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プロジェクト:異世界isekÆi  作者: 魔法烏新聞 幽玄会社
第三部 陰キャが転生したらどうせこうなるのは知ってた
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第十九話 冒険は続く…




   【陰キャの狙撃手 ケント・オルカ】




 結局あの後レクソンは倒せたっぽいけど、白鳩スーツは突然現れたペガサスの馬車に連れてかれてしまった。

まぁあれ以上誰も戦う気力は残ってなかったからそこは結果オーライとしよう。

ワイは満身創痍の粉砕骨折だの何だのと、僧侶が付きっきりで回復魔法を施し続けてくれたにも関わらず全治3ヶ月を余儀なくされた。


他の皆も大体似たような状況で、皆ベッドで寝たきりの生活が続いていた。


「ぐびっぐび!ぷはーっ、やはり特効薬といえば酒だな。」

「おいブルー、あんま私の酒飲みすぎんなよ」

療養中に酒をあおるこの二人もいつも通りだ。


「くっそ…、次こそ蓮大の目ぇ覚まさしてやる…」

「マリアンナちゃん、それには賛成だけど筋トレ無理しすぎないようにね?」

「つーか止めろよ!!!なんで全治3ヶ月にダンベル握らせてんだよ!」

貧困街スラム3人組も相変わらずだな。うん。


俺は皆より少し早く外出許可をもらったので、再び街の教会へ向かった。

街は半分以上焼け落ちてしまったけれど、それでも近くの村から木属性魔法、土属性魔法の達人らがやって来て復興に日夜取り掛かっている。

復興後は以前よりもモダンかつ開放感のある街並みになるそうだ。


教会の前には例の美麗ショタと花魁さんがなにやら怪しげな雰囲気で互いを見つめ合っていた。え?




「お姉さん、なんだか僕のお母さんにそっくりで…色々教えてくれてありがとうございましたっ!!!!!!」

ショタは花魁さんの袴の裾にギュッと抱きつく。まて、ショタ、何を教わったんだ貴様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!


「ふふ、そうか。甘えたくばいつでも来るがいい。だがなわらべ…」

花魁さんはそこまで言うと優しく頬を近づけショタの耳元で何かを囁く。そこでタイミングの悪い風が吹きつけ、その先は聞こえなかった。


『私は実は処女なのだ、もうかれこれ八百年程な。』

顔を熱くしているショタ。

花魁さんはショタのおでこにキスをすると髪をふわしゃっと混ぜて…




最後の耳打ちはなんか聞き取れなかったけど、まぁ良しとしよう。あのガキは後でしめる。

実は花魁さんはこの村の復興の為、家々の設計や、食料等の調達、けが人の看病と日や働きづめだったらしい。

村が一段落ついたこのタイミングで故郷に帰らなければならないと言うのでワイは一言礼を言っておきたかった。最初に遭遇したオレンジの着物の剣士、放火騒ぎの主犯を倒してくれたのはこの人だ。この人がいなかったらワイらは呆気なく全滅やった。




「何か腑に落ちぬ様子だな。」

腑に落ちないに決まってる。全員やられて、村の人が何人も殺されて、ショタのおじいちゃんも殺されたって聞いた。転生してきて何の役にも立てないまま、それでも今日はブルーと保安官クラリリスさんの強い要望で打ち上げをすることになってる。

二人を責める気は無い、俺だってあの日の夜にはもう腹をすかせていた。村の皆が功労者だからってご飯を分けてくれたりもした。

でも元凶の一人白鳩スーツは逃げたまんまで…


「遠吠えよ!

乾杯、完敗結構結構!!

その意気を、宣戦布告と覚えよ!」

花魁さんが強い言葉で、それで笑った。

まつ毛なっがー…、目を閉じてるから余計に長く見える…







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