その2 空き家
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「うわっ~‥‥。」
「ほぼ廃墟ですね。」
「おいおい、化物が出そうな家だーーおおっ!?」
「達之!?大丈夫!?」
「ここら辺の床が腐ってるなぁ。変な匂いがするな。」
「げっ!?骨!?‥‥なんだ動物の骨か。しかも腐肉もついてやがる。」
夕暮れ時メンバーが村はずれの数件の空き家を探索していた。
この空き家は、見た目と中の状態からしても異臭や床の腐敗が酷くここ数年誰も住んでいない程の廃墟と言ってもいいほどの酷い状態だった。現に筋肉質の男が室内に入った途端に床が崩れてその場に落ちてしまった。
ちなみに他のメンバーも同様に別の空き家の探索している。
「ここはやめた方がいいですね。危険過ぎです。」
メンバーの一人がそう言うと他のメンバーも納得した。そして床に落ちた筋肉質の男が床から這い上がってきた。頭にはクモの巣や埃が被さっている状態だったが、特に外傷などは見られなかったが、筋肉質の男は不機嫌そのものだった。
「痛ってて。俺様今日は最悪の日だせ。」
「達之大丈夫?ほら頭出して、ゴミ取るから。」
「すまねぇな、巧。」
「大丈夫ですか?先輩?」
筋肉質の男を心配する幼馴染みと後輩、メンバーは玄関を出て外に出ると空き家探索の他のメンバーが続々と戻ってきた。
「あっちも駄目や。床下が完全になかったで」
「こっちは、床下がしっかりしてたんですけども家中にはなんか古びた人形がたくさんあって家の裏庭になんか‥‥墓みたいのがあったから止めた方がいいですね。」
他の空き家の状況を話していくメンバー達、そんな中
「あれ?繁先輩達は?」
「そういえやまだ戻ってきていないですね。」
まだ戻ってきていないグループがいると分かった途端に
「お~い。」
誰かが呼び掛ける声が聞こえた。皆が振り返ると件のグループ達のその内の二名が空き家の二階の窓を開けて手を振っている。
「この空き家大丈夫でした!幌馬車をここまで移動お願いします!」
と言われた。他のメンバーも安堵した久しぶりの野宿はしなくてもいいと思った。その言葉を聞いた数名はそんなに遠くではないが主人たちを待っている幌馬車を件の空き家に移動するために走り出した。
残りのメンバーは空き家に向かった。
「状態はええのじゃけども‥‥。」
「全員が寝れるスペースがないで‥。」
「‥‥んだな。」
全員が空き家に集まって思った。
空き家の状態は、他の空き家に比べれば状態は良かった。しかし全員【15名以上】を越えるメンバーが一度で寝れるスペースはなかった。二階があるがどうやら物置小屋を兼ねている為に狭い。
「‥‥数名は幌馬車で寝ることになるな。」
「そうですね。」
「‥‥三日連続見張りをした吉村と三戸、それと体調を崩している長池は空き家で寝た方いいぜよ。それは確定ぜよ。後は‥‥じゃんけんで決めるぜよ。」
男の言葉に顔の表情が強ばる者や内心では険悪もする輩もいるが仕方ないなと納得する面々がいるが
「すいません。俺達の為に。」
「気にするな。今日はゆっくり休むのじゃ。」
「えっー?じゃんけん?くじ引きでええやろ?」
大輝という男は、いつの間にか花穂が生えている雑草を引き抜いて、雑草の花穂の方を手の中に入れている。どうやらくじ引き代わりにするらしい
「さぁ、恨みこなしの勝負や!」
「‥‥こういう大輝の場合が作るくじ引きはほぼインチキが多いからやめるぜよ。」
「あっ!?心!心外やな!俺がお前に嘘ついたことがあったか!?」
「8:2で嘘の方が多いぜよ。」
「‥‥ちっ!!」
と不服をいいながらもくじ引きはやめて結局じゃんけんをして
結局確定三人を含めて11名が空き家に眠る事になり。他は幌馬車の中で眠る事になった。
決まった後は彼らは各々役割の仕事に始めたのであった。
仮に大量の古びた人形と裏庭に墓がある空き家があったら皆様は泊まりますか?