表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/16

その2 配信


「創作とは無からではなく混沌から生まれるものだ」

メアリー・シェリー


部屋を掃除するように、親に注意された。

ぼくは散らかってる方が落ち着く。

天才は理解されない。

故に天才は孤独である。


自然は物理的に計算できる。

心は脳の電気信号の複雑なネットワークだ。

心の動きは物理的に計算できる。


でもコンピューターゲームにバグがある。

一気にぬるゲー化したりする。

それも込みでゲームが好きだ。


チートは好きじゃない。

やったことない。

やり方を知らない。


ぼくはゲームが好きだ。

ゲームはぼくに創作の霊感を与える。

それがなくても、もちろん好きだ。


オンラインのRPGをやる。


強いモンスターだ。

一人じゃ倒せない。

でもパーティーに加わると義務化する。

それが嫌で、一人で戦う。

ぼくは強敵を避けて通る。


誰か来た。

一人で強敵に挑む。

いとも簡単に倒した。


上級者ならあり得る。

それかチーターだ。

中級者のぼくは、どちらか判別できない。


「数秒で倒すなんてすごい」

「こんなの大したことねえよ」

「ぼくは強くなるのを諦めた」

「何で?ゲームする意味がない」


「初めは強さを追求したけど、考えが変わった」

「レベル上げは、タイパ悪いからな」

「というか、強くなくても楽しい」

「ほう、聞かせてもらおう」


「メタルギアで潜入スキルをお覚えた」

「RPGで潜入スキルを活用するわけか」

「ゲームのアバターには反映されない」

「プレーヤー自身のスキルだからな」


「今では正面突破はしないで、潜入する」

「オレは豪快に蹴散らしたいな」

「その域に到達する自信がない」

「君は君なりに、ゲームを追求すればいいさ」


彼は次なる戦いを求めて行った。

あれは多分チーターだ。

なろうでもチートが人気だ。


動画の倍速視聴と同じ。

タイパを重視する。

レベル上げはタイパ悪い。


ぼくはレベル1からのレバル上げが好きだ。

超弱いけど、工夫して格上の敵を倒す。

低レベルの敵でも、いい武器や防具を落とすから、面白くなる。


ある程度強くなったら意識してレベル上げしない。

強い敵の隙きをついて、避けて通り抜ける。

弱い敵でも使えるアイテムを落とす。


あそこに見覚えのあるアバターがいる。

「今、配信中ですか」

「はい、同接3人だけど、がんばります」

「ぼくも今から見ます」

「4人になった、ありがとうございます」


「このまえは3章をやってましたね」

「今は4章やってるけど、レベル足りなくて、困ってる」

「放送予定時間に終わらせたいですよね」

「頭にチートの文字が浮かんで、ハッと我に返った」


「レベルあげしないで、なんとかなるかも」

「共闘ならネタバレじゃないし、お頼みします」

目的地のある大陸に移動した。


「この辺はあらかた探索したんで、味方の遭難場所まで行けます」

「そのレベルで?格上の敵ばっかりじゃん」

「戦わずに通り抜けられる」

「なるほど、では行きましょう」


「たまに敵にバレる」

「格上倒せばレベル上がるし、二人いれば何とかなるかも」

さっそく敵に見つかった。


「ぼくは回復と支援するから、いつもみたいに脳筋特攻してください」

「わかった、やってやる」

敵は素早くて凶暴だ。

配信者は怯まず接近戦で勝負した。


ぼくは支援と回復しつつ、敵の背後から攻撃する。

配信者が挑発して敵の注意を引くからやり易い。

「なんとか倒した」

「経験値がすごい上がった」


その後は敵にバレることなく、目的地に着いた。

イベントが発生した。

遭難者は敵に囲まれてる。


「ここまで来ることしか考えてなかった、スマソ」

「気にしないで、あいつら倒せば予定時間前に4章クリアだ」

さっきのチーターが来た。


「強いけど、たぶんチーターだ」

「上級者かも知れない、見たことある」

「手伝おうか」

3人で戦うことにした。


「楽勝だ」

「わたしの出番がなかった」

「手加減したんだけどな」


配信者は4章クリアした。

放送終了までまだ時間がある。


「スポーツのドーピングをどう思いますか」

「チートと同じでスポーツを駄目にする」

「負けたら努力が無駄になるから、つい手が出るんかな」


「成長促進剤の入ったエサを食べた牛の肉を食べた人間はデカくなる」

「国によって基準がちがうから、何ともいえない」

「ドーピングは失格で牛肉はOKなのは問題だな」


「ところでセーブした?」

「しといた方がいいな、あれ、セーブできない」

「そのバグは初耳だな」


使用者からのコメント「ハードの不調かも」

配信者は慎重に操作した。

無事にセーブできた。


配信が終わって、ぼくもセーブしてゲーム終了した。

さっきの配信の動画を見る。

長いので倍速で見る。

自分もやってる。


どんなに頑張っても全ての映画を見れない。

日本人は旅行すると、観光名所を大急ぎで見て回って、写真を撮りまくる。

スタンプラリーみたいだ。

ひとつひとつの観光名所の印象は薄くなる。


昔は本は貴重品で、同じ本を何度も読んだ。

今は本は溢れかえってる。

エジソンは図書館の本を全部読んで、ローソクの科学を見つけた。

運命の本だ。


最初は手当たり次第でも、段々自分に合った本や映画がわかってくる。

そして一番好きな本や映画に巡り合う。

そこに至るまでの乱読や倍速視聴は意味がある。

無意味にやってたら依存症なのど病気だ。


今動画を倍速で見てる自分はどうだ。

ぼくは全ての動画を見ようとしてない。

自分に関係ある動画だから見てる。


自国の歴史の本は読む。

自国の国語辞典は所有する。

有名な美術館の絵を全部見るのに数年かかるらしい。


自分なりにターゲットを絞るしかない。


ぼくはある作家の、あるエッチな作品が好きだ。

その作家の数ある作品の中で、その作品だけが好きだ。

他の作家の作品もたくさん見たが、どれも刺さらなかった。


もう探し回るのは無駄と思った。

あの作品は、ぼくにとっての、エジソンのローソクの科学のようなものだ。

ぼくの作品は、あの作品の影響が強く出てる。


萩本欽一はジョーズが好きすぎて、他の映画を見るのをやめたそうだ。

萩本欽一が関わった映画には、ジョーズ要素はないと思う。

見たことないので断言できない。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