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チャック的~新説3匹の子ブタ~

 とあるブタの家。


父親「おい、お前達。今すぐ、ここから出て行け」


長男「ええっ!?……ボク達、追い出されるの?」


次男「ご安心ください、神獣様!!この、アレンが神獣様に相応しい邸を用意致しましょう!」


長男「………ボク、早く自立したかったんだー」


父親「黙れ。さっさと消え失せろ。…叩き斬られたいのか」


次男「神獣様を斬るとは、どういうことですっ!!あなたは…」


三男「兄上達。ここは危険ですから、早く出て行きましょう。…父上、今までお世話になった覚えはありませんが、ありがとうございました」


 こうして、3匹の子ブタ達は旅立ちました。



   ☆☆☆



長男「ボク、ここにしようかな」


次男「では、私もここに……」


三男「アレン兄上、私達は向こうに行きますよ。……ハリボ…いえ、兄上も頑張ってください」


長男「今、ハリボテって言いかけたよね!?……まあ、うん。ありがと、その変態持ってってくれて」


三男「いえ、コレにはコレの場所が用意されていますから」


次男「ああっ!!神獣様ーっ!!!」


 長男はここに家を建てることにしたようです。

 次男は三男に引きずられて、次の場所へと向かいました。




三男「あなたはここです」


次男「…………」


三男「ここです」


次男「…………」


三男「 こ こ で す 」


次男「…………」


 次男はここに家を建てることにしたようです。

 三男は役目は果たしたとばかりに、次の場所へと向かいました。




三男「確か……私はここですね」


 三男はここに家を建てることにしたようです。



   ☆☆☆



「やったっ!!ボクの家ができた!」


 細かい作業に向いていない手をしている長男は粗末な藁の家を作りました。よく燃えそうです。


「ボクに作れる家なんてコレくらいだよね……」


 長男が自分の家に入って行くと、そこにオオカミが現れました。


オオカミ「おお、あれが子ブタの“藁の家”だな。あんなに一生懸命に作っていたものを壊さないといけないのか…。うっ、心が痛む」


長男「じゃあ、しないでよ!………ボクの家、壊しちゃうの?」


オオカミ「…っ!?し、神獣殿が子ブタなのか?ブタだったのか!?」


長男「ブタではないけど、ブタの方がマシだね」


オオカミ「…?何の話だ?…はっ!話している場合ではなかった。すまないが、その家を壊させてもらうぞ。………本当に申し訳ないんだが」


 オオカミがそう言うと、長男の藁の家が壊れました。欠陥住宅だったようです。


長男「ボ、ボクの家が………っ」


オオカミ「ええっ!?こ、壊れて………私じゃないぞ!私は何もしていない!!」


長男「もういいよ、そのネタ。……ボク、弟の…三男の家に行って来るね。バイバイ」


 長男は三男の家に向かいました。次男の家ではない理由は皆さんのご想像にお任せします。


オオカミ「ああっ、ち、違うんだ!!家を壊しに来たわけではなく、子ブタを食べるために………。

     ああぁ~、行ってしまった。私のごはんが」


 オオカミは子ブタを食べ損ねてしまいました。



   ☆☆☆



 次に、オオカミが次男の家に向かうと木の家……というか割り箸で作られた家が置いてありました。

 小学生が作った夏休みの工作のようですが、無駄に精巧なミニチュアハウスです。


オオカミ「ん?なぜ誰もいないんだ?…おお、素晴らしい“ミニチュアハウス”だな!」


 木の家の前には置き手紙がありました。

 そこには“勝手に吹き飛ばしてください。…次男”と書かれています。


オオカミ「い、いや。だから、壊すことが目的な訳ではないんだが…。

     まあ、とりあえず吹き飛ばすか。フーっ、フーっ………あれ、壊れない」


 オオカミはしばらく格闘しましたが、吹き飛ばすことができませんでした。

 諦めて、次の場所へと向かいます。



   ☆☆☆



三男「なかなかの出来です」


長男「えっ……そうかな?ちょっと不格好じゃない?」


次男「仕方ありませんよ、神獣様。三男は不器用ですから」


長男「………三男の家が壊れそうでも良いのかなぁ」


三男「兄上達。無駄話は良いので、早く家に入りますよ」


長男「えっ……コレに入るの?…大丈夫?壊れない?」


次男「神獣様がご不安なのでしたら、私が直しましょう」


長男「変態が頼もしく見える……。パロってすごいね」


 兄弟3人が仲良く家に入ると、オオカミがやって来ました。


オオカミ「ここが“レンガの家”か。か、かなり立派だな。…これ、どうやって壊せば良いんだ?」


 とりあえず、話の流れ通り吹き飛ばせるかチャレンジしてみることにしました。


オオカミ「フーっ!フーっ!フーっ!!…はぁ、はぁ、酸欠で頭がぼうっとする………」


 オオカミが苦戦していると、レンガの家から三男が出て来ました。


三男「オオカミ、さっさと煙突から落ちてください」


オオカミ「ギル!?…三男なのか。次男って誰なんだ?ま、まさかジークじゃないよな」


三男「アレは父親だそうですよ。……次男はアレン殿です。彼が出て来ると話がややこしくなるので、早く終わらせましょう」


オオカミ「そ、そうだな。じゃあ、煙突に登るための梯子を貸してもらえるか?」


 そのとき、突然次男が家から出て来ました。


次男「神獣様の家を壊した悪人…もとい、今日の鍋の具材は殿下でしたか……。

   梯子は必要ありません。そのまま鍋にして差し上げます」


オオカミ「鍋っ!?………ア、アレン、落ち着け。まずはその包丁を下ろしてくれ。

     私達の間には、ちょっと誤解があるように思うんだ。話し合おう」


 オオカミが聞き苦しい言い訳を始めると、レンガの家から長男が叫びます。


長男「あっ、そいつだよ!!そいつがボクの家を壊したんだ!………頑張って作ったのに」


次男「殿下……。神獣様への不敬は、この私が許しません!!さあ、罪を償って頂きましょうか」


オオカミ「あ、あれは欠陥住宅だったんだ!!私の所為では………そうだ、文句なら業者に言ってくれ!!」


長男「……ヒ、ヒドイ………っ」


三男「オオカミ、人が努力して作った物に対してその言い方は少し酷いと思います。……成仏してください」


オオカミ「ギ、ギルまでっ!?」


次男「この包丁は少々切れが悪いのですが、仕方ありませんね。

   …………覚悟はよろしいですか、殿下?」


オオカミ「よ、良くないぞっ!!もっと平和的に解決しようっ!!!」


 こうして、悪いオオカミは子ブタ達に美味しく食べられてしまいました。



 めでたし、めでたし。




 キャストロール


オオカミ:レオンハルト

長男:着ぐるみ

次男:アレン

三男:ギルバート

父親:ジークフリート


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