表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺が指輪の物語(仮  作者: トム麻呂
10/45

10話 伝説のほにゃらら 当事者より 前編




王国歴476年 春の月40日


 今日もレッセンの座学が午前中に行われていた。内容は日によって違うがレッセンが進捗管理をしているのだろう、算術だったり礼儀作法・歴史だったり色々と、午後は大体外での訓練だが、休みの日もあるようだ。

 午後休みの日は外に遊びに行ったりしてるが、もっぱら予習復習に忙しい。

 10歳なのに勤勉な事です。


 昼から外で訓練予定なので、ジャージ上下と髪を結んだスポーティな格好で机に向かうエミリア。


「それでは本日も王国の歴史の講義を行います。もう大分近年まで済みましたので、そろそろ歴史の講義は控え目にしていく予定でございます。」


(なぁ、エミリア。)


(はい、どうしました?リョウ。)


(今まで言い伝えとか伝説って単語をよく聞いたが、俺らがどんな風に伝わってるか教えてくれるか? 居間の飾り台に居たから詳しくわからないんだ。)


(あぁ、そうですね…)


「お嬢様、トーノ様とお話しせずにこちらにご集中下さいませ。」


 最近は講義中や訓練中にエミリアと話してると、俺と念話してるって気づくレッセン、やるな執事。


「えっ?あぁ、レッセンどうしていつもわかっちゃうの?リョウの声が聞こえてるわけじゃないわよね?」


「目線や表情、急に笑顔になったり不自然に目線が泳ぎます、書き取りの手元が止まる、笑いを堪えて吹き出す、こちらの問いかけに返事が遅れる。まだご説明致しますか?」


「むぅ…ごめんなさい。そんなに分かりやすいかなぁ。」


「トーノ様も、講義中は出来るだけお控え頂けると助かります。」


(悪い悪い、邪魔するつもりはなかったんだ。しかし凄いなレッセンさん。)


「ごめんだって。あとレッセン凄いって褒められてる。」


「恐縮でございます。して、本日はどの様な雑談だったのでございますかな?」


 少し微笑みながらレッセンがエミリアの手元をチラリと見る。俺に聞いてるのか?


(人魔大戦…だっけか?その戦争とその後の勇者王、後は召喚された武具のその後について気になっただけだよ。)


「戦争と、勇者王様と八英雄様の武器についてですって。」


「ふむ…当事者たるトーノ様がご存知無いというのも不思議なお話しではございますが、お伽話や創作も含めると数多くの読み物がございますな。正式な歴史となると記録は王都に保管されていると思います。私の知る限りで宜しいでしょうか?」


「私も色々知ってるよ?勇者王様とお姫様の恋物語とか、裏切りの魔族との共闘話とか大好き!」


 興奮して金髪が揺れる、こういう所はまだまだ子供だな、うんうん、可愛いぞエミリア。


 だが奴らの恋愛事情には興味がない。爆ぜろ勇者王。あとアイツは…いいや、面倒くせぇ。


(今は人魔大戦って呼ばれてるアレは、一応参加してたから大筋の流れはわかってる。脚色されて伝わってる所は笑える部分でもあるがな、中でも一番知りたいのは武器のその後だな。…8つの内2つはあの時壊れたんだよなぁ、だから残り6つだな。)


「武器について詳しく知りたいって、人魔大戦は参加してたから大体わかるんだって。伝説の武器って全部残ってないのは私も知ってるよ?聖槍と聖鞭が大戦中に失われたのよね。」


「ほほぅ、大戦当時の事を当事者から直接…ですか。これは興味が尽きませんなぁ。」


 おい、急にギラギラした目でこっちを見るな執事。


「それでは、私供の知る限り伝説の武器についてお話し致しましょう。」


「一番有名なのは聖剣レンゼリアよね、王国の民なら皆知ってるわ。戴冠式と年に一回の建国祭には帯剣した国王様が演説なされるわね。」


「そうですな、意思持つ聖剣レンゼリア、持った者の力を高め無双の勇者と為す、と言う事ですが。人魔大戦が終わった後は戦いに使われたという記録は聞いた事がございませんな。王城にて厳重に保管されているという事です。…実際の所どうなのですかな?」


