!
「きみがしてるのは、浮気だ。それとも婚約は嘘?」
ぼくは、淡々と目が覚めるのを促そうとする。
「櫻、旦那居るよ……
このまえ朝御飯にラーメン食べたし。あ、あとねあと学校に傘忘れたりしたし、あと宿題にコーヒーこぼれたりして注意されたし」
旦那はまるで、こちらを見張っていたかのような姿、行動だった。
「日記もつけてるもん!
クラスの子読んでるもん!」
待て。待てよ。櫻ちゃんの旦那は、つまり、ぼくなのか……?
プライベートを暴路されてまで彼女のリア充アピールだなんて聞いてないぞ。
「ちょっと勝手過ぎない?」とさりげなく伝えたくてまるで、ぼくみたいだなぁ~、と呟く。
「それって櫻へのアピール、だよね? ねっ?」
……。櫻ちゃん、前向き。
これを他のやつらが見たら、付き合ってるくせにちぐはぐだと、不信がり別れるように言うはずなのに。
「まだお話書いてるの? 櫻はヒロイン?」
「うん。可愛い櫻ちゃんにしてる」
ノートをまた破られたくはない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
佐仲 問。
仲間からは一線引かれている男。
一目、ではなく一線だ。彼のなかでは、目についた女はみんな敵、男であってもたまに敵。
「奪ったなああああああああ」
と、叫んで教室まで走った先に今回の『ソイツ』は居た。
今回の相手は中性的なやつで、一瞬ドッチなのかわからない。
あぁ、ソータが、どうしてこいつなんか……!!
昨日見てしまったんだ。仲良く話してるのを。
俺のなかでは、話すだけでもはや浮気、いやいや目が合うだけでも浮気。
許せねェ!
「返せよッ! なんで、なんで……」
前を、スタスタ歩くそいつの肩を掴み無理矢理振り向かせる。
いままで太陽が背中にあったのに振り向かせられたそいつは、眩しそうに目を細めた。
「なに、かな」
「とぼけんなよ、永藍えいあいッ!」
永藍は困った顔でぽつりと。
「とぼけてなんかないけど……」
「嘘だッ! この前二人で居ただろうッ!」
問の信用は得られなかった。
「この淫魔!悪童!××××××××~っ!!」
問はキレると止まらない。
放送出来ない言葉で罵る。言い過ぎるくらい徹底的に罵倒しないと気が済まないのは、彼が抱えている発達しょうがいが関係しているらしい。
「謝れ! 地面に頭を垂れやがれチクショウめが」
「はあ……」
ぽかーんとしている永藍だった。
「きみの中では、転んだから手をのばして立たせるだとか、少し物を運ぶのを手伝っただけでもダメなんだね」
「そんな都合がいい言葉があるか! ははぁ~ん。そうやって男を落としてるんだな? とんだアバズレだな」
「かつらがずれてた?」
「なっ、てめえかつらなのか!?」
「違う」
……
「じゃあ、聞くけど!!」
「はあ」
「俺は友を大事にしたいんだが。ショウコウをどう思う?」
佐仲問はインコ教のインコ様と、自分について気にかけている。
「インコ教のかたと知り合えるなんて世界は広いね」
はたから見れば口先だけのお世辞を問は喜んだ。
気分がよくなった問の本性?が現れた。
「電話……させろよっ!」
え。
突然のツンデレ?
怪しんだことを疑われないように永藍は突っ込まなかった。
「ラインでもいい。今度からはっ直接文句言う!」
少し話しただけで、害が無いとでも判断されたのだろうか?
「ラインはやっていないよ」
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「トントントントン♪」
「なにしているの?」
「しんぞうさんを、マッサージしてるの」
「トントントントン♪トントントントン♪トントントントン♪トントントントン♪」
「だれのしんぞうなの?」
「この国や、この街は生きていて、そのしんぞうよ」
「へぇ。じゃあ、ぼくも。トントントントン♪トントントントン♪ みんなで、しんぞうさんをマッサージだ」
放課後。
ぼくは、櫻ちゃんにせがまれて童話を読んでいる! 隣には、満面の笑みの櫻ちゃん。
「私ね、やっと前を向けるようになったの……今まで、学校も行ってなくて、でも貴方がいたから」
重い重い重い重い。
前を向いた結果がコレならば、そのまま家に居てもらった方が僕にはありがたい。
帰りたかった。
「ねぇ~続きは?」
手を止めると首に圧力をかけてきます。
ひいいい。
「あっ……鏡子を呼ぼうか。
圧迫面接みたいで、
圧迫、苦手だよね?
私、なんで気がつかなかったんだろ。鏡子ー!」
出来れば櫻ちゃんの前では誰も心停止しないで欲しい……