ショートショート「ゴミ箱」
作中に説明が無い場合はN博士とW君の二人が登場します。
N博士:発明家。
W君:N博士の助手兼モルモット。
「W君できたぞ、これが最新式のゴミ箱だ」
「N博士、ゴミ箱に最新って、どういう意味ですか」
「マイクロブラックホールを内蔵しており、ゴミを入れてスイッチをオンすると、ゴミのサイズが無限小に小さくなるという優れものじゃ」
「これで、人に見られたくないゴミや有料ゴミをタダで捨て放題ですね。でも危なくないですか、なんでもかんでも吸い込まれそうで怖いんですが」
「安全装置は多重にかけておる。蓋が開いている場合はもちろん動かんし、生物検出装置もついておる。おまけにこいつの内殻は反重力ユニットによりガードされており圧壊しないようになっておるぞ。核のゴミなんかも捨てられるぞ」
「反重力って……さらっと、凄いこと言いませんでしたか」
6年後
アナウンサー『本日、先進国首脳会談において、限りある資源を守るためにBHゴミ箱の使用禁止が合意されました』
BHゴミ箱にゴミを捨てすぎた結果、資源が枯渇してしまうという、ディストピアな結末です。
空気や水をエンドレスで吸い込みまくるバッドエンドも考えたのですが、書いているうちにこのようなオチになりました。
ちなみに、BHゴミ箱はブラックホールゴミ箱のことで、論理上は無限大の重量になって移動困難ですが、反重力ユニットを使用することで重さを感じさせることなく移動可能となっています。
穴にゴミを捨てまくったら・・・という有名なショートショートが元ネタですが、ゴミというキーワード以外は原型がないため、言われなければ気が付かないかもしれません。