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「仮面舞踏会」  作者: 雨乃森
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1-6「不穏な影」

どうも雨乃森です。

今回はちょっと短めです。

久しぶりの快眠だと思う。

最近の睡眠が悪夢か気絶だからな。つか悪夢は無くなったな。その代わり現実がやばいことに

なってるが。

洗面所の鏡は綺麗に割れているが、まぁ使えないことはないか。

顔を洗い、なんとか鏡を見る。鼻の上に綺麗な一文字が出来上がっている。

さらには右手は包帯まみれ、これ明日なんていうか。

いや話掛けてくような人物なんているっけか?それよりもバイト先になんていうか。

こけた、と言えば通じるか?

そんな事を思いながら俺は支度をする。もちろん外に行くためにだ。

どこへ?無論警察署だ。

――――――――――

「は?動けない?」

家からそれなりの距離を渡って警察署の門をたたき、それなりに待たされて

ようやくの対応をうけたのだが

「ええ……状況が状況ですので……」

目の前の若い警官はへらへらしている。

「傷が見えないんですか?ナイフで切りつけられたんですけど」

「でも昨日の今日でしょう?」

「…………死ねと?」

「いやそういう訳では」

明らかにめんどくさそうな顔している。

「しかし実際、何も手がかりがないのは事実ですし、動こうにも……」

「なるほど。もっとナイフで切りつけられてこということですね」

「…………」

警官の顔が引きつる。

「では、失礼します。次会うときは霊安室ですかね?そん時はお香の一つは焚いてくださいよ。」

俺は役に立たない、お役所野郎を後にした。

さて、佐々木になんていうか。

しかし、これはある種の好都合ではないだろうか。

せめてあの影の正体と仮面野郎の素顔。この二つを俺自身の手で明かしてやらないと気が済まない。

どうやって?それを今から考えるのさ。その結果命を落とす事になってしまっても。

大袈裟かな、いや昨日は実際死にかけた。

ふと。

久方ぶりの遠出ということで、俺にとってはある種の魔が差したというのが適切かもしれない。

時刻は正午。時間はある。

俺はその脚で駅に向かった。


電車で二時間くらいか、駅にあまり人はいない。しばらくしたら電車がやってきた。

こちらにもあまりに人はいない。少なくとも俺のいる車両には誰もいない。

電車の時折、ガコンっという音が響く。何となく外の景色を眺める。

見慣れた景色が見えることもあるが、どれもこれも真新しい印象を受ける。

それ程の時がたった、というのをいやでも実感する。

そんなこんなで目的地に着いた。

ここは俺の高校の最寄り駅。

そう、同窓会の前に母校を覗いておこうと何となく思ったのだ。

思い出らしい、思い出はないが………

それでも確かにハツと一緒に居た場所だ。

懐かしくも感じない道を歩いていく。母校が見えてきた。

しかし、妙な違和感を感じる。

今日は平日だよな?誰ともすれ違わないんだが。

まるで、何かで区切られたような静寂がここらに漂っていた。

そんなこんなで母校についた。

単刀直入に言えば、俺の母校は廃校になっていた。

しかし、それはつい最近なのかまだ建物事態はきれいだが、花壇は人の手が入っていないから

ひどい有様だ。

ここまでが正門から見える景色だ。

ただ意外なのは。

「……開く」

重たい鉄製の門が放置されているわりにはすんなりと、そして鍵なんて掛かっていなかった。

「……別にいいよな」

それは誰に対して言った言葉なのか、俺は母校に脚を踏み入れた。

久々の校庭の砂を踏んだが……何も感じないな。むしろ不法侵入をしている僅かな良心の

警鐘しか感じない。

そんな時だった。電話がなった。

もはや不気味とも思えるそのタイミングで、内心ひやひやしたが

その相手は佐々木だった。俺はホッと胸をなでおし、電話に出た。

「もしもし?」

『……ちゃんと行った?』

「もちろん。もっと被害被ってから来いってさ。」

『取り合ってもらえなかったの?』

「ああ、証拠不十分だってさ。」

『……ま、なんとなく予想はしてたけど……で?今どこにいるの?」

「あー……」

はてさて。どういったもんか。出かけてるなんて言おうもんなら怒られそうだな。

「今帰ってるよ」

『そ。ならいいけど……気を付けてよね。』

「あいよ」

電話を切り、俺はゆっくりと校舎に侵入した。


どうも雨乃森です。

ここまでありがとうございました。

また次回会いましょう

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