表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/60

12.妥当じゃないのですが

「え、ええ!?」


 ギルドまで無事戻って来られた私たちは、ギルドの受付嬢に依頼の報告をしに来ていた。しかし受付嬢は私のことを言うなり、驚きのあまり言葉を失ってしまっているようだった。


 これくらいで……とも思わないが、他のみんなの反応を見ていて分かった。私の能力はあまり普通ではないようだ。


 受付嬢はあわあわとしながら、どうにか依頼の処理をしていく。


「シセさん……もしこれが本当なら、今すぐにでも冒険者ライセンスを付与して、正式に冒険者になってほしいのですが……」


 そんなことを言ってくる受付嬢。冒険者ライセンスということは、本当に雇われの冒険者になるということである。


 まあ……なってもいいけれど、しかし私はあくまで聖女なのであって、冒険者の業務ができるかと言われると怪しい。


「籍だけでもいいので……! お願いいたします!」


「ええ……」


 私が困っていると、隣に立っていたウェイド辺境伯が笑う。


「別にいいじゃあないか。この様子だと、本当に籍を置いてほしいだけらしいし、多分君がいるだけで他の冒険者のモチベも上がるだろうしね」


 ウェイド辺境伯が言うと、受付嬢が何度もこくこくと頷き始める。なるほど……まあそれならやってみてもいいかもしれない。


 私がいるだけで本当にモチベが上がるのかは謎だが、まあやらないよりかはやった方がいいくらいのことだろう。


「分かりました。いいですよ」


 私がそう言うと、受付嬢はパッと表情を明るくする。


「本当ですか! ありがとうございます!」


 というわけで、私は冒険者ライセンスを手に入れることになった。ライセンスカードを眺めてぼうっとしていると、ふと気になることが書いてあった。


 それは冒険者ランクという項目である。


 そこには、Sランクと書かれていた。


 Sランク……Sランク……どう考えても最高ランクじゃないか?


 私が困っていると、エリックがちらりと見てくる。


「やっぱ師匠はSランクからかぁ。さすがだな〜」


「こ、これ。一番上のランクだよね?」


「そうだな。妥当だよな〜」


 何が妥当なんですか? どこも妥当じゃないんですが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