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第29話 スピード授業の正体

――なぜ、この教室はこんなに疲れるのか

WordのMOS模擬で 971点 を叩き出した翌日。

教室の空気が、ほんのりざわついていた。


1|朝いち、先生の第一声


先生;「どうして一気に伸びたの?」


私:「土日、猛勉強しました」


先生、一瞬びっくり。

そして急にテンションMAX。


「皆さん優秀です!このままMOSまで駆け抜けましょう!」


――3日前に

「パソコンはセンスですからね」

と言って センスなし認定 をした人と同じとは思えない手のひら返し。


でも今日、私が本当に知りたかったのはそこじゃない。

「どうしてこのクラスだけ、こんなに進むのが早いの?」

その謎がついに解けた。

──────────────────────────

2|スピード授業の正体、判明


休み時間、61歳の彼女が教えてくれた。

彼女の友人(別校舎の訓練校)はこうらしい↓


・MOSの勉強ゼロ

・テキストなし

・ゆっくりプリントでWord基礎


最後に

→「MOS受けたい人は自分でどうぞ」


……え?

え???


同じ「パソコン基礎科」なのに、内容が別物。

そして調べて判明した真実。


私たちのコース名はビジネス基礎科。

※「基礎」とついているが、実態は即戦力育成コース


つまりコースの目的は、

「3か月で企業の即戦力を作る」スパルタ型。


そりゃWordもExcelも怒涛のスピードなわけだ。

初心者が泣きたくなるのも当然。


スキルも、理解も、追いつく速度も、

正直、そこまでは待ってくれない。


とにかく走れ。


立ち止まる余裕はない。

話は“走り切った人”だけができる。

それが、この校舎の方針だった。

──────────────────────────

3| 午後の授業、ため息の波


スライドが高速で流れる中、

63歳の彼女がぽつり。


「やってない項目、結構出てるよね…

解答見ても意味わからないの、私だけ?」


すると51歳の彼女も苦笑い。

「ほんとそれ。“わからないまま写す作業”になってきた」

普段は余裕の2人まで、ついにスランプ。


63歳の彼女は続けた。

「一日中MOS問題だけで飽きるし、腰痛いし…。

これ、家でやりたい人だけでよくない?

教室って、先生の授業受ける場所じゃなかったっけ?」

私は心の中で全力でうなずいた。

(わかる………………!)

──────────────────────────

4|思ったこと


疲れているのは私だけじゃない。


みんな

・必死で食らいついて

・少しずつ削られ

・でも毎日ちゃんと教室に来る。

この教室で、少しずつ価値観がずれてきているのを感じた。


早い人が偉いわけでも、できる人が正解でもない。

「わからない」と言いながら それでも席に座り続ける人たちが、

いちばん強いんじゃないか――そんな気がした。

今日のまとめ

・ Word中盤、全員が “お疲れモード” に突入

・ コース名ひとつで授業内容はまるで別物

・スパルタ型訓練校の正体ついに判明

・それでも誰も諦めない

→ アラカン魂、ここにあり。


【30話・予告】

Word模擬4回目で まさかの971点。

講師も事務員も二度見。

ついには言われてしまう――

「伝説の女、誕生」

午後のキャリコン面談では

「訓練校はパソコン学校じゃないですよ?」

の衝撃発言。

次回、

伝説の女 vs 訓練校のリアル

価値観バトル開幕。

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