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プロジェクト:異世界isekÆi  作者: 魔法烏新聞 幽玄会社
第四部 異世界×駆け出し漫画家 前編
97/124

第十六話 魔王討伐クエスト受注必須レベルに達するのに百年かかる






   【関西弁の転移者 辰川翔也】



☆これまで☆

新しく出来た先輩とのサシ飲み

翌日、軽い充実感のある二日酔いに目覚めるとケントくんは朝早くからトレーニングへ

ちょっとそれに触発され、特に予定がなかったのでチビエルフ達に久しぶりに魔法の授業を付けてもらう

エクスペクトぱとろーーーーーー南ーーーーー無ーーーーー!!!!ポンッ!! 






「全然成長しないね」



ロリエルフ、辛辣な顔で幼女にそんなん言われたら普通に死ねるで



「しょーやの出すイモムシってカラフルで可愛いよなツンツン、イモムシの魔法使いとかになれば?」



おい、さっきまで「任せろ!しょーやは俺が大魔法使いにしてみせる!」って張り切っとったやろ。

諦めるんちゃう。



「大もイモムシも形は一緒じゃん?」



下ネタで誤魔化すな。

しかし、なんでこんなに上手くいかんのやろか…

隣ではセガラと例の天使っ娘が真面目に魔導書を浮かし、魔法陣に囲まれてそれはそれはインスタ映えしてらっしゃる…



   【レベルアップ!!!!しょーやのレベルが上がった!!】



「あっ!しょーやすげぇじゃん!!おめでと!!」



ん?俺なんもしてへんけど?



「しょーやの呼んだイモムシが今懸命にサラダ油蟲食べてるからそれでじゃね!?」



なるほどな、ようやくレベル3か…

この世界に来てもうかれこれ3ヶ月位経つねんけどな…、一ヶ月レベル1としてMAX100まで8年くらい?



「あっ、なんか最近はレベル999まであるらしいぜ!!」



だからインフレしすぎたソシャゲかって



「魔王討伐クエストに出るのに勘違いした奴が弱いまま行っても結構死ぬから、下限レベルを決めたらしいぜ!

セガラがこの前言ってた!確かパーティー平均800くらいで行けたはず!」



てことはこのペースで進み続けると、おそらくこの異世界のゴール的な位置づけの魔王討伐までに64年、それもレベルが上がれば上がるほどレベルアップに必要な経験値が増えるやろうから…



「まぁ、百年くらいあればナントカなんじゃない?すぐだよすぐ!!」



うん、ロリエルフ、君らの時間間隔で喋ってくれるな。棺桶で別の奴に引き摺られて魔王城行くことになるやろ。

しかもステータスは『dead』とかじゃない、『老衰』やぞ



「日本式だと壺の中に灰で封印されるんでしょ!?」



チビエルフ、違う。あれは封印じゃないの。火葬と言うの。



「でその壺3回擦ると願いを叶えてくれる灰魔人になって復活できるんだよな!!アマツから聞いたぜ!!??」



ちょっとそのアマツさんを呼んできなさい。しょーやお兄さんそいつに話あるから。

それにしても少し疲れたな…、イモムシ4体…、ちょっと魔力を使いすぎたか…

この前みたいにぶっ倒れるのはいやや、不名誉が過ぎる



「あっ!芋けんぴー…!!!」



なんか勝手にあだ名を付けられていた俺の召喚獣…?蟲?

はなんかめっちゃエグい木の根っこに地中へと引き込まれていった。なにこいつ、きもすぎん?



「木ギギギ疑義疑義!!!!!!!!!!!!」





【ドライアド、樹木系モンスターと取り込まれた村の人達が現れた!!】


「じゃあせなもさちゃん逃げ惑う人間役ね!」「またかよ…、まぁいいよっ!」「がおー!がおー!」「ワー、タスケテー」

公園で無邪気に遊ぶ夢を見ている大人の顔が木の幹に浮き出ている。


怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念


その木の幹に浮き出た顔がうめき声の様にそう言葉を漏らすのを見て、可哀想に思った一人の小説家はしばしの間この遊びにつき合うことにした。


怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念


彼は言った「一方そのころ、逃げ惑う人々の脳内―」

(不味い不味い、今月納期の仕事まだ終わりそうにないッ!!やばい!!どうしよう!!)

(と、トイレ漏れるー!!)

(やっべ、遅刻だ!!部長の田中さんまだ来てないといいんだが…)

(9時のバーゲンセールまで後5分32秒、イケるッ!!)

(演技の幅は緩急から演技の幅は緩急から演技の幅は緩急から演技の幅は…ハバババババババ…)

(不味い、遅刻だ。部下の溝口君より先につかなくては上司としての示しがつかないではないかッ!!)

「このように現代社会を生きる人々をくっそ下らないことで急かし、物事を考える暇も与えず、ただ馬鹿みたいに働かせることに上流階級の人間達は成功したのです!!!であるならば!少年達が!育った少年達が!ヒーロー物語の夢を見るのは当然の事!彼等は被害者なのです!」


怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念


しかし同情し遊びに付き合っているその男もまた近くの草原に棲息する人面人食い兎に食われ、顔だけ生皮を剥がされ取り替えられた売れない小説家であった。

生皮と、人面人食い兎がクチャクチャ噛んでいる脳髄の辛うじて残る意識の中で最後の正義感を振り絞ってはみたものの、


怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念「セイコウを使ってね」「say!! 光ッ!!!」「待て待て待て、お陰で俺達の二千年以上に及ぶ異世界現実化計画がほとんど進んでいないじゃないか?一体どういうことだねこれは?」「そんなもん認可したら人類補完計画までやることになるだろうが馬鹿め。」「おっきーかいじゅー!!」「お前は一時停止ボタン魔法にかかって大人しく黙っててやがれください」「杖…、はっ!もしや!」「また盆栽オチになるからやめようね?」「俺のギターソウルが疼くぜッ!!」「早くも一人脱落」「ふっー。」「やめい。」「一応樹目科」「クーリスマスがこ〜と〜し〜もや〜ってくるぅ〜」「楽しそうに柊のリース作ってるとこ悪いけど、今新学期始まったばっかだから」怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念

等とブツブツ言っている。魔物の犠牲者達はそれでも会話を続けようと言霊を放ち続ける。当人達は会話が支離滅裂になっていることを少しずつ気付いていた。

特に人面人喰い兎に食われた方の男は、それで社会に痛い目で見られるのが怖くなってなんとか話に整合性を持たせようと必死に言霊を紡ぐ。

怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念

「さて、このように自身の脳内含め、"問題点"の列挙には暇がないどころか拍車がかかるばかりで思考先行型の生活モデルプランの現実化には些か否定的です。」

怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念怨念








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