北大平原の撤退戦
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エルシオス・フォン・ラーゼン元帥Side
三ヶ国連合軍が北部大平原に上陸する前に何とか防衛陣地を構築したが、どうやら北部の上半分を放棄して山岳要塞を中心に防衛戦をせねばなるまいな?
と、言うのも先ほど暗号化通信で海上防衛艦隊が壊滅したとの連絡があった。
やはり敵の航空機に打ちのめされたか? まあ、今更起きてしまった事を嘆いても始まらぬか?
その時、部下が状況を報告をしてくる。
「元帥閣下、こちらの防空戦闘機隊が出現準備完了との事です」
「そうか、リムガン空軍少将には、くれぐれも無理はせぬ様に伝えてくれ、ここで航空戦力がなくなるのは拙い事態だからね、とにかく地上部隊と連携しながら、敵を叩くようにと」
「ハッ! 了解しました」
私は、防空戦闘機隊に出撃準備を命じた防空戦闘機は急造式のロケット戦闘機で異世界の名は確か【コメート】とか言い実機性能は高かったが、飛行時間が短くまた、事故の多いのが難点だった
(飛行機が、役に立たないと決め付けていた連中は【未亡人製造機】とさえ皮肉ったほどだった)
しかし、我が国に飛行機の知識が乏しいのと他国の飛行機の飛行機開発に我が国はかなり後れを取っていた。
そして、我が軍の内部には、大艦巨砲主義が根強く浸透していた為に、本格的な航空機の開発の妨げにもなっている。
また、先の海戦で戦死したマルーデガン少将を始め上級貴族の地位を使って航空機開発に様々な妨害をしていた事も一つの要因に上げられる、少将は、コメートを見るなり滞空時間の低さや航続距離の短さを上げ【航空機等実戦的ではない戦艦こそが海戦を制する】との妄言じみた自論を述べて
数多くの貴族階級軍人の支持を集めていた。
それに対してシャルロット王女殿下は各国の航空機開発を密かに調べ上げ、いかに我国が軍航空機に対して無理だと言うこと訴え、最近になって密かに同盟国から最新の水上飛行機を手に入れ更なる飛行機の開発を急いでいた。
「閣下、防衛部隊より、緊急連絡です!」
「どうした?」
「ハッ、味方地上防衛部隊が敵の超重量級戦車の攻撃を受け苦戦中との事です。いかが致しましょうか?」
なに! 超重量級の戦車……だと!?そういえば、同盟国のルバルド王国はこの超重量級戦車の大部隊に敗れたのだったな? 部下が、一通りの報告をし終えるを待って旧ルバルド王国軍の亡命軍人のフィルト中佐が苦虫を噛み潰した苦々しい顔で口を開いた。
「意見、具申致します、元帥閣下、その超重量級戦車は【マウス】と言って、市街戦や砲撃戦では、ほぼ無敵です……。我々も、あの化け物に一方的に敗れるまでその事を嫌という位思い知らされました
ここはまともに戦うよりもマウスの苦手な湿地地帯や山岳部に誘い込むのがベストです
奴は桁外れの火力と装甲を持っていますが、その分重量が弱点ですですから、敵の弱点を利用した戦い方を採るべきです」
「なるほど、逸れなら勝てるかも知れんな。」
参謀の一人が、その一言に表情を明るくするが、私は、この戦は負け戦と結論付ける幾ら、おびき出しても敵は、自慢の巨大戦車をわざわざ、自分達の不利になる場所まで出してはこないだろう。
「いや、此処は、初期の作戦通り、敵の本隊を、こちらの反撃可能な防衛ラインまで、引っ張り出すのが得策だな。敵は超重量級戦車を主軸としている分進軍速度は鈍くなるはず、それに、その超重量級戦車をわざわざ、都市部から超重量級戦車の不慣れな場所に出して運んだろう?
それに海上からの航空機の襲来が一番の厄介な事態に、なるはずだ諸君、今は悔しいだろうが此処は、それを堪えて作戦を遂行して欲しい、私からも頼む……この通りだ」
私は、皆に頭を深々と下げた、これ以上、無理強いをして、無駄に、兵を死なせるより、今は、この屈辱に耐え、来るべき決戦の為に兵力を温存しなくてはならん。
そして、皆は、私に対して敬礼をして無言で答える、そう、まだ、我等の戦いはこれからが真の戦いの幕開けであるのだから。
「皆の協力に感謝する、では、直ぐに、各防衛部隊は初期の計画通り目標ポイントまで後退せよ」
「「「ハッ!」」」
※※※
トリスタンSide
本部からの命令が撤退せよだった、これから、長く続く抵抗線の作戦開始の【暗号】だ。
そして、俺達第487防衛戦車隊も撤退を開始するどのみち敵の化け物戦車には勝てないから
変えって、好都合だ敵の化け物戦車を見た時は【デカイ自走砲】だと、勘違いしていたが、それは、俺の間違いだった。
奴等は家屋を突き破りながら、こちらの戦車をまるで玩具みたいに、あしらい始め、こちらの突撃砲や戦車が玩具の様にあしらわれ、まるっきり相手に為らなかった。
「まあ、どの道、俺達の突撃砲や軽戦車では話に為らないな?」
まあ、最新型のタイガーが完成すれば、巻き返しも可能だな? そして、素早く逃げ仕度をして町を放棄し裏街道を進んで、退却する事にした。
そして、俺の四号が、しんがりにファルデンの三突が先頭を進んでいたら、空から、敵の水上戦闘機が飛来し爆撃をしていく。
何故敵だと解るのかと言うと黒丸と水色の国旗は大和王朝の物だからな?
