黒水晶海海戦
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ローザリアSide
遂に【大和王朝連合国】に【ブリスベン王国】や【アイゼン共和国】の三ヶ国が動き出しました。
小国の【ルバルド王国】を陸海空からなる電撃戦で進攻開始から僅か一ヶ月で為す術も無く、ルバルド王国は攻め落とされました。
あの王国は、小数ながら代兵器を保有していましたが、旧式の復翼機や小型戦車に既に時代遅れになりつつある装甲艦や戦列艦を持てるだけの総戦力を投入しましたが最新兵器で編成された、連合軍の前に
ただ、一方的に壊滅したそうです。
「全く、気に入りません、弱い者虐めもいいとこだわ。気に入らないです」
わたくしは、報告書を読み終えると、有りのままの気持ちを呟く、そして、彼等の狙いがわたくし達のレイムリア王国だと直ぐにわかり、敵の進攻が予想される。そして、わたくしは【北大平原】に住む部族の長老方を説得し、安全な南方面に【一斉疎開】を始める、北大平原には、幼い頃亡き父に連れられて、お姉様と行った事がある。
あの美しい平原が戦火に焼かれ、誇り高く、その地で生きてきた人々の暮らしを理不尽に奪ってしまう、わたくしはそれが赦せなかった、ドアがノックされ、親衛隊隊長のライル少将が
三ヶ国連合国の【親書】をもってわたくしの自室にやってきた。
「ローザリア王女殿下、失礼いたします、三ヶ国連合国からの【返答】が来ました」
「そう、では、早速、見せてください」
ライル親衛隊隊長から手渡された三カ国の国親書に目を通し内容をみる、そして、今回のルバルド王国への軍事行動を自己正当化しようとしているのと、我々に対する、領土を返還を要求した内容だった。
北大平原は古来から、そこで暮らしているフォルト族の物で、そこには彼等の生活に必要な【魔力石】の結晶が大量に眠っている、三ヶ国連合はただそれが欲しいだけなのだ。
「魔力石は古くから、魔導具等の製作に使われてきましたし、近年では、兵器の動力源になっています
そのため世界各国がこぞってそれを求めるから争いになるのですね」
「はい、彼等には北大平原は、まさに資源債積所の程度としか思っていないのでしょう?」
すると、ライル親衛隊隊長が残念そうな表情で、わたくしの独り言に答える。
ライル親衛隊隊長とわたくしは幼なじみで、彼はわたくしの言えば【兄】の様な人だ。
だから、よく、わたくしの独り言でも答える事があった。
「そうね、では、今から、御前会議を始めます。元帥や提督に将軍達を招集してください」
「解りました、早速、準備に掛かります」
彼は、一礼をしてわたくしの自室を退出した。さて、わたくしも準備をしなければなりません。
わたくしは、御前会議に向けて準備を指示し、そして、シャルロットお姉様も【私用】から、無事帰ってきましたので後は、わたくしがお姉様のフォローに回らないと。
※※※
シャルロットSide
そして、御前会議が招集されて広い王族専用の会議に、レイムリア王国王国軍元帥エルシオス・フォン・ラーゼンを始め陸海空の司令官達が集まる。
そして、わたしは妹が三ヶ国連合国に、贈った親書の内容とそして、彼等三ヶ国連合国の返答をこの場に集まった全員に伝えた、この場に居る全員の顔は重々しいもので、この会議がさらに難しい判断を求められていた。
「既に、元帥を始めとする提督や将軍達もご存知の通り、三ヶ国連合国に送った親書には、ルバルド王国からの三ヶ国連合国軍の完全撤退やまた、我がレイムリア王国の国境付近で互いに睨み合っている部隊を一個師団づつ36時間以内に国境から引き上げ和平に向けたを行うとの物でした。
しかし、こちら側の提案を三ヶ国連合国は全て拒絶致しました。
したがって、遺憾ながら我がレイムリア王国はこれより、三ヶ国連合国と開戦するか否かを問う御前会議を執り行います」
わたしの声に、皆、固唾を呑んでわたしを見つめる、会議室の中の空気はより一層、重苦しい物になった。そして、次々と開戦とする意見が出はじめ結果、賛成150反対20棄権30で開戦が決まった。
棄権や反対する者の意見を聴けば【列強大国三国を相手に勝てるのか?】と言う意見のほか、棄権した者達からは【敵に万が一敗北した時は誰が責任を負うのか?】と言う意見だった。
