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「仮面舞踏会」  作者: 雨乃森
3/7

1-2「不穏な影」

どうも雨乃森です。

予約投稿に失敗した人です。それに気づくのが遅すぎた埋葬

今日程バイトが徒歩通勤で良かったと思った日はない。視界が歪み、足取りも不確かに

なるほど気分が悪い。さらには頭が割れるように痛い。まるで内側がら殴られてるような。

「くそが…」

ついそうこぼしてしまった。それと一緒に腹がなった。こんな状態だが空腹らしい。

苛立ちが募る。確か近くにコンビニがあったはずだ。だぁ、頭いてぇ。

日はとうに落ち、六月とは言えこんな時間ならそれなりに暗いがここは田舎じゃない光るものはいくらでもある。そんな中でひと際輝くそれは今日に限って鬱陶しく思う。コンビニでこんなうるさかったか?

「いらっしゃいやせー」

ゆるいあいさつが聞こえた。もうなんでもいい。メロンパンと牛乳でいいだろ。

店員がサービスとかカードとか言ってたが、代金は払った。無視だ。もうここは利用できないな。道路を走る車の音もうるさい。頭に響く。だめだ、限界だ。なんかの病気か?

…………

目があった。

正確にはそう感じた。だってそいつに目なんてないのだから。そいつはちょうど俺が立っている向かい側に居た。確かに辺りは車のヘッドライトや店の明かりできらきらとしている。

さらには人だって少なくない。そんな雑踏に簡単に埋もれてしまうような「そいつ」は

ただの「人影」だ。ただの影じゃない。文字の通りの「人影」がそこには

「居た」そう形容出来る程の存在感を出していた。歪む視界の中でそいつだけははっきりと

堂々と俺を睨んでいる

「あ、すいません」

何かがぶつかったと思った瞬間そう聞こえた。それもそうか、人は少なくない誰かにぶつかる

ぐらいあるだろ。一瞬だが視界がぶれた、先ほど奴がいた場所には誰もいなかった。

だが猛烈に背筋が凍える。後ろだ。確実に。

ゆっくりと振り返る。

居た。

まだ遠い。

しかしさっきよりは確実に近づいている。

気付けば、視界の歪みと頭痛はなくなっていた。しかし俺の頭の中はけたましいサイレンが響いている。俺の危機管理能力はただ一言。

逃げろ。

俺は一目散に駆け出した。幾人かの人にぶつかり掛けたが、構うものか。あれを見て他人のことを気遣う程俺は出来ていない。少なくともあの場所よりかは離れた。久しぶりの全速力だ

バイトでもここまで一生懸命にはならない。

だが。

視線を感じる。まるで炎だ。熱い視線が俺に向けられている、その通りだったらどれだけよかったか、そいつの視線はホントに熱いのだ。痛みすら感じる。

息が整う前に俺は走った。しかし

居た。居た。居た。居た。居た。

どこへ逃げても奴が居た。

「なんなんだよ…!」

俺はまた走った。しかしどこへ?もうアドレナリンの誤魔化しは効かない。日頃の運動不足

が段々と現れ出した。脚の重さが背後の存在感を強烈に高める。振り返る。度に奴がいる。

依然として遠いが確実に近づいている。弱肉強食。追い詰められた獲物というのはこんな

気持ちなのか。くそが。もうだめだ。適当に入った路地裏で俺はへたりこんだ。

「はぁ…はぁ…!」

ちくしょう。酸素が足りない。腹が減った。眠たい。恐怖では打ち消されていた、それらの

主張が激しくなっている。もう立てない。あまりにも重い。

「ニャー」

黒猫だ。それも子猫。そいつは俺の買い物袋にもぐりこんで居た。

おい。と言う前にそいつは俺のメロンパンを咥え路地裏の奥に走っていった。

また違うエネルギーが体を満たす。俺は子猫を追いかけた。なんだこの状況は俺は追われながら追っているのか。笑いこみ上げる。

あれからどれだけはしったろうか。すばしっこい猫を捕まえた頃には「あいつ」は消えていた。

「お前のおかげだな」

「ニャー」

「なんだ、メロンパンがほしいのか」

「ニャー」

「ああ、こっちか」

子猫は牛乳をねだるように見ている。

「お前は恩人…いや恩猫?だからな、といっても器がな」

「ニャー」

「あぁ…うち来るか?」

「ニャー」

どうも雨乃森です。

ここまでありがとうございました。

まだ次回

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