第11話 USB爆弾と書類マナー地獄
――アラカン、今日も“学び直しジェットコースター”を疾走する
USBに怯え、書類マナーで撃沈し、
年齢の重さをしみじみ噛み締めた一日。
「知らないことが多い=ダメな自分」
ではなく、「知らないからこそ、伸びしろがある」
……と気づくまでのジェットコースターをどうぞ。
1|USB=時限爆弾説が浮上した日
午前のタイピングは順調。
ブラインドタッチの霧はまだ濃いけれど、
前より“景色”が見えてきた。
そして本番。
ジョブカード作成。
USBを差し込み、様式2・様式3・様式2の2……
先生の説明は優しいのに、私の脳内字幕は完全にこう。
「暗号? あだ名? パスワード??」
さらに追い打ち。
先生:「60分経つとデータ消えますので、保存を忘れずに!」
……え?
このUSB、時限爆弾タイプですか?
保存ボタンを押す瞬間、教室全体が息を止めた。
カチ…「保存完了」
その言葉だけで、8人全員、寿命が5年延びた気がした。
62歳、USBひとつで心臓フル稼働。
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2|翌日:数字で見る“成長”がうれしい
翌日から Essyタイピングの記録提出がスタート。
速さもミス数も、ちゃんと“数字”になる。
「62歳でも、目に見えて伸びるって嬉しい……!」
まさかのやる気スイッチ、ON。
人間、数字で褒められると急に伸びる。
年齢関係なし。
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3|“業界マップ”で初めての「就活脳」
午後は 業界マップ授業。
・興味ある会社を探す
・同業他社と比較
・特徴をまとめる
こんな視点で会社を見たことがない。
「ほ〜」「へ〜」「ふ〜〜」
感嘆符だけで授業が終了。
企業研究って、なんか……恋愛のリサーチみたいだ。
「相手のことを知ると、ちょっと好きになる」
あの現象と似てる。
62歳、知らない世界はまだ山ほどある。
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4|書類マナー地獄 〜私、全部アウトでした〜
続く授業は 書類マナー。
これがもう、心に刺さる刺さる。
・書類の順番 → 逆
・添え状 → 入れたことない
・クリアファイル → 任意と思ってた
・封筒 → 雑
・写真 → とりあえず貼ってた
・封筒は第一印象 → 初耳
……そりゃ面接呼ばれないよね??
アラカンというだけで十分ハンデなのに、
書類の第一印象まで悪いなんて、
自分で難易度を上げてどうする。
でも、逆に考えれば「伸びしろ」しかない。
マナーを知った今の私は、昨日の私より確実に採用率が「ミリっと」上がったはずだ。
封筒の向き一つで、私の未来は変わる。
そう思うと、文房具屋へ行く足取りさえ軽くなった。
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5|昼休みの“62歳の壁”に刺さる
昼休み、同世代2人の立ち話が耳に入った。
61歳の彼女:「官公庁すすめられたよ〜」
63歳の彼女:「あなたの年齢は微妙だから紹介できる仕事少ないって…」
……え?
たった 2歳 の差で、こんなにも“言われ方”が違うの?
もちろん理由は人それぞれだけど、
“数字の年齢”って、時々びっくりするほど重い。
「62歳って……どっち側なんだろう」
若くもなく、老いきってもいない、その中間。
胸の奥が少し、ぎゅっとした。
でも思った。
年齢は選べないけど、努力する場所だけは、まだ自分で選べる。
今日のテーマ:小さな失敗ほど、人生の方向を修正してくれる。
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【質問】
最近あなたは、
「これ知らなかった…!」と気づいたことありますか?
・ USBは時に味方より敵
・ 保存ボタンは人生の分岐点
・ 書類マナーはアラカンこそ命
・ 年齢はたった2年でも重い
・でも“努力”は未来を味方にできる
学び直しは大変だけど、
小さな「知らなかった!」が積み重なると、
気づけば世界が広がっていく。
次回予告|第12話
授業開始5秒で“ガラケー召喚”の謎展開。
キャリア相談はまさかの30分枠 → 30秒終了の即落ち判定。
そして先生が断言する。
「あなた、官公庁窓口向いてますよ」
――私より先に、向いてる仕事を見つけられたアラカンの話。