「もし、我がレムトリア王国が戦に敗れた責任は、わたし、シャルロット・フォン・カイザーブルグが負います。またこちらも、敵の【新戦術】に対する【対抗策】が有ります」
そう、こちらも敵航空戦力に対抗するために【大型空母】や【艦載機】の開発を行ってきた、しかし
それは、なかなか思うようには進まず、建造された空母は、四隻で残り六隻はまだ建造すら行われてはいなかった。
原因は、海軍少将のフデレリック・フォン・マールガンだ彼は大艦巨砲主義を信望する海軍人の一人で
航空戦力を過小評価している上級貴族の一人だ。
「シャルロット殿下、余りつまらない【藪蚊】如きに、貴重な予算を割り当てないで頂きたい。
我が、レイムリア王国の伝統ある王国海軍があんな羽虫に後れを取るなど侵害ですな?」
彼の言う【羽虫】とは【航空機】の揶揄であり、私をはじめ、姉様や【航空機】の事を良く理解する、方々の意見を彼は全て無視をして他の方々と要らぬ対立を生んだ。
「そうです、少将のおっしゃる通り、海戦の基本は戦艦が主役、我々の砲撃の前に空母等と言う【虫籠】は為す術も無く海の藻屑になりましょう」
そして、マルーデガン少将の過剰意識に触発された古参の海軍人達がこぞって海戦は我々【戦艦】を主役とする艦隊に任せろとこぞってわめき立てる。
マルーデガン少将達は判っていない航空戦力の恐ろしさを、ルバルド王国敗戦の要因の一つに
空からの【空挺部隊】の奇襲作戦や【空爆】が敗北に繋がったとわたしは、そう判断している
少ない空母ではあるが投入しない手段はないそして、例の【異世界の戦艦】もだ。
その時、王国王国軍元帥エルシオス・フォン・ラーゼン元帥が発言した
それは一つの妥協案を提示する事になる。
「少将、どうだろう、何事も物は試しだ、こちらも航空戦力を投入してはどうだ、幾らたかが薮蚊でも、毎回、刺されては、恐ろしい伝染病を貰う事もある。勿論、貴官らは主力として黒水晶海海戦では活躍してもらう、それに、【藪蚊】に少将自慢の戦艦がたかられては少将も敵わんだろ?」
「う……む、確かに、元帥閣下のおっしゃる通りです」
エルシオス・フォン・ラーゼン元帥は我が王国軍の重鎮である、幾ら少将でも元帥の意見を流石に
無視は出来ない、苦虫をかみつぶした表情で苦々しく不承不承に元帥の言に渋々頷く少将そして、元帥は最後にこう付け加えた。
「海戦の主役は戦艦を主体とした、第八艦隊が総力でこれに当たる。また、こちらの予備戦力として
ミリア船団長の私掠船団と新たに空母を主体とする機動部隊を艦隊の後方に待機させる。
それでは不服かね?」
「いえ、異論はございません元帥閣下」
少将は、渋々ながらも引き下がり、御前会議は無事終了した、また、国境付近には防衛部隊を配置し
海路には防衛艦隊を配置して敵の来襲に備えた。
それから、二ヶ月が過ぎた……。
※※※※
ミリアSide
ボク達は、今、黒水晶海の付近の海域で【待機】している、マルーデガン少将が『【藪蚊】はそこで
大人しくしていろ貴様等海賊ごときに出番は無い』と言い放ち、味方艦隊の集結海域よりかなり離れた所で機動部隊と合流するハメになった。まあ、ボク等としても、あんなワンマンな指揮官と四六時中居るのは我慢が出来ないから、この命令には、不服ながらも従っている。
そして、新編成された機動部隊の司令官、【アンドリュー・コレス准将】の機動部隊と合流した、彼は
30代後半の黒髪に緑の瞳が特徴の若い指揮官だが航空機の運用戦術に定評が有った。
特に、戦艦隊を囮に見立て航空機が上空に隠れて待ち伏せをする戦法を得意としている。
ボク達は機動部隊旗艦〔ウルド〕の会議室に集まって、作戦会議を始める、ウルドは全長二百メートル級の空母で艦載機数は八十機の空母で同型艦は〔ヴィーダル〕〔スキールニル〕〔スクルド〕の計四隻が実質レイムリア王国海軍の機動部隊主力になる。
また、ボクの指揮する私掠船団の旗艦も装甲戦艦〔セイレーン〕に代わり異世界から転移した難破船を調べて建造した巡洋艦ドイッチュラント級で艦名は〔ロキ〕と命名された。
名前の由来を聞いてのボクのこの艦の第一印象は・・・・・・。
(災厄をもたらす神様の名前の巡洋艦か? まあ、そんな事より問題はどう、敵に対処するなんだけどね?)
