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プロジェクト:異世界isekÆi  作者: 魔法烏新聞 幽玄会社
第四部 異世界×駆け出し漫画家 前編
81/124

第三話 「これからどうする…か。」









「はっ!!夢っ!?!?」


がばっ!!

と起きて、辺りを見回すとそこはまた最初に起きた教会の部屋。

どうやら俺の潜在意識は引きこもりのヲタをこじらせすぎてまだこの夢から覚める気はないらしい。


「あーっ!おきたーー!!」


「平気平気?ね?平気?」


やめろロリエルフ、俺の周りをパタパタ飛び回るんじゃない。

変な性癖に目覚めてしまったらどうすんねん、これでも俺は年上がタイプや。


「ごめんね、魔力使いすぎると倒れたり死んだりするから気を付けてって言い忘れてた…」


まぁ、確かにそれは先に聞いておきたかったかもしれんが、俺も薄々勘付きながら調子乗ってたからええよ。

と、下からセガラが慌てて駆け上がってきた。


また俺を鼻でスンスンやって、顎を掴んで以下略


「うん、軽い貧血みたいだね。すまない、僕の不注意で…」


いえいえ、もうお気になさらず。


「ハーブティーでゴクッ!!キュピーン!!やるかい?」


飲むって普通に言って


「あっ!もしかしてハーブティーだとカフェイン足りないかな!?!?

アマツも日本人はカフェインとニコチンにズブズブに浸して社畜にしとかないと死ぬって言ってたし…」


取り敢えずそのアマツさん一回ここ呼んでもらえます?

日本人何や思てんねん…。

…。

…。

…いやまぁ、そこまで間違ってはないか。


「普通にハーブティーだけ頂きます。」


ゴクッ!!アッマ!!!


「まぁでも、魔法も使えたし、なんか楽しい世界ですね、ここは。」


なんか呑気に異世界世間話でも始めてしまう俺。


「まぁ、楽し…、うん、楽しいね!」


いや、なにその間。


「色々と君の元いた世界とは勝手が違うことも多いだろうし、もちろん大変なこともあるけどね!

仕事の依頼とか、仕事の依頼とか、仕事の依頼とか!!」


笑顔で三回言うな。


「セガラこの前も取引先に今月の成果報告書まだですかーって怒鳴られてたもんね!!」


「毎日徹夜してんのにな、なんであいつらあんなに頑張りを認めないんだろ?」


どこの世界も世知辛過ぎるやろ。

異世界よ、せめてもう少し夢に満ちてろ。

てかセガラさん、あんた絶対社畜やん。


「そーそー!いーーっつもハーブティーハーブティー、シガーロ吸ってまた仕事!」


「俺は何回 超大型魔導水晶パソコンの前で寝落ちしたセガラに毛布をかけてあげたことか!!」


「灰皿はいつもシガーロで一杯!」


「朝は目にくまを乗せてよろよろ起きて!」


「夜は眠れず!」


「締切日間近はドーピングの勢いで喫煙、カフェイン!!」


「「ねーーー!!!!」」


はい、社畜確定。

てか、笑えん。

俺もおんなじや。

ほら隣でセガラさん耳が痛いってケモミミ伏せてる。

可愛いかよ。


「ま、良いんだよ…。じゃないとお給金貰えないしさ。

ここは無償で使えてるけど、イマドキ何でも出費はバカになんないからさ…」


異世界夢0!!


「皆って普段なにしてるんですか?」


「俺セガラの助手!!」


「私もー!!!」


へぇ。


「セガラとね!魔法の研究してるの!!魔素とか!!種族ごとの魔力の流れの違いとか!!データ取ってまとめてんのー!!」


「私はねー!動植物とか!!調べて、これは良い匂い、あれはギリ食べれないとかやるの!!」


へぇ。


「二人には主に遺伝的魔力体質の違いと、動植物の新たな活用法見直しを手伝ってもらったりしています。

そもそも僕はこれでも王立魔導大学で博士号も取っていて、特に魔力波導の分野における新たなイノベーションを目指し―」


わかった、わかった、もうええって。

余計な用語を増やすな。


「でもなんか楽しそうでええですね。皆きっと俺等の世界よりも独創的で保守的じゃなさそう。」


「そうでもないよー!!大精霊のジジイとか凄い右翼的だしさー」


「ねー!!それに最近の魔王も怖いしー!!」


大精霊の右翼はやばいやろ。

何世紀前の倫理観で生きてるん。


「えっ?てか、魔王おるん?」


「いるよー!!一杯!!!」


えっ?一杯?


