第9話 若さに照らされる教室で思ったこと
――62歳、人生初の“推し”ができました
「推し活って若者の文化」
そう思っていた62歳の私。
……ところが。
職業訓練校の教室で、
まさかの “推し” が誕生しました。
相手は21歳男子。
熟女教室が一瞬で 『花より男子(アラカン版)』 に変化した瞬間です。
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1|ここは“熟女の園”でした
入校して1週間。
クラス構成の全容がついに判明。
女性陣は見事に、
全員50〜60代。
・61歳/元秘書
・63歳/元看護師
・52歳/元コンビニ勤務
・51歳/官公庁の元事務
・62歳/私(元病院受付)
安心・安定の“熟成ゾーン”。
空気も穏やか、会話も落ち着いている。
……そこに突然、酸素濃度を変える存在が3名。
若者MEN’S(熟女視点レビュー)
・19歳男子:育ちの良さが溢れる素直BOY。なぜか私とペアになりがち
・21歳男子①:帰国子女のミュージシャン志望
・18歳男子②:控えめ優等生タイプ。多分、根がいい子
これはもう “年齢の酸素濃度差” としか言いようがない。
熟女だけの時間は、まるで「ほうじ茶」のような安心感。
でも彼らが一言発すると、教室に「レモンスカッシュ」が弾ける。
62歳の私の肺が、久しぶりに新鮮な空気を吸って「おいおい、これ以上若返ってどうするんだ」と戸惑っている。
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2|60代女子の“推し活”は突然始まる
ある日の休憩時間。
熟女仲間の1人が、コーヒー片手にぽつり。
「○○君って、爽やかよねぇ……」
……ん?
次の瞬間、熟女全員が一斉に頷く。
「分かる! 優しいよね〜」
「礼儀正しいし」
「話し方も落ち着いてるのよ〜」
え、これ完全に
“熟女版ファンミーティング” 発生してません??
今にもペンライト配られそう。
推し活って、こうやって自然発生するのか……
学び直しより学び深い。
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3|事件は帰りのバスで起きた
その日の帰り道。
2人席に 21歳ミュージシャン男子 がひとりで座っていた。
私が横を通った瞬間――
にっこり微笑んで、席をトントン。
「ここ、どうぞ」
……はい、秒速着席。
座った瞬間、自分の「おばあちゃん成分」と「乙女成分」が脳内で大喧嘩を始めた。
でも、彼の自然な優しさに触れて、ふと思った。
「あぁ、私、誰かにこうやって大切に扱われることを、どこかに置いてきちゃってたな」
21歳の彼がくれたのは、席だけじゃなくて、私が忘れていた「一人の人間としての誇り」だったのかもしれない。
しばらく話して、彼は最後にこう言った。
「僕スマホ得意なんで、困ったらいつでも聞いてくださいね」
いや待って。
そのセリフ、60代女子には、確実に “好感度+10” のやつ。
イケメン × 優しい × 若さ。
私の心は、いつの間にか20代にタイムスリップしていた。
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4|気づけば、心の中に“ペンライト”が光ってた
たった数日の出来事なのに、
心の中ではこうなっていた。
\推しが生まれました/
もちろん、距離は守る。
追いかけるのは教室の中だけ。
元気をもらう、ただの推し活。
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◆今日の小さな考察
・推しがいるだけで、脳の血流がよくなる(※体感)
・ 年齢差は“壁”ではなく、“ラグ”くらいのもの
・ときめきは若者の専売特許じゃない
・人生後半こそ、推しを持つ価値がある(精神が健康になる)
還暦 × 学び直し × 推し活
= この上なく健全な人生の再スタート。
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【質問】
あなたには
「年齢差?関係ない!推してる人」
いますか?
芸能人でも、同僚でも、推しキャラでもOK。
コメントで教えてくれたら、
明日の授業も全力で頑張れます。
いや~この歳で、孫のような年齢の男子に、ときめくなんて思ってもみなかった。
しかし、推しができると、人は何歳でも若返る。
「推しがいると、朝の足取りが軽い。」
推し活って、
自己肯定感のサプリメントだったのか……。
次回予告|第10話
メール認証で孤立して泣きそうになる還暦。
20年前の“パソコン挫折の黒歴史”がフラッシュバック……
からの奇跡の送信!
さらに午後、21歳男子の口から飛び出した爆弾発言。
「今回の訓練で…初めて“高齢者”を尊敬しました」
おい、言い方ァ!
でも嬉しい!!




