聖堂教会にて…
場所は変わり、白をベースとした教会の中。
多くの信者達が、手を合わせ、祈りを捧げていた。
今日は、週に1回行われる祈りの日。
聖堂教会が所有する各場所の教会内にて行われていた。
そして、ここは聖堂教会の本部…
大司祭や法王…さらには聖女までこの場に集まり、祈りを捧げていた。
そもそも、教会という枠組みの1番上にいるのは神なのだから、当たり前と言えば当たり前の光景だが…
そんな静寂が支配する空間内で、神々しい光の玉が1人の聖女の元に現れた。
「…“神託”である」
彼女のその一言で一般の信者はおろか法王や他の聖女すら緊張で体が硬くなった。
誰しもが、その言葉を聞き漏らさぬ様に耳を研ぎ澄ます…
自分に送られたもので無いことは重々承知しているが、それでも信者としてその機会に立ち会える事に喜びを感じていた。
そもそも、精霊の便りも神託もそう滅多にあるものではない。
長きにわたり信者として活動してきた法王すら、人生の中で3回しか神託に立ち会える機会はなかったぐらいだ。
神託を受け取った聖女は立ち上がると、振り替えり、信者達に顔を向けた。
そして、神託の玉を胸に当てるとゆっくり体の中に入っていき…
「…これは神託である。我らが主より、祝福のお言葉をいただきました………新たな聖女…かの“精霊の愛子”様が誕生されたと…」
「「「「ッ…!?」」」」
周りから息を呑む声が聞こえた。
教会の立ち位置として、神に及ばないが精霊達も神に等しい存在だと考えている。
その精霊達から愛された聖女が誕生した事実に驚きを隠せなかった。
「…直ちに精霊の愛子様をお迎えする準備を……法王様、私を筆頭としたお迎えの者の選別と準備をお願いいたします」
「かしこまりました」
様付け相手に指示を出すのは異様な光景だが…
実際な聖女の方が位は高く、法王であろうと、聖女の前では一信者にしか過ぎないのだ。
しかも、この聖女はただの聖女ではない。
“神々の代行者”…
それが、この聖女の2つ名…
精霊の愛子が数多の精霊から愛される存在なら、神々の代行者は“数多の神が自分の代わりを任せられる存在”だ。
つまり、この場にいる聖女は神そのものであると言っても過言ではない。
彼女に対して、誠意もしくは悪意を持って接することは、全て神に対して行なっているのと同義…
本来なら、聖女の中に位付けなどは無いが…
この聖女に関しては別だ。
そもそも、存在の定義が異なるのだから。
「では、明日までに準備を完了させます」
「お願いいたします」
「…して、場所はどちらに?」
「…誕生した場所は、遠き地のバルガンナ国……
私の“故郷”ですわ」