「良いやつもいるけど、だいたい悪い奴だな!!」


「魔片王とか最近ヤバいってこの前木霊も言ってたよ!!」


「あいつ今サイア大陸にまで手を伸ばそうとしてるらしいぜっ!?」


「え?でもあそここの前新しい魔王がでてこなかった?なんだっけ…」


「魔龍王だろ!!??あいつはカッケェよなー!!なんか元すげぇ軍師らしいぜっ!」


「うわー、ヤック好きそー…。私は魔女王様みたいになりたーい!」


「えーーっ、あいつ弱えじゃん!俺でも勝てるぜ!!」


「はーっ!!??ヤックって本っ当ガキね!!魔女王様の良さはあんたみたいなガキには分かんないわよ!!」


「んだとっ!?魔王は強くなきゃだめなんだよ!!魔王は最強なの!!」


あ、なんかようやく年齢にあった喧嘩を始めた。

単語はちょいちょい物騒やけど。


「いや、てか魔王いすぎじゃね?」


「昔は今よりもっと数いたんだけどね…。皆勇者達に殺されちゃった。ははは笑」


さらにおったんか。


「一時期魔王のインフレが起こってね…」


人気出すぎたゲームアプリか


「でキレた天界が勇者をポコポコ異世界召喚してチート能力を与えて魔王狩りを始めたんだ…」


めっちゃ心当たりあるわ、それ


「で、今は逆に特定の武器をレベマにして魔王を倒した勇者に称号が与えられるようになっちゃう始末さ、巷で一番熱い流行りの遊び説あるよね」


レベマとか言うな。あと「〇〇せつ」使うな、「せつ」。


「俺のお気に入りはね!!魔剣王!!大剣で海も山もあーら、ご覧の通りサクサク切れるのに刃こぼれは一切ありませんっ!!って話だぜ!!」


通販番組かよ


「私ねー、魔杖まじょうおうとー、魔槍まそうおう!!!」


「おい、魔槍王はそんなかっこよくねえぞ!魔杖王一筋にしとけ!!」


「えーーーっ!!?どーーしよっかなーーー?」


なんかアレだな、いきなりRPG感めっちゃ出てきたな


「でもねー!!一番好きな魔王はー!!」


「「初代魔王!!!!!!」」


あら、なに二人共同担アリなん、可愛いかよ


「だってさ、初代魔王ってめっちゃかっこよくてさ…、なんかー、なんか―」


「あー、はいはいそこまで!

好きな魔王大会はそこまでにして、二人共夕飯の支度してきてくれるかい?

今日は1人分多く作らなくちゃいけない上に、しょーや君に精が付くようなスペシャルな奴を頼むよ!!」


「「はーい!!!」」


セガラパパにあやされたチビエルフ二人はそうして階下のキッチンにパタパタ飛んでった。可愛っ!


「二人のパパは大変そうですね」


「…。

はは、そうだね…笑」


何その意味深な間。


「ま、二人とも付き合いは長いからね…、っと、それでもう貧血とかは大丈夫かい?体のだるさとかは?」


「概ねいつも通りな感じがします。

次はもうちょい気を付けて魔力使うようにします…。」


「ははっ、まぁ使ってるうちになんとなく慣れて分かってくるよ!

じゃあもう少し安静にしてて、夕餉の支度ができたら呼びに来るから!」


「うぃっす」


そういうとセガラも階下に降りていった。

さっきわりかし寝たはずやのに、不思議とまたすぐに眠りにつく。

魔法も意外と疲れるんやな…。





結局その後一時間ちょいくらい寝て、

今度はがばっ!と起きて「夢っ!?」とかやる事もなく、

しばらくボーっとしてる間にヤック(ショタエルフ)が起こしに来てくれて、

下で晩飯食って(今度は余りのシチューのスープと、野菜たっぷりのサラダ、うねうね動いてたごぼうみたいなマンドラゴラがやたらキモかった)、

で、外で焚き火する流れになって←イマココ




「しょーや…知ってるか?焚き火ってのはなマシュマロをいかに上手く焼けたかでその出来が決まっちまうんだぜ?( ・ิ∆・ิ)キリッ」


キリッ!!ちゃうわ、ほんま転移者余計な事吹き込みすぎやで?

もうなんならそいつも関西人ちゃうんか…

ノリアホすぎるで…

まぁ、トロットロのマシュマロはビスケットにしっかりサンドして食うけども!


「しょーやはこれからどーするの?」


…どうしようね?


「一応僕らは後一ヶ月くらいはここに滞在して色々研究するつもりでいるから、その後は僕らと、まぁオススメはしないけど旅をしても良いかもしれないし、近くのオイホ王国の王都に行けば色々やりたい事も見つかるかもよ」


そっすね、いやー、まぁどうせなら現実世界で描いてる虹絵のインスピレーションを探す旅と称してロリショタエルフ狼男と異世界で旅の絵描き…

画商、いやスローライフ一択…か?

てか俺これ帰れるん?


「前の転移者の、そのアマツって人はどうしたんですか?てかこっから帰れたりってするんですか?」


「アマツはねー!サーカスに付いてったよー!!」


「そうそう!俺の人生はこの為にあったのかッ!!とか言って」


もう絶対アホ、そいつ。

まぁでも魔力チートしてるんやったっけ?

そらそうなるか…

…。

なるか?