しかし、奴の狙いはファルデンの三突をかなり逸れ右の麦畑を吹き飛ばした。
「隊長! あれは、大和王朝海軍の潜水艦空母の水龍の艦載機【春嵐】かも知れませんぜっ」
確か大和王朝は確か、噂では、水中空母を持っていたな? だとしたら……。
「おいっ! 直ぐに本部に連絡しろっ、敵潜水艦艦載機と遭遇した事をだっ」
「隊長、また来、ますっ! ヤバイ!」
部下の声に、俺は空を見上げると三機の春嵐が、空からこちらに目掛けて機銃や爆撃を仕掛けて来る、
俺達は咄嗟に、ジグザグ移動しながら砲塔を後ろに旋回させると砲を空に向けて発砲した。
しかし、戦闘機には、砲弾は当たらず、奴らは体勢を立て直すと機銃で攻撃を仕掛けてきた。
「だぁぁぁっ、水上戦闘機なら、さっさと海にいきやがれっ、各車、全速力で逃げるぞ!」
<<了解>>
戦車は、空からの攻撃には脆い、たっく、こんな事なら対空戦車を連れて来れば良かったか? 念の為に対空戦車は輸送隊の護衛に回したから、しんがりをしていた。
俺達は空からの攻撃にはほぼ丸腰だった。
「厄日だな? あの化け物といい飛行機といい、チッ、今日の運勢を見ておくのだったぜ」
「隊長、前方2時の方向に空中騎兵隊です」
「コメートか? しかし、グライダーの戦闘機ではせっかく来てもらっても……
なんだ? あの加速は!?」
俺達は、コメートの速度を見て驚いた何故なら、グライダーの速度なんかよりも早く直ぐに、プロペラ機の後ろに周り込み機首に、搭載されている機関砲を春嵐に浴びせる
そして、三機の春嵐が炎に包まれ墜落していく。
「よし、今のうちに味方の勢力圏に逃げ込むぞ。ぐずぐず、するなよ」
「「「了解」」」
そして、この日の戦闘で北大平原の主要な町の大半を連合軍に抑えられてしまったが、敵も自然が相手ではどうにも、ならない様だ。
何しろ【冬将軍】が、予想より早くやってきたのだ、これでは、敵は、春までは軍を南下は出来ない
冬になると、山岳要塞に通じる道は全て雪に埋もれるからだ。
しかし、こちらの被害も甚大だった俺達の他にも数多くの戦車がマウスと交戦しその大半が撃破または敵に鹵獲された。
※※※※※
三ヶ国連合軍臨時司令部【レウトラス】Side
北大平原方面攻略軍司令官:ランドルフ・ライアー中将Side
攻略は、敵の指揮官のラーゼン元帥の【策】で今の所順調敵にも味方にも進んでいた。
しかし本国のお偉方は【さっさと山岳要塞を陥せ】と言ってきてるが、この季節北大平原方面は真冬の真っ只中で、わが軍の自慢のマウスが、ほとんど役に立たなくなっていやがるしな?
今は、工兵達を総動員させて、臨時の【空港】を建設を急がせている。
また、本国からの航空機の到着が冬将軍のせいで予定より少し遅れている為、数少ない航空機を使って
要らぬ損害を出す訳にはいかない。
そう、考えていると鏡に自分の顔が写る、猛禽類みたいな目付きに無精髭の金髪の三十代そこそこのオヤジがしかめっつらで鏡を見ていたそれよりも三十代で中将とは祖父さんも余計な事をしてくれる
元々俺は、大佐止まりの冷や飯食らいの官職に収まっていた。
しかし、親戚の祖父さんが俺を参謀にしてしまったから、おかげで、今は将官にまで出世した。まあ、下っ端のほうが、楽が出来たのだが祖父さんが俺を引っ張り出ししたので、今では、上の苦労が更に降り懸かる訳だ。
「さて、スレイン大佐、次の作戦までには、T34? いや、35だったかな?間に合うか?」
俺は、割り当てられた、参謀のスレイン大佐に新型戦車の受領が順調かどうか尋ねる。スレイン大佐は俺と同年代で俺よりもかなり使える祖父さんのおこぼれで出世した俺とは違い奴は、常に最前線の指揮官をしていたちなに彼は青い髪の二枚目だったりする。
「そうですね、閣下がお待ちかねの補給の戦車は次の定期捕球船団が運んで来るそうです」
「そうか、なら、デカブツ(マウス)は予定通り町の警備に下げるか?ま、あの重さでは雪のぬかるみで立ち往生しかねんしな」
全く、あんな、デカブツを回すくらいなら、さっさとT35を送ってこいよな?
俺は、大雪をを苦々しく見つめながらコーヒーを飲み干した。
次回不定期ですが更新をがんばります。




