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13.ご飯を食べよう!(一部ルヴィン王子視点)

 そんな話をしていると、ウェイド辺境伯がふうと息を吐いて私たちの方に戻ってきた。どうやら、別件で領地付近の魔物についてギルドマスターと相談をしていたようだ。


「ごめんね遅くなって! いや〜どうやら、ギルドの高ランク冒険者たち総出で魔物の出現原因を探すように動くことになったよ。こりゃ大事だね」


 ウェイド辺境伯も心配で不安で、といった様子である。まあ自分の領地が大変なことになっているのだから当然ではある。


「私たちでも探ってみましょう。私が出ても、ギルドの方は許してくれるでしょうし」


「本当に助かるよ。ごめんね、君にはずっと俺の領地のことばかりお願いしちゃって。俺にも、何かお礼ができたらいいんだけど」


 どうやら、ウェイド辺境伯は私のことについて気になっているようだ。でも、気にしてくれるのは嬉しい。


 自分のことより、相手の気持ちを考えてくれるウェイド辺境伯だからこそ、私はどうにかしたいと思っている。


 エリックが私とウェイド辺境伯を交互に見て、明るく笑う。


「色々と考えることもありますが、いったん飯食いましょう! 師匠も、腹減ってるだろ!」


 私はエリックを見て、くすりと笑う。こういう時に笑ってくれるのは、色々と助かってしまう。


「うん。ウェイド辺境伯も、いいですよね?」


「もちろんだ! 肉でも食おうか!」


 私の言葉に、ウェイド辺境伯は頷いて笑う。こうして私たちは、ギルドの酒場に向かって楽しくご飯を食べることとなった。



 ◆◆◆


 ルヴィン王子は、顔色を悪くしながらアンナに国王から言われたことを報告しに来ていた。アンナはというと、結界を維持しようとしているが何も上手くいかず、多方面からの非難を浴びていた。


 アンナがいる場所の扉を開くルヴィン王子。ガチャリと音が響いた瞬間、アンナがルヴィン王子をぎろりと見た。


「ルヴィン王子! わたしがこんなにも忙しい時に、どこへ行ってたの!?」


「ああ……いや、父上に呼び出されて……」


「はあ!? なに、またあいつわたしに文句を言おうとしているわけ!?」


 アンナはかなり苛立ってしまっている様子で、ルヴィン王子は押され気味になる。あれほど愛し合った仲だというのに、今はもう目も当てられない。


「ち、違うんだ。……実は、君だけじゃ結界の維持が難しいと判断したらしくて、新しい聖女を複数人用意すると言っていた」


 その言葉を聞いて、アンナは大きくため息を吐く。


「はあ……まあ助っ人が来るのはいいわ。話はもう終わり?」


「……これだけじゃないんだ」


 ルヴィン王子は重々しく頷き、意を決した様子でアンナに伝える。


「聖女を雇うにもお金がいるから、すぐにでもシセリアを連れ戻すよう指示された。だから……僕達の婚約は……多分なかったことになる」


「え……」


 アンナは押し黙ってしまう。言葉を失い、動揺を隠しきれていなかった。


 しかし、アンナはすぐに怒声を上げた。


「なんでシセリアなのよ! なんで……まるで私たちが悪いことをしたみたいじゃないの!」


 ルヴィン王子は黙るしかなかった。自分たちの愚かな行動によって、立場も恋愛も全てが狂い始めてきている。だが、何も出来ないでいた。


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