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プロジェクト:異世界isekÆi  作者: 魔法烏新聞 幽玄会社
第三部 陰キャが転生したらどうせこうなるのは知ってた
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第十五話 上下横盾+下+右下+右パンチ!





……、

………、

…、

…あれ…?

気を失ってたのか…


白鳩スーツが放った魔法ミサイル弾を喰らい、家とともに吹き飛んだワイ…

なんだよあれ…、死ぬ…。

辛うじてシルベスターが地面スレスレでキャッチして落下の衝撃を減らしてくれたものの、もう体が動く気配がない…

さっきの蓮台の一撃の爆風で毒霧は晴れていて、少し離れたところで黒魔道士ビンセントが膝をつき、額に白鳩スーツに銃を向けられていた。



「お互い中毒の夢も希望もない身だ。せめて楽になれよ。」



一発の銃声音が鳴って、その後に黒魔道士ビンセントは糸が切れた人形のように前のめりにバタリと倒れた。

あんまりにも呆気なく死んだから一瞬何がなんなのか分からなくなった。




え?人が死んだ?




そりゃそうか、異世界モノでもこんなシーン普通によくあったもんな。うん。




は?え?




人って、そっか、死ぬのか…

頭の中ではこの村に来るまでに何回かした野宿きゃんぷの記憶が再生されていた。





貧困街すらむキッズの中でも最年長の黒魔道士ビンセントは面倒見が良かった。

火起こしも手際よくて、料理も上手だった。白魔道士マッケンシー君も上手だったけど、黒魔道士ビンセントのはなんかこう、男の料理っていうか、とにかく塩コショウ一択みたいなんで俺は普通に美味しいと思った。

武器の手入れとかの仕方も教えてくれたし、知らない魔物の話、食べれる薬草、その効能とかも色々知っていて…

短い期間しか一緒にいなかったけど、一緒に冒険できたら楽しいんだろうなーとか思って、それで、それで…


意識を取り戻して激昂した白魔道士マッケンシー君が必死に家の瓦礫の下で自分の上の柱を動かそうとしていた。

白鳩スーツはそれに気づいてるはずなのにどうでもいいことのように立ち去ろうとしていた。

まぁ、このまま死んだふりしてれば命は助かるか…。

復活の呪文がない異世界はクソだな。

俺は死にたくないから狙撃手チキスナやってんのにさ、前衛やってくれる仲間が死ぬのとか全然考えてなかった。甘かった。



「おいお前!!!!ちょっと待て!!!」

気がついたら右足を引きずりながら立ち上がって白鳩スーツ呼び止めていた。

白鳩スーツは「生きてたのかよ」みたいな顔してこっちを振り向いた。

この際アイツがリア充一軍陽キャなのは別にいい。

なんか色々あって転生してヤクザの親玉になってんのもこの際別にいい。

でも、なんか、このままってのはなんかヤダ。



「死んどけよ、雑魚」

【攻撃魔法:warlock28+warlock27】容赦無い見下しで白鳩スーツは再び二丁拳銃の火を吹かせる。


(そうはいくか…。お前みたいなのにやられてて自宅警備員が務まるかっ!!)

【風属性防御魔法:ウィンドシールド】防風を白鳩スーツとの距離十メートルの間に吹かせつつ、自分の体の周りにも魔法の風を纏う!

行ける!!アイツの攻撃は通らない!!


「ちっ、モブ風情が!!」

【攻撃魔法:Airエア・force1《フォースワン》】さっきのよりでかい飛行機の魔法弾が飛んでくるっ!!

そこまでは聞いてない!!!!

くっそ!!


(これ、魔力くっそ使うけど仕方なし!!!)

【防御魔法:ヨシムラ式ダイアモンドシールド!】目の前に金剛石の、ミサイルにも耐える防御魔法を張る。

その使える防御魔法で最強の堅固さを誇る盾は蓮台の一撃で粉々に、いやもうほんと見事なまでに粉々に砕けた。風魔法の補助付きで緊急回避をしてもその爆風でダメージを受ける…、だから死ぬって…くそ!!!なんでこんな強いやつと初っ端から戦わなきゃ!!??

【攻撃魔法:Draculy Gen-666】対吸血鬼用の石弾…、魔片王さんのアジトでもらった武器はもうこれしか残ってない…

間髪を容れずにカウンターを入れたはずなのにあっさり避けてくる白鳩スーツ…


「アイテム一つ揃えられない雑魚は死んでろって…、言ってんだよ!!!!!!」

【攻撃魔法:Kill tec 12】パンプアクションのショットガン!?まだそんな魔力残ってんのかよ!?



Gガシャンッ!!!!!!!!!BoooooooooooOOoooooooonnnnnNnNNnnnnnNNnnnnNNNnnnnNNNNNNN !!!!






コホッゴホッ……

まずい…、貰った魔法防弾チョッキももう殆ど使い物にならない…、次当たればアウト…

多分ショットガンの弾を直前で逸らしてくれたの白魔道士マッケンシー君だよな…、ぐう助かった…

でもその白魔道士君も魔力を使い果たして気を失ってる…、本当にもう次がない…

どうし…どうしよっ!?!?!?




「手こずらせやがって…」

そう余裕風吹かせて言う白鳩スーツはようやく毒が回ってきたのか、視線と滑舌が少し怪しげだ。





もうこうなりゃヤケだな…。


「ドおおおおりゃうあああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」


ワイは手にあった空の銃を構え…、るフリして白鳩スーツに思いっきり投げる。そうです、銃は飛び道具です。


「!?」

陰キャの最後っ屁を予期してなかった白鳩スーツは一瞬視界を奪われる。


「守備範囲広いゲーオタなめんなあぁぁぁああああああ!!!!!!!!!!」

←ー→>LLRLRLR122盾上右右下右下ぱーーーーぁぁぁあんち!!!!!!!!

【攻撃魔法:その名も魔導拳!!!!!】

いける…!!

カンカンカーンカーーんカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

試合終了のベルの音が伸びる…気がする!

ドップラー効果よりも永くその音が引き伸ばされた瞬間、ワイは完全に奴の動きを見切っていた。

不意にガードしようとして、やっぱやめてカウンター打ち込もうと左手で抉るようなフックを出そうとしてきている!

どうせ陰キャなら簡単に倒せるとか思ってんだろうな!!!!甘いぜリア充!

音速パンチマッハ九百㌔―


は多分でてないけど…


ワイのパンチが白鳩スーツのアゴをしっかりと捉え、脳天をブチ揺らす!!

自分でも面白いくらいに決まったと思う。

白鳩スーツは膝から崩れ落ちた。


や、やった!?

やった!?!?!?

やったーーーーーー!!!!!!!勝った!ついに陰キャが陽キャを!!!!!


後は念には念を押して麻酔銃を撃ち込むだけだ。

あのゾンビ映画とかでよくある詰めの甘さをワイは絶対にやらないと金科玉条きんかぎょくじょうにしている。

殺したーと見せかけて後ろからガブッ!でアウト。

良い子の皆はキチンとトドメをさしましょう。


後はボロボロの体を引きずって、引き金を引くだけ。



よもやこんな死闘の後にまだ強キャラがでてくるなんて誰が予想したでしょうか?

さっきの白鳩スーツなんかとは比べ物にならないくらいの魔法弾が目の前にあった二階建てのお家を吹き飛ばしてワイに翔んできていた…

もうヤダ…

てか、これ確実に死んだ…



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