 だからギラついた目でこっちを見るな、興味があるのはわかったから。


(レンゼリアなぁ、あいつは反則だわ、アレを装備した奴にゃ魔族の幹部でも相手になったのは上位クラスだけだったらしい。あんまり能力を話すなって口止めされてるから詳しくは言えないが、持った奴の能力を高めるってのは間違いだ。)


「え?そうなんですか?強くなるっていうの間違ってるの?」


「ほほぅ、興味深い。是非お聞かせ頂けますかな?」


(あー、レンゼリアの反則なとこはもっと別にあるんだが、その能力が上がるって話は誤解があるな、あいつは持ち主の力を【強制的に引き上げる】んだ。反動が凄い、持っただけであんだけ強くなるならレンゼリアと勇者だけで戦争に勝ててたよ。全力で戦うと、使えば使っただけ、能力切った後に地獄みたいな反動が襲ってくるんだ。)


「う…使うと…危ないんだって、レッセン。力は強くなるけどその反動があるって。」


 レッセンが唸る様な声をだしながら自慢のカイゼル髭を撫でる。


「むぅ…ならば勇者王の戦いの物語はどうなのですかな?常に先頭で英雄達を率いたとの事ですが。」


(能力を使えばな、レンゼリアの力は色々とあったけど、ただ振るだけでもメチャクチャ切れたからな、訓練用の鉄鎧の案山子がスパスパ切れるとかどんな冗談かと思ったわ。力の引き上げは人の力じゃどうにもならない相手だけに使ってたんだ。魔王倒して帰ってきた時は仲間に背負われてて、何ヶ月も寝たきりだったからなぁ。)


「普段は力を抑えて、強い相手にだけ使ったんだって、鉄が振るだけで切れたらしいよ。魔王を倒した後は何ヶ月も倒れてたんだって。」


「まさに伝説の英雄に相応しい、人の身にて邪悪を討つ為の聖剣という事ですな。」


 エミリアとレッセンの目がキラキラしてる、楽しそうだなおい。



 …実際はそんな簡単な話じゃなかったんだがな。妙に英雄的で勧善懲悪な印象を受けるが、まぁ勝った方の言い伝えなんてそんなもんか。


「聖槍は魔族に奪われた後に、英雄達の手によって使い手の魔族共々破壊され、失われたと伝わっております。またその際に聖鞭が聖槍によって破壊されたとも。」


(その場には居なかったが間違いないよ、俺も後で詳しく聞いただけだがな。戦争の中頃の話だな。)


「合ってるって。聖槍ゲイ・ギヌスと聖鞭ネビュラローズの英雄のお話しはお伽話でも有名だよね。」



 …っく…。ぬぅぅ………。

…………あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…

恥ずかしいーーーーーーーーーーー!

 口に出して言わないでくれえぇぇぇぇ!

あーそうだよ、俺がレンゼリアと相談して名前付けたんだよ!あん時は色々気分が盛り上がってて厨二気分満載だったんだよ!投げたら絶対当たる槍とかめっちゃ伸びるイバラとか、そりゃノリノリで付けたわ!勘弁してくれよ!謝るよ!反省してるよ!いっそ殺せよ!


(…あの…ふ…二人はその2つについてどう思う?その…名前についてとか。)


「どう思うも何も、そう言う名前だったんでしょう?魔力を持って放てば必中の聖なる槍と、何処までも相手を追い詰める聖なるイバラの鞭、だったわよねレッセン。」


「諸説ありますが、そう伝わっておりますな。実物は失われているので確かめる術はございませんが、創作以外の読み物や伝承では主にその様に。」


 だってあいつら全部◇異世界の〇〇◇だったんだぜ⁈名前がちゃんとついてたのレンゼリアだけだったんだもの!盛り上がらねえじゃん!騎士団に下賜される時にレンゼリアと念話しながらアイツが王様に言わせたんだっつの!

 …そりゃ確かに俺の厨二アイデアが全面的に採用されたがな!ごめん!反省してるから!



 それでもレンゼリアが【鑑定】した能力に合わせて付けたつもりだったんだ…もうまぢ勘弁して下さい。




◇異世界の指輪◇

装備分類:リング

防御力:0

魔力値:3

アビリティ:筋力増強+1

サイズ調整

パッシブ :魔力操作

視覚自在化

思考制御


◇説明◇

詳細不明の金属で出来た指輪。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