かつてのボクと猫。今のオレと、ねこ。【特別企画@猫が登場する小説大会】
追悼文
"猫"。それだけの呼称で、そいつを呼んでいた。
具体的に何時のことだったのか、忘れてしまったが、時期はボクが小学生だったことは覚えている。
"猫"は黒と白の割合が、だいたい5割前後で混じった、バイカラーでハチワレの幼い子猫。
学校近くの空き地に気がついたら居付き、ボクが帰りに通りかかる決まった時間に、"猫"の呼び名を呼ぶと、「にゃー」と子猫らしい声で応えて出てきていた。その様がなんとも可愛らしいかった。
ある時に、ボクが給食のあまりのミルクをくすねてきて猫にくれてやると、舌をチロチロと何度も付けながら、ぴちゃぴちゃと音を立てて美味しそうに飲んでいた。
そんな日々がひと月ほど続いた頃・・・。猫は、いなくなった。
その時の事をよく覚えている。いなくなった。これは正しい言葉ではない。
正確には殺されてしまった。多分・・・そうなのだろう。
近所の人に聞いたら、『鳴き声がうるさかったから、保健所に連絡をいれて、連れて行ってもらった』という。
"猫"にはやはり兄弟がいたそうで、何匹も連れていった。と付け足していたが、どうにもやるせなかった。
あるいは、子猫だから、競売に出され、値を付けられ、買い主の元に引き取られ、新たな居場所を得ることが出来たのだろうか・・・。
幼かったオレには知る由もない。
先日、身近にいたネコが、なんとも理不尽に遭ったようで、行方知れずとなったが、そのネコは今どうしているだろうか・・・。
かつての出来事と、先日の出来事。
互いに"他人の都合"・"オトナの理不尽"などと呼ぶべき似通うモノを感じ、気にかかる。
出来れば、あのネコは新天地を見つけていればよいのだが・・・その行方は、ようと知れない。
かつてあったことと、先日あったこと、いろいろ混ぜて、ちょっとしたお話に・・・。
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あうう・・・猫ー、ネコー。行方を知ってるけど、垢バンされたのが悲しい。
(´;ω;`)ブワッ