表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/59

8.初めての魔物狩りへ行こう

 私は夢を見ることはない。強いて挙げるならば、結界周辺の景色を見ることくらいだ。結界に傷がついてないか、壊されそうになっていないかを随時確認している。


 それが、私の寝るという行為。普通の寝るとは違うものだ。


「うう……」


 しばらくぶりに目が覚めた私は、ぐっと伸びをする。外はまだ明るい。時計を見ると、午後二時くらいを差していた。


 私はベッドから降りて、ウェイド辺境伯に挨拶へと向かおうとした最中。ガチャリと突然扉が開く。


「お、起きたんだね。おはよう、そしてありがとう」


「ウェイド辺境伯……?」


 ウェイド辺境伯の登場に、私は困惑してしまう。


 しかし、ウェイド辺境伯は笑いながら答える。


「君の起きる時間、大体分かってるから朝の挨拶をしておきたくてね。ほら、結界もやってもらってるから、こういうのは大切にしておきたいし」


「ははは……ほんと丁寧ですね」


「当然だよ」


 ウェイド辺境伯は誇らしげに鼻を鳴らす。


 ふとウェイド辺境伯は思い出したかのように、私を見て言う。


「そうだ。今日は来客が来ているよ。といっても、昨日ぶりってところだろうけれど」


 そういうウェイド辺境伯の背後に、こそっと隠れるようにエリックの姿があった。


 エリックは私を見るなり、顔を出して来て。


「シセ。一緒に依頼受けてみようぜ。僕、ずっとシセの実力が見てみたかったんだ」


「ということだ。俺も着いていこうと思っているんだけど、どうかな?」


 二人が期待に満ち満ちた表情を向けてきている。まあ断る理由もないので、せっかくなら行ってみようかな。


「分かりました。行きましょう」


 私がそういうと、ウェイド辺境伯とエリックがパッと顔を明るくさせる。嬉しそうにしながら、お互いハイタッチを交わしていた。


 ええ……そんな嬉しいものなのだろうか。あまりにも嬉しそうにしてくれて、私も若干嬉しいけれども。


「そんじゃ、決まりだな。ウェイド辺境伯、シセ、強い魔物一緒に倒すぞ!」


 大盛り上がりのエリックを見て、私はこくりと頷いたあと拳を突き上げておいた。


 私の人生史上、初めての魔物狩りが始まります。


もしよければブックマーク、評価をして応援いただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