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俺が指輪の物語(仮  作者: トム麻呂
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11話 伝説のほにゃらら 当事者より 後半




 講義そっちのけで伝説談義が続く、そろそろ昼飯の時間が来そうだが、すっかりエミリアもレッセンも盛り上がってしまっていた。


「聖斧は王家が所有していると聞きます、裏切りの魔族から大戦後に返却されたそうですな。」


(あぁ、グレイプニールか。あいつは気難しい奴だったからな、インテリジェンスウェポンって言えるかは分からんが、特殊なモンだったわ。扱いきれずに返したんだろ。)


「どういうこと?聖斧が気難しいって。」


「お嬢様、聖斧には聖獣が宿っているのでございます。」


「聖獣?宿る?」


(そう、俺とレンゼリアみたいに会話出来たわけじゃ無いんだけど、獣を呼び出す事が出来たんだ。おまけにそいつ変身するし死なないし、気分屋だったしで手がつけられなかったな。だけど欠点もあった。)


「どんな獣だったの?欠点があったって、レッセン知ってる?」


「はい、まず聖斧自体は重量が凄まじく、並みの者では戦闘で振るうのも困難で、まともに扱える者はごく僅かと。それで聖獣は決まった姿を持たなかったと伝わっておりますな、最も多く現れたのが巨大な四足獣の姿だったそうです。」


(レッセン詳しいな、見たことあるのか?)


「詳しいなって、レッセン実際に見たことあるの?」


「昔騎士団に所属しておりましたので、その際に少し…昔の話でございます。」


(レッセンの言う通りだ、当時の持ち主は残念ながら戦争途中で倒れたんだが、色々あってな…後は伝わってる通りだ。まぁその辺りはまた詳しく話してやるよ。)


「聖斧はかなり前にその力を失っているとの噂もあります。実際誰が扱ってもこの数十年、聖獣が顕現したという報告はございませんので…」


(は?なんだそれ、グレイプニールは健在だったはずだぞ?)


 部屋のドアがノックされる、部屋に顔を出したのはメイドのベラだ。


「お嬢様ー、レッセンさーん、そろそろ昼食のお時間ですよー!食堂においで下さーい。」


「おぉ、もうそんな…今日は授業になりませんでしたが…中々に興味深い。ある意味で重要な歴史の授業と言えたかも知れませんな。」


 一番食いついてたのはレッセンだったがな。今まで見たこと無いような目でこっち見てたし。


「わかったわ、ベル。ありがとう。ねぇレッセン、お父様は英雄の武器についてご存知かな、昼食の時に聞いてみましょ?」


(グレイプニールの件が気になるが…まだ聞いて無いのは4つか、うち2つは何事も無けりゃあいつらがまだ持ってる筈だが…)


 食堂に向かうエミリアの後について歩くレッセンが妙に楽しそうに見えたのは内緒だ。




「お父様、八英雄の武具について知ってる?」


 昼食後のお茶タイム中、エミリアがデラクに唐突に問いかけた。


「突然だね、エミリア。そんなに詳しいわけじゃないけど、いくつかは実物を見た事があるよ?」


 紅茶を啜りながらデラクが答える。エミリアの向かいに座るクラリスとミラが驚いた表情を見せた。


「お父様ぁ、そうなんですの?初めて聞きましたわ。」


「ふむ、北のアレント家とダンドリア家の事?それともエゼンセン様の事かしら。」


(シディルスとナスティか、やっぱりまだ生きてんだな。)


「リョウ、あの…エゼンセン様と面識があるの?」


(まぁ…な。面識っていうかどうかは分からんが。)


 あいつが俺を呼び出した元凶だからな。


「私はエゼンセン様とは直接お会いした事はないよ、見た事があるのは北方の二家に招かれた時に少しね。」


(シディルスとナスティの二人は分かった。あいつらが生きてるなら、杖も玉もまだ持ってんだろ。)


「お父様、エゼンセン様は聖杖と聖玉をお持ちなの?」


「エゼンセン様ご夫妻は伝説の生き証人的存在だからね、亡くなったという話は聞かないし、多分まだフォステレスでご存命のはずだよ、聖杖の恩恵は有名だからね。ただ、姿をお隠しになられてて、今何処にいらっしゃるかは分からないなぁ。」


(この世界で唯一治癒術を行使出来る聖杖と魔力増幅器の聖玉な。確かに上手く組み合わせりゃ寿命伸ばす位は出来るか。)


「はぁ…それが聖杖と聖玉の力なのね、リョウは簡単に言っちゃうけど、やっぱりとんでもないのね。」


 エミリアの独り言にデラクが反応する。


「トーノ殿はやはり全ての伝説の武具の能力をご存知なのですね。エミリア、トーノ殿にお聞きした昔の事はあまり外で話さない様にな。」


「王国の至宝が実際に活躍していた頃をご存知なんですもの、当然と言えば当然ですわね。エミリア、トーノ様から伺った事は迂闊に他人に聞かせてはいけませんよ。」


 領主夫妻が俺に注目しながらため息をつく。エミリア意外には話そうと思っても話せんのだから、そんなに心配しなくても良いと思うがな。エミリアがうっかりしそうなら釘でも刺すさ。


(二人とも心配しなくても駄目そうなら止めるから。)


「リョウが御目付け役になるんだってさ、お父様、お母様。」


 肩をすくめながらエミリアが息を吐く。

 その一言で食堂に家族の笑い声が響く、エナとベラも後ろで笑いを堪えてるな。


「アレント家の聖棍とダンドリア家の聖弓は王国内でも有名だからね、今も現役で使われているはずだよ、どちらの当主も北部の騒ぎの鎮静化に度々駆り出されてるはずだからね。」


 魔王が封印されて200年弱、魔族領から引き上げたのは北部の環境が人類族には過酷だからだ。なので駐留可能ギリギリまで南下しての監視体制を維持している。レンゼリアの封印は外からどうのこうの出来る柔なもんじゃないってのは本人談で、目を離しても問題なかったからな。当時は。

 それでも魔族が根絶やしになった訳じゃ無い、そんな事をするために戦争してた訳でも無かったから、当然北部にはまだ魔族が沢山いる筈だ。


 人類族と魔族の溝は深い、あの頃からどれくらい状況は変わってるかは分からないが、少なくとも大規模な戦争は起きてない。が、デラクのいう騒ぎってのは、まぁそういう事なんだろう。


 これで武器の今については分かったが、なんだろう、改めて俺だけ蚊帳の外なのは変わらないなと。少しだけ凹んだ気持ちになるのであった。



「あぁ、そうだ、王家から返事が来たよ。建国祭にはトーノ殿を持って…っていうのはおかしいか、連れて王家へのお目通りが決まったからね。エミリアは私と一緒に王都行きだよ。」


 ガタンと立ち上がってやったと騒ぐエミリアがミラさんに怒られるのを、やっぱり家族みんなが笑顔で見ていた。





◇異世界の指輪◇

装備分類:リング

防御力:0

魔力値:3

アビリティ:筋力増強+1

サイズ調整

パッシブ :魔力操作

視覚自在化

思考制御


◇説明◇

詳細不明の金属で出来た指輪。

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