チャック的~新説かぐや姫~
今回の配役は、あみだくじではありません。
ちゃんと考えたんですよ、これでも。
だって、あみだくじだと↓になったんだもん。
かぐや姫:ヨシュア(!?)
おじいさん:レオンハルト
おばあさん:ジークフリート(!?)
求婚者:ハルカ、タマ、スズメ、着ぐるみ、レイナルド
帝:ローレンス
家来:アレクサンダー
月の住人:ギルバート、マリアンナ
コレ、何かすげぇ!何をしたら良いのか分からない(笑)
あるところに、おじいさんとおばあさんが仲良く暮らしておりました。
おじいさんは竹を取って、色々なことに使っていました。
ある日、おじいさんが竹藪に行くと、根元が光っている不思議な竹を見つけました。
翁「この竹は何でしょうか?……怪しいですね」
おじいさんがその竹を切ってみると、なんと中には小さな女の子がいたのです。
???「危ないじゃないですか。
もうちょっと、上手に切ってください。髪が何本か切れちゃいましたよ」
翁「妻……おばあさんが喜びそうですね。持って帰りましょう」
おじいさんはその女の子を家に連れ帰りました。
子どものいないおじいさんとおばあさんは、その子に“かぐや姫”と名付け、大切に育てます。
媼「かぐやちゃん、大きくなりましたね!これが成長期でしょうか?」
翁「………いくらなんでも、1か月でここまで成長しないと思いますが…」
かぐや姫「そう言う生き物なんです。気にしないでください」
翁「………………。ええ、そうすることにします」
かぐや姫はすくすくと育ち、すぐに年頃の女性になりました。
美しく成長したかぐや姫の評判を聞きつけ、5人の求婚者が現れます。
媼「さすが、かぐやちゃん!モテモテですね!」
翁「………かぐや姫、この求婚を受ける気はありますか?」
かぐや姫「ナイです」
翁「しかし、この時代では年頃の娘が結婚しないことはできませんよ?」
媼「おじいさん、酷いです!かぐやちゃんを無理やり結婚させるつもりですか!?」
かぐや姫「ヒドイです」
翁「………そういう意味ではありません。理由もなく求婚を断る訳にはいかないと言っているのです。
せめて、彼らの話だけでも聞いてあげてください」
かぐや姫「仕方ありません、直接引導を渡してあげますよ」
媼「かぐやちゃん格好良い!…私もお手伝いしますね」
かぐや姫は5人の求婚者達と会ってみることにしました。
☆☆☆
集まった5人は、それぞれかぐや姫に求婚します。
求婚者1「俺の妻になってくれないか?…必ず幸せにすると約束しよう」
求婚者2「………レイナルド殿、アッサリ言ったな。
俺には無理だ。何か、察してくれ」
求婚者3「私にはもう妻がおりますので………。かぐや姫、養子に来ますか?」
求婚者4「僕も奥さんがいるんだよね~。
かぐやちゃん、僕の娘になる?ウチはとっても楽しいよ!!」
求婚者5「バウッ!!(翻訳不可能)」
かぐや姫「全員、論外ですね。さっさと退場してください」
媼「そうですよ!特に、3番さんと4番さんはお帰りください。……うちの子はあげませんから!」
翁「………それは、何か違うのでは…。……かぐや姫。そう言わずに、もう少し話を聞いてあげるとか、無理難題をふっかけるとかしてください」
かぐや姫「“無理難題”………。
では、この物語のどこかにいるジーク…魔王を倒してくれた方と結婚することにします」
媼「異議あり!!それは4番さんに有利です!」
かぐや姫「…それもそうですね。異議を認めます。
じゃあ、この世の海水を全て飲み干してくださった方と結婚します」
翁「………それは確かに無理難題です。
例えソレができたとしても、できた方を人間と認めることはできませんね」
媼「さすがに人間じゃないとダメですよね。………5番さんは帰ってください」
かぐや姫「皆さん、こんな感じですがどうしますか?」
求婚者1「いや、俺ではアンタの相手に相応しくないだろう。身を退かせてもらう」
求婚者2「あなたには、もっと相応しい人がいると思う。俺も喜んで身を退かせてもらおう」
求婚者3「おばあさんにも言われてしまいましたし、私はもう帰りましょう」
求婚者4「海水かぁ~。…海水がなくなったら、もうクルージングもダイビングもできなくなっちゃうから、それは止めとくよ!!」
求婚者5「…ガウ………(翻訳不可能)」
かぐや姫「平和的に解決できましたね」
翁「………いえ、実は…」
媼「た、大変ですっ!!帝が無理やりかぐやちゃんをお嫁さんにしようと………っ!」
かぐや姫「本当に大変ですね。…おじいさん、追い払ってください」
翁「………帝は私でもどうにかできますが、家来は無理です」
かぐや姫「役に立たない人ですね」
☆☆☆
かぐや姫達が変えられない運命を嘆き悲しんでいると、そこに帝がやって来ました。
『バァーン!!………ゴトッ、パタン』
なんと、帝が乱暴に開けた所為でふすまが壊れてしまいました。
帝「竹の妖精を捕まえたとは本当か!?………て、ああっ、ふ、ふすまが!?」
家来「まあ、帝ったら。人様のお家を壊すなど………」
翁「帝っ!なんということを!!……いつも扉は静かに開けなさいと言っているでしょう!」
媼「まあまあ、おじいさん。帝もわざとやった訳ではありませんし、ね?」
帝「スズメ…。ありがとう、なんて優しいかぐや姫なんだ!」
家来「あら、スズメ様がかぐや姫だったんですか?」
媼「え?……かぐや姫は陽香ちゃんですよ?私はおばあさんです」
翁「帝、家来を連れてさっさと帰ってください。…また失恋したいのですか?」
帝「ええっ!?…ギル、なぜ私が失恋したことを!?」
家来「王宮の者は皆知っていますわ。私がしっかりと広めておきました」
翁「ああ、それで私の姉達も知っていたのですか」
帝「………………」
かぐや姫「ドンマイ」
媼「げ、元気出してください!!きっと、帝にも素敵な恋人ができますよ!」
家来「そうですよ。ちゃんと私が、“彼女募集中!!”と広告を出しておきましたから」
帝「………………」
かぐや姫「ドンマイ」
翁「………………。それで、帝は何をしに来たのです?」
家来「まあ、帝。泣いている場合ではありませんよ。
さあ、権力を振りかざし、かぐや姫を我がものとするのです!」
媼「そんな!?……帝、見損ないましたよ!!」
帝「そ、そんなことはしないぞ!?冤罪だっ!!」
かぐや姫「サイテーですね」
帝「は、話を聞いてくれっ!!」
翁「………弁明くらいは聞いて差し上げますよ」
家来「帝、起死回生のチャンスですよ。頑張ってください」
帝「………あ、ああ。
おほん!では改めて…私の妻になってください。必ず、大切にします」
媼「やっぱり!!権力を振りかざして、かぐやちゃんを私達から奪う気なんですね!
