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プロジェクト:異世界isekÆi  作者: 魔法烏新聞 幽玄会社
第二部 異世界勇者パーティーが全滅した件 後編
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第四十四話 消えない焔《ほむら》ボツバージョン




「くそっ…、なんだあの魔力。以前見た魔王が可愛く見えるぜ…」




スーザンが憎々しげに悪態をつく。

地下施設の宙に浮いている女装をしたピエロ、【魔人パクリカ・レプリカ】に斬りかかりたいのをぐっと堪えながら。

それはそのふざけた格好とは裏腹に一切の隙が魔人に見当たらなかったから。




「いつも通りフォーメーションスーパーだ!!!!!!」


「おい馬鹿…!!」







常火じょうか止水しすいことわりよ、今我の呼び掛けにその沈黙を破れたもう、汝の力を…」

【大剣技:水火無常すいかむじょう】慎重派のスーザンとは違い直感で動くタイプのアルベルトは気にせず常人離れした跳躍をもって大剣を両手にパクリカに斬り掛かった。



「はは、面白いね♧」

【闇の手品マジック:ケープ・スケープ】ひらりと垂れ幕を翻し、アルベルトの大剣から放たれる火の剣閃を躱すパクリカ。




「まだまだぁ!!!!!!」




「くそ!だから!!作戦立てたのお前だろうがっ!!!なんでわかってねぇんだよ!!!」

【支援アイテム:道火縄みちひなわ】スーザンはマントを翻し、後ろ腰に装備していた鞭を垂れ幕を突き破る勢いで振る。





「ナイスアシストだぁ!スーザン!!!!!!!」







スーザンの鞭にアルベルトの大剣の火が引火し、垂れ幕を燃やしていく。

辺りにはさらにその燃えカスがチラチラと舞っている。

この火を利用しない手はないとアルベルトは【魔磯花火まいそはなび】と【魔石花火ませきはなび】というアイテムを宙に放り投げながら次の呪文を唱え始めた。









「眷属よ、朋友よ、我らが契約に基づき今その名を呼ぶ。我に応え、我に…」

【召喚魔法:不死の火喰鳥】紅蓮の魔法陣より真っ赤に燃える、背丈二メートルのダチョウが飛び出す。









ダチョウは翼を広げアルベルトを乗せると空宙へと舞い上がった。



(重力系の魔法か、或いは他のトリックか…、いずれにせよこれで空中戦に持ち込める!)




宙に浮いたまま悠々と様子を窺っているかのように自分達を見下ろす【魔人パクリカ・レプリカ】から視線を外さずスーザンは地下施設のキャットウォークまで走っていく。

そこから【魔人パクリカ・レプリカ】が回復・解呪魔法にかかりきりのエメラルドを狙っているのが見えた。




「そっちだ!デューロ!!!」


「わかっとるわい!!!!」

【防御魔法:魔法鉄壁】デューロの使った基礎魔法【魔法壁】の上位互換はしかしパクリカの投げたサーベルに見事に砕かれた―












激しく交戦を始めたアルベルト、スーザンと【魔人パクリカ・レプリカ】。

エメラルドを守りながらそれに参戦するデューロと、その傍らでエメラルドらようやく二人目、カナの中毒症状を回復させたところだった。




「ケホッ…、コホッ……」


「良かった!この子も目を覚ました!!」


「良いからその二人連れてここから離れるんじゃエメラルド!!!!」


「おや、途中退席とは連れないじゃないか♢」




追撃の手を緩めない【魔人パクリカ・レプリカ】










「「させるかよ!!!!」」

融合魔法ユニゾンマジック火勢一陣かせいいちじん+業火剣乱舞ごうかけんらんぶ】キャットウォークから飛びかかるスーザンとアルベルトの合技。

スーザンの放った激しい旋風せんぷうにアルベルトの大剣の炎火えんかが勢いよく燃え上がる!









「走れ!エメラルド!!!!」


「でもまだ二人しかっ…!!」


「今は逃げろ!で後で戻ってきて!!!!!」



すでに余裕のないアルベルトは何時ものことだが、他の二人も今回ばかりは同じ気持ちであった。

昏睡状態の泰晴とカナを連れて走って逃げるエメラルド。









「うーん、困ったね。じゃ、こういうのはどうだろう?」

【闇の仕掛マジック天蓋施設てんがいしせつ】地下施設の天井が巨大スポーツ施設やアリーナのようにゆっくりと左右に開き始めた。


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上の階に位置する【謁見の間】が見えてはじめ、四方八十メートル程の空間が開ける。

