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「仮面舞踏会」  作者: 雨乃森
1/7

「プロローグ」

初投稿です。

拙い文章ですが、もし皆さんの暇つぶし程度になればと思います。

それではよろしくお願いします。

最初は0話ということで

6月7日 水


「波津ッ!!!!」

目が覚めると彼女が赤い水に沈んでいる。同時に鉄っぽい匂いが鼻を衝く。

その隣には黒いもやのような人影が彼女をじっと見つめている。

その人影はゆっくりと彼女に影を伸ばす。

俺は無様にも這いつくばりながら彼女の名を叫ぶ。

そしてそれらを眺める()がいた。

「離れろ…!!」

俺は懸命に手を伸ばしている。

「波津!!」

すぐそこにいるのに、必死で這っても一向に距離が縮まらない。

何もできない俺を尻目に奴は彼女の顔に手を伸ばす。

そして

波津の顔を

引きちぎった

『波津ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!』


        ーーーーーーーーーー

飛び起きた。視界に写るのは見慣れてしまったボロアパートの自宅だ。

「はぁ…はぁ…夢か…」

今度こそ本当に目が覚めた。時刻は夜中の二時。薄気味悪いことこの上ない。

あれが夢だと理解すると同時にのどはからからで寝間着は汗で不快感がとんでもないことに

なっていた。なんとか体を起こし、水道の蛇口を捻る。水圧のおかしい音が妙な圧迫感を感じさせる。 水を飲めば多少は落ち着いた。

ふと、テーブルの上にあるはがきが目にはいった。最近の夢見が悪いのは

こいつのせいか?

「○○高校…同窓会……はぁ」

言ってしまえばただの同窓会の招待状だ。これが届いたのはちょうど今日

当時の知り合いとの交流は一切ないはずだが。どういう訳かこれがうちに届き

その同窓会は来週。()のことを想起させられるだけでこの様だ。

無関係だ。と言い切れるようなことがないわけでもない。

確かに、当時の友人関係が良好とえば嘘になる。どちらかというと一人の方が多かった。

別にそれを今になって悲観も後悔もない。ただ

「……波津……」

我が家には一つの写真立がある。

たまたまあった古いカメラで撮ったそれは、だだでさえ物が古いのにそこから十年も経って

少し褪せている。入学式と書かれた看板の横で満面の笑みを浮かべているいるのは一人の少女。

少し小柄な体躯だがとても活発で長い黒髪と笑顔が特徴の少女。

彼女の名前は「若山 波津」波津とは幼馴染みだった。

小中高と一緒で俺の最愛の人「だった」

実のところ、この悪夢の故は分かっている。

彼女が亡くなったのは…そう確か…あれ?

そうだ。十年前の高校の修学旅行だ。あの時俺は…俺が……俺が?

「……ッ」

だめだ、あの惨劇を思いだそうとするだけで頭がおかしくなる。

俺は写真を抱きながら横になった。するとあっという間に睡魔が襲ってきた。

「波津……」

彼女の笑顔が瞼に写る。

眠れない日はいつもこうしている。

俺は彼女がいないとだめなんだ。

人は誰しも大きな()を抱えているものだ。そしてそれをひた隠しにしている。

傷なんて誰にも見られたくない。そういうものだろう?

他人と比べるわけではないが、とりわけ俺、「雪野 遥」の傷は深刻だ。

あれからもう十年も経つというのに、俺はまだ壊れた時計のように「あの時」で止まっている。

それでは改めて。初めまして『雨乃森』です。

この度「読む側」から「書く側」へとなりました。

あらゆることが初めてですが、よろしくお願いいたします。

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