あなたなんかには渡しません!」
かぐや姫「サイテーですね」
翁「………帝、なぜここでソレを言ったのですか。少しは空気を読んでください」
家来「ああ、失敗してしまったようですね。どうしますか?本当に攫いますか?」
帝「………………。
私の告白が………な、なかったことにされた…」
家来「見事に無視されましたね。どうしますか?本当に攫いますか?」
帝「どうせ、私の地味な告白なんて………。
もう、帰ろう。マリー、牛車の手配をしてくれ」
家来「はい、分かりました。
“権力を振りかざし、何が何でもかぐや姫を手に入れる”のですね、さすが帝です!」
帝「ちょ、そんなこと言ってないぞっ!?」
翁「………………。哀れな………」
媼「そうです!かぐやちゃんが可哀想です!」
翁「いえ、かぐや姫のことではなく…」
かぐや姫「おばあさん、あとおじいさんも。今までお世話になりました。
面倒臭くなってきたので、そろそろ故郷に帰ることにします」
媼「えっ、かぐやちゃん!?」
翁「そうですか……。おばあさんが悲しむので、たまには遊びに来てください」
かぐや姫「そう、実は私は“月の住人”だったのです!」
翁「まさか、地球を侵略しに来た宇宙人だったのですか!?」
媼「違いますよ、おじいさん。きっと、かぐやちゃんは月の兎さんだったんです」
かぐや姫「餅は食べるの専門です」
媼「そうなんですか?伝説ってアテになりませんよね」
かぐや姫「では、迎えの者を呼びますね。“出でよ!!世界を破壊と混乱に陥れる闇の化身!!”」
翁「……っ!?やはり、地球を侵略しに来たのですね!!」
媼「あっ、誰か月から降りて来ましたよ」
そのとき、天から月の使者がやって来ました。
使者2「相棒……ホントにその呪文唱えたんだね」
かぐや姫「私は“台本”に忠実な女なんです」
使者1「俺を呼ぶのが遅過ぎる。
会いたかったぞ、“俺の”かぐや姫」
かぐや姫「そのセリフ、アドリブですか?ちょっとイタイですよ」
使者1「久しぶりに会ったから、恥ずかしがっているのか?
フッ、可愛いヤツだ」
かぐや姫「あと100年くらいは、会わなくても良かったんですけど」
使者2「相棒、そろそろ帰ろう?……団長、キミがいない間すごく寂しそうだったよ?」
かぐや姫「仕方ありません。ここで求婚され続けるのも面倒ですし、帰りますか」
使者1「………………。ほお?“求婚”、か。
ハルカ、それは一体どこの身の程知らずだ?」
かぐや姫「そこにいる、帝ですよ」
帝「…っ!?…ち、違うぞ!?………いや、違わないが、それは話の上で仕方なく…」
使者1「よく聞け、地に這い蹲る人間共。
二度目はない。次に同じことが起きたなら………惑星ごと消滅させてやろう」
使者2「それ、どこの魔王のセリフ!?」
かぐや姫「月の魔王じゃないですか?」
使者2「何それ、新しい」
かぐや姫「“新説”ですから」
使者2「グローバル通り越して、宇宙規模だよ!?」
かぐや姫「あなたも一々ツッコまないといけないなんて、大変ですね。
…では、おばあさん、あとおじいさんも。さようなら」
媼「ううっ………。元気でね、かぐやちゃん!また、いつか会おう!」
こうして、かぐや姫は月に帰って行きました。
めでたし、めでたし。
キャストロール
かぐや姫:ハルカ
おじいさん:ギルバート
おばあさん:スズメ
求婚者1:レイナルド
求婚者2:ヨシュア
求婚者3:ローレンス
求婚者4:アレクサンダー
求婚者5:タマ
帝:レオンハルト
家来:マリアンナ
月の住人1:ジークフリート
月の住人2:着ぐるみ