「僕らが前にここに来たのは1年半くらい前だったんだけど、その時はその後ここから大分南にあるレタスト王国って国に行ったんだ。彼、アマツも一緒にね。

で、そこにサーカスの巡業が来てて、何か知らないうちにそのサーカスの団長と打ち解けたらしくて、見習いとして付いてったんだよ!」


コミュ力もチートかい。


「僕らは今回はそっちじゃなくてもう少し近いカーネル王国に向かおうと思っているよ!」


あ、さいですか。


「しょーやもくる??」


「くるよな!?!?」


え、あー、うん。

異世界への現実逃避をそれまでに諦めなければ。


「来週、買い出しのついでに王都に行くつもりだから、この異世界がどんなもんかまずは見てみるといいよ!」


あ、それは楽しみなやつ


「じゃあちょいと失礼して」


セガラが白衣の胸ポケットからタバコを取り出す。

マッドサイエンティスト感があって個人的にはすごい性癖。

狼男との相性も◎


「お、俺ももろてええですか?」


「もちろんもちろん!」


パチンッ、シュボッ!!

スー…、プハーッ( ゜Д゜)y─┛~~ナニコレウマー

てか指パッチンで火つけるのはマジで反則すぎる


「美味いっすね、これ」


「おっ!?嬉しいねー、喫煙者はこのご時世白い目で見られることもあるからねー」


異世界もか


「たまに野草として森の中とかにも生えてるんだよ!これ!」


それは現状無一文の俺にはぐう助かるアドバイス


「ヤックー!!翔也に見せたいものあるから地下LABOから小型魔導水晶スマホ持ってきてくんなーい!?」


「あ!ヤック後ついでにお代わりのカラペボもおねがーい!!!」


「お前は自分で行けよな!!ったく人使い荒いんだから…」


ちなみにこのお菓子のカラペボはサクサクして普通にうまい。

見た目のカラフルなパレットみたいなのさえなんとかなればほんまにただただ美味しい。

後半容器の底でぐちゃぐちゃになったパレットみたいな色合いにさえならなければほんっまにただただ美味しい。 悔やまれる。



―数分後―


「はいこれ、小型魔導水晶。はいこれカラペボ。後ミノのミルク切らしてたから週末の買い出しリスト足しといて。」


「自分で書けばいいじゃん!!」


「お前だって人にカラペボ取らせに行っただろうがっ!!」


熟年夫婦かお前等は


「えーっと、どれどれ…、カシャン!!」 


待って、スマホ言うから何やと思ったらなんですかその超高度な文明機器ハイテクは。

セガラが手にしているスマホがカシャン!とスライドして、昔のガラケーみたいな形になる。

そもそもそのスマホの二枚重なったのが透明なガラス板みたいで、しかもめっちゃ薄いし綺麗。


「これ〘TAppleップル〙の型落ちで、最新のモデルだともうちょっと使い勝手良いんだけどさ…、高くて」


いや、充分すごいっちゅうねん


「あ、でこれさっき言ってた野草のスィガーロなんだけど、この外側は本当は銀の部分の蕾んところは吸うと毒だからこれを剥いて…」


いや、ちゃうちゃう、そこちゃう

その今明らかにホログラムみたいにスィガーロをスマホ画面上に映し出してるのが大事なんやって

どうなってん?それ


「あっ、これ?これは小さな魔粒子の粒がこっちのトレイのスクリーンに一杯入ってて、でこれを魔波導で任意の形になるよう浮かせて、それに魔光を2つのスクリーンから3D的に当てて…」


「ハイテクが過ぎるやろ」


思わず突っ込んでしまった


「最新のだとさ、カラーも出来るんだけど、旧式だと水色一色だからねー、お恥ずかしい限りで…」


人のツッコミを無視するんちゃう、ハイテクやー言うてんねん


「これも当時発売日前日から〘TAppleップル〙のお店に並んで買ったんだけど、もうちょー高くてさー!!」


中々コアなオタクみたいなことやってんな


「最新のはこの魔粒子が魔具NETで落ちないようになってんだよねー、これ結構すぐポロポロ落ちちゃうから無くなったらまた買い足さなきゃいけないんだけど、これがまた高いのよ!!!」


あかん、異世界でもそんな辛辣な付属パーツにかかる費用の事情聞きたない


「これのもう一個前のモデルなら使ってないのあるから翔也くん良かったらいる?」


え!?ぜ!ぜひ!!!

こ、これで俺の手にももホログラム!!!!?!?




翌日貰った小型魔導水晶スマホは普通のスマホでした。





ちな補足:この世界では魔導水晶なるものはめっちゃ高価らしく、おまけに電話機能には膨大な魔力が必要な為、未だにほとんどの大陸の文明は家電が主流らしい。

俺の貰ったやつとセガラが使ってるやつは機械メカヲタのセガラがまさに魔改造を施しているから魔力消費も少なく済むらしい。

まぁ、今んところ電話帳登録セガラしかおらんからあんま真価を発揮できてへんけど…

カメラ機能は便利っ☆

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