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22.大興奮セラス

 ウェイド辺境伯邸に帰還後、玄関の扉を開いた瞬間にセラスが飛び出してきた。


「シセ様〜!! 今日もお疲れ様です〜!!」


 どこからその元気が分からないほどに、力が有り余っている様子のセラスが私に抱きつく。まさか抱きつかれるとは思っていなかったので、私は思いきり仰け反ってしまっている。


 その様子を見たウェイド辺境伯は、困惑した様子で佇んでいた。


「君たち、そんなに仲が良かったのかい?」


「仲がいいというか、セラスの一方的な愛というか……」


「私はシセ様を愛していますからね! それはもう相思相愛です!」


 どうやら私は、セラスと相思相愛になっていたようだ。全く心辺りがないが、まあ好かれることはいいことである。


「というかシセ様! 今日は大変だったと聞いておりますよ! 大丈夫でしたか?」


 さすがはセラスである。噂話というか、そういうのはもう耳に入っているようだ。


「一緒に遊んだ少年が魔族に攫われて。どうにか倒せましたが、今後も警戒は続けた方が良さそうです」


 そういうと、セラスはふむふむと頷いく。


「やっぱり……しかし魔族を倒してしまうなんて! やはりシセ様は世界一、いや宇宙一ですね!」


 問答無用でべた褒めしてくれている……なんだか逆に申し訳なさを感じてきた。しかしまあそれを口にするのは逆に悪い気がするので言わないけれど。


 ウェイド辺境伯は苦笑しながらも、セラスに伝える。


「まあシセも疲れているようだし、少し休ませてあげてね」


 そう言うと、セラスはハッとして慌てる。


「そうですね!! シセ様、ベッドメーキングも掃除もしっかりしておりますので、どうぞ休んでください!」


「ありがとうセラス。本当に助かります」


「とんでもございません! シセ様のためなら、私はなんでもいたします!」


 何故か敬礼をするセラス。なんだか面白い人だな。


 ウェイド辺境伯はにこりと笑う。


「よし。それじゃあ今日も結界の維持を頼むよ。明日は早速調査に行くことになるけど、無理はしないでね」


 ウェイド辺境伯もウェイド辺境伯で、やっぱり私に気を遣ってくれている。まあ確かに色々と頼まれているのは事実だが、別にあまり気にしなくて良いのに。


「もちろんです。また、明日もよろしくお願いいたします」


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