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プロジェクト:異世界isekÆi  作者: 魔法烏新聞 幽玄会社
第二部 異世界勇者パーティーが全滅した件 前編
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第六話 【陰に潜む狙撃手《スナイパー》 ケント・オルカ】

 


 どうも、ケント・オルカといいます。

前世では、えーっと、まぁ、ニートをやってました。はい。

いや、一応プロゲーマーだったんだけど、世界ランク上位とかだったし…、まぁ、食ってけてたかと言うとあれだけど。



でまぁ、流行り病で死んだらしく、

【フライドチキン共和王国】に召喚され、

二ヶ月くらいが経ち、

週一の貴重な休みにストーカーをしていると↑イマココ!!



つってもわざとじゃないからね!?

なんか朝急にワッキーに叩き起こされて、

でいきなりスキル使えとか言われて、

でもまだレベル1だから、



バーズの《・》アイ】(※ちなみにレベルが上がると練度、精度が上がります。日中にしか目立ったスキル効果は得られない場合もあります。)っていうんだけど、



あ、いや別に厨二病の痛いやつじゃなくて、

近くの建物とか高い所からの視点が得られるんだけど、

なんか片目だけでやんないと実戦中ほぼ使い物にならないから大体教官にいつも怒られる…



まぁ発動条件が目をつむってってのがそもそも難儀なんよ

一回やってみ?

片目だけ瞑ったまま動くの

まぁまぁむずいからね?

そのまま走るとか、一瞬ならまだしも演習とかだと2時間3時間平気でこのままだからね?



いやだから、普通に無理

レベル上がると…、ってか慣れると反対の目で見てる景色に重ねられるらしいけどさ

3Dとかレンダリングとか苦手だったから



あ、FPSは得意なんだけどさ…、さっき言った世界ランク上位ってゲームもFPSで、最高2位だったし

まぁ、そんな訳でカナと由貴が買い物してるのをワッキーと後ろからタラタラついて行ってるわけです







ー露天商の立ち並ぶ商業地区のメインストリートー


メインストリートをタラタラ歩いているといきなり奥の方で声が上がった。




「誰かー!!そいつを捕まえてくれー!!食い逃げダーッ!!!!」




今どき食い逃げって…




「どうする?捕まえる?」




いや、天王寺、ここはスルーしよう




「えっ?でも食い逃げってイケナイ事なんじゃ…」




カナ氏、ここはスルーしよう




「捕まえてくれたらランチセット大盛りのタダ券をやるからよーーーーっ!!!」




店主が苦肉の策を叫んだが、イマドキそんなんで―




「邪魔だ、どいてろ」




ジェシー…、お前どっから…?

気がつくと俺の隣には武器を構えたジェシーが立っていた。



一直線の表通り《メインストリート》にはすでにドーナツ型の魔法陣が二つ並び、通りを歩いていた人達が何事かとモーセの海割りの如く左右に割れ、ジェシーが本気の一撃を繰り出そうとしている…!


戦鎚ミートハンマー!


魔法推進力でその輪をくぐり、昼飯後の空腹が訪れるより速く、ジェシーはそのハンマーを振らうッ!


見守る露天商に居合わせた人々一同!




「んな、トロい攻撃当たるかよ…ちっ!」




マントを被った食い逃げ犯はジェシーの攻撃を大きな弧を描く前宙でひらりと交わしそのままどこかへ消えていった…。




「あ、まて!!!私の昼飯ッ!!!!!」




追いかけるジェシー、しかし先程の一撃を放ったときとは違い、肉体による追跡では彼女にとって圧倒的不利!!

しかし最近夜食を食いすぎたジェシー、これをダイエットの良い機会と諦めない!







ー露天商通りで唖然としたままの一同ー




「ごめん、何だったの今の…?まぼろし?」




天王寺、多分誰にもわからない




「そ、それより…!!」




どしたのカナ氏?




(やべー、ジェシーも来るかって聞きっぱにしてたの忘れてたー…)



いやおい、忘れてやるなよ…




「ほら、3時のおやつでも食べに行きませんかっ!?そろそろ小腹も空いたでしょう!!?(なんとか話題をジェシーから逸らさないと…!!)」




皆には言ってないけれど俺には【思考ソート無線リスナー】という、他人の心の声が聴こえるというもう一つのスキルがある。



こっちもまだレベル1だから半径数メートル位しかスキル範囲は無いけれど、、、

例えば街で使うとこんな感じ。




(そういえば…、ギルマスから頼まれてた今月の討伐成績優秀冒険者へ配るアカシア琥珀アンバーの梱包って終わってたっけ…?)