と、言う程度だった。そして、会議室のドアが開き機動部隊司令官のアンドリュー・コレス准将が
会議室に入ってきて、全員が敬礼をし准将が返礼の敬礼をしてから発言する。
「みんな、集まってるな? じゃあ、早速ルーティン少将から俺達に与えられた【命令】を伝える」
多分、ろくな命令では、無いことが准将の表情からも判る。しかし、此処でボク達が騒ぎを起こせば
シャルロット王女殿下やラーゼン元帥閣下の立場が危うくなるし、ルーティン少将は、それ位、厄介な相手なんだ、だって、少将の血筋はレイムリア王国の大貴族で表向きは、王女殿下や元帥には渋々従っているが裏では、航空機の開発の邪魔を嫌と言うほど自身の立場を利用してしてきている。
それで、気になる命令は。
「与えられた命令は【この海域での、敵艦隊の索敵警戒を行いつつ敵を発見次第、本隊に連絡し
速やかに後方に下がれ、なお、敵艦隊が、攻撃してきた場合は防戦しつつ、退却せよ、以上。フデレリック・フォン・ルーティン】以上だ」
その場にいる、ボクも含めて、みんながかなり苛立っている。この場の最高指揮官がコレス准将じゃあ無ければ今頃、悪口大会が開かれそうな感じだそして案の定エレノア・アリアドネ大尉が。
「何やそれ、まるで、自分らが、いかにも主役気取りやな? まあ、ガチガチの爺やさかい無理ないしな? 精々、ご自慢の戦艦だけで勝手にドンパチしたらええよっ!」
と、彼女が悪態を付いた、正に、その時、通信士官が血相を変えて、会議室に飛び込んできた。
そして、呼吸を整えてから、一番聞きたくなかった、凶報を大声で伝える。
「た、大変です! 我が、レイムリア王国海軍第八艦隊が壊滅しました!!」
「「「!?」」」
※※※※
それは、突然、起こった、牽制をするために展開していた艦隊の後方から、大和王朝国家の航空戦力が大挙して飛来し、次々とレイムリア王国海軍第八艦隊の艦艇目掛け急降下爆撃を仕掛けてきた。
急降下爆撃を仕掛けてきた敵の航空戦力は【九十九式艦攻】と呼ばれる航空機を改造した魔導式エンジン搭載機の【鵺】だった空からの急降下爆撃で火炎式魔導爆弾を二発投下する事が可能な機体だ。
そして、その、攻撃に対して、レイムリア王国海軍戦艦の大半は対艦艇との砲撃戦闘を重視した旧式の設計の艦隊決戦重視のため対空戦闘の対策は皆無であった。
そして次々と、飛来してくる敵機の空爆と雷撃の嵐に火を噴いて、為す術も無く海中に沈んでいく……。
不利な状況の中、レイムリア王国海軍第八艦隊も搭載されている火砲で応戦するが、彼等が知っている航空機とはまるで機動性も航続距離も桁外れの航空機に対応仕切れなかった。
そこへ【XTB2】を魔導式航空機に改良した【フライングシャーク】が大挙して、次々と魔導式魚雷を命中させていくなか、ルーティン少将の指揮する旗艦〔アドミナル・ジェイナス〕も奮戦したが艦尾主砲二門と副砲二門と舵に艦首より浸水し航行不能になりながらも、砲撃を行える砲座は全て休まずに砲撃をし続け最後には艦橋を破壊されルーティン少将も戦死し残像艦艇は僅か五隻余りと言う甚大な被害を被った。
そして、魔導式戦艦として改装された【大和】が就役したのはその出来事が起きた、その三週間後の事だった……。
次回、第八艦隊の壊滅シーンを頑張って作成いたします。
修正を致しました。