(今月…、ギルド用査定用紙の納期間に合わねぇッ!!やべぇっ!!ー!!ドースルヨ!!オレ!!)


(はー、いるよねーこういう人…砥石を安易に借りてくるやつ…)




やけにギルド関連の声が多い…っと、そういえば民営ギルドが角曲がったところにあるんだ、納得。




「そういえばさ、ギルドに上手いパンケーキおいてなかったっけ?」




俺は以前通りがかったとき、ギルドの扉の外にあった可愛らしい立て看板を思い出した。

ああいうのって、働いてる人の個性がにじみ出るから意外と眺めちゃうんだよなー。




「あ、いいね!それ!妙案!(よしよーし、話題がそれたぞー、ケントー、ナイスー)」


「そうね、確かにちょっとお腹すいたかも…」




女子票が2、つまりワッキーと俺が何を言おうとこの案は可決だ。






ー一行はギルドに併設されているオシャレなカッフェへ向かうー



無限蜂インフィニティ・ビーのハチミツたっぷりパンケーキ、ミノタウロスの生乳から作られた生クリーム乗せ】


【薬草とよもぎスライムの抹茶プリン】


なんかを頼みつつ、しばし歓談。



と言っても自他共に認める陰キャの俺は会話にほとんど参加しない。



ここでさらにもう一つのスキル【ステータス表示】でなんとなく辺りを見回してみる。

スキルが複数あることも別に聞かれないから皆に言ってない。

俺がこのスキルを持っていることを知っているのはワッキーと泰誠の二人だけだと思う。



けど使っている際は目の水晶体にステータスウィンドウが映っているらしい、目を覗き込まれたらサングラスでもしてない限りは周りにバレる。



このスキルにもレベルが5段階あり、高ランクになればなるほどステータスの詳細が上がる。

スキルの中には自分より対象のレベルが上だと表示されないものもあるらしい。

早速使ってみるとこんな感じ。




【名前】 尾千羽カナ

【職業】 治癒魔術師

【Level】 15

【攻撃力】 65

【守備力】 86

【魔力】 128

【体力】 75

【スキル】 紅雨Level1



【名前】 天王寺由貴

【職業】 白魔道士

【Level】 12

【攻撃力】 85

【守備力】 98

【魔力】 135

【体力】 96

【スキル】 文武両道Level1




天王寺のスキル…

それもうスキルってか人格じゃん…



せっかくだしギルドに来てる他の奴らも見てみるか…

ほうほう、さすが皆Level30、40辺りでスキル辺りも充実してる人多いなー…

装備も俺達はThe新米冒険者、みたいなのに対して皆凝ってるしなー…



ってあれ、一人だけLevel俺等とそんな変わんないのに高ステータス…、ってあれ泰誠じゃね?

俺はギルドの入り口に立つ一人だけ異彩を放つステータスを見つけた。

本来ステータスウィンドウは翡翠、半透明の水色だけど泰誠のだけはうっすらその周りが光っている。




【名前】 砂崎泰誠

【職業】 勇者

【Level】 18

【攻撃力】 177

【守備力】 211

【魔力】 223

【体力】 241

【スキル】 ドリームド勇者ヒーローズLevel1・思考無線Level2・回復速度上昇Level2・




…、いやおかしくね?

試しに同じレベルのワッキーも見てみよう。




【名前】ワッキー

【職業】 斥候

【Level】 18

【攻撃力】 55

【守備力】 119

【素早さ】 189

【魔力】 132

【体力】 98

【スキル】  視線誘導ミスディレクションLevel1・デコイLevel1・潜伏Level1




なんでコイツだけステータスに【素早さ】があるの…

まぁ、それはともかくステータスの違いは一目瞭然だろう。

俺たちに気づいた泰誠が声を掛ける。




「あれ?皆何してんの?」




天王寺とカナが




(げっ…不味い)




みたいな顔をしている。


スキルを使わなくてもわかる…




「あれ?本当じゃん!どうしたの皆?」




チラホラと客のいるカフェを通り抜けて泰晴と一緒に来ている女子四人組の一人シーナはぐんぐんこちらにやってくる。

あーあ、尾行バレちゃった。


俺知ーらね。



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