その壁、天井にはびっしりと魔界の悪魔達が今か今かと、

うめき声を漏らしながら、

顎を外して口を開き、

よだれを垂らし、

冒険者達をじっと見つめている。




悪魔悪魔悪鬼鬼業醜輪豪醜臨悪魔鬼妖怪死霊死体腐乱死体幽霊亡霊亡骸死体死体悪魔羽々悪魔悪魔悪鬼鬼業醜輪豪醜臨悪魔鬼妖怪死霊死体腐乱死体幽霊亡霊亡骸死体死体悪魔羽々悪魔悪魔悪鬼鬼業醜輪豪醜臨悪魔鬼妖怪死霊死体腐乱死体幽霊亡霊亡骸死体死体悪魔羽々

悪     「くそっ…、なんだよこの数…!!!」      悪魔                           悪魔

 魔


魔        悪魔悪魔悪鬼鬼業醜輪豪醜臨悪魔鬼妖怪死霊死体腐乱死体幽霊亡霊亡骸死体死体悪魔羽々                   悪


悪                           魔


魔                           悪

悪      数える事は不可能に近い程の魔物たち…    悪

魔     スーザンは苦笑と脂汗を顔中に広げていた。   魔


悪                        

  

悪魔悪魔悪鬼鬼業醜輪豪醜臨悪魔鬼妖怪死霊死体腐乱死体幽霊亡霊亡骸死体死体悪魔羽々

 悪


魔  悪魔悪魔悪鬼鬼業醜輪豪醜臨悪魔鬼妖怪死霊死体腐乱死体幽霊亡霊亡骸死体死体悪魔羽々                         魔悪                           魔


悪                          魔

悪魔     「派手に阿鼻叫喚といこうじゃないか♢    魔

魔      死線、くぐり抜けてきたんだろう?」     魔


悪                           魔


悪                           魔

悪  悪魔悪魔悪鬼鬼業醜輪豪醜臨悪魔鬼妖怪死霊死体腐乱死体幽霊亡霊亡骸死体死体悪魔羽々悪魔悪魔悪鬼鬼業醜輪豪醜臨悪魔鬼妖怪死霊死体腐乱死体幽霊亡霊亡骸死体死体悪魔羽々羽






パクリカの一言一言に嫌な緊張感が走る。

【魔人パクリカ・レプリカ】の言葉に反応して壁、天井から羽の生えた魔物達が一斉に、

縦横無尽、多勢無勢、有象無象に飛び出し全員を襲い始め亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!亞あギ欺ャギ夜ャっぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!


傷亞あギ欺ャギャ儀っぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

偽畏亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!






「こりゃ笑えんな…、逃げるぞ!!!!!!!!!!!!」

Gashan!!!!!!!!

【攻撃魔法:魔大砲砲丸】殿しんがりを務めていたデューロが広範囲の魔法の遠距離大砲をぶっ放し、そのデューロの判断を聞いて一切の余裕の無い【天穹の祓魔師】達は全員、命からがら追手の魔物を撃ち落としながら出口目掛けて地下施設の階段を登っていく。堊亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!強嗚呼厭亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!!!!傷亞あギ欺ャギャ儀っぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!偽畏亞あ恐ギ欺ャギャっ恐ぎゃあ!!!!ごヴァぎゃい嗚無慈悲呼嗚呼嗚呼いあ!!!!!!!!偽畏亞あギ欺痛ャギャっぎゃあ!!!!亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!!!!!!!!!偽畏亞あギ欺ャギャっ恐ぎゃあ!!!!ごヴァぎゃい嗚呼嗚呼嗚呼いあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!恐怖呪恐怖亞あギ欺ャギ夜ャっぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!堊亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!涙嗚呼厭亞あギ欺強ャギャっぎゃあ!!!!!!!傷亞あギ欺ャギャ儀っぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

偽畏亞あギ欺ャギャっ恐ぎゃあ!!!!ごヴァぎゃい嗚呼嗚呼嗚呼いあ!!!!!!!!亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!!!!!怖痛強!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!亞あギ欺ャギ夜ャっぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

堊亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!嗚呼厭亞あギ欺ャギャっぎゃあ!!!!!!!




砲弾の奥から次次に押し寄せる魔物の波にデューロが飲まれ消えた。




「うぉおおおおあありゃああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

【火炎魔弾】【火炎魔弾】【火炎魔弾】

【火炎魔弾】【火炎魔弾】【火炎魔弾】

【火炎魔弾】【火炎魔弾】尚も追手の魔物を撃ち落としながら走るアルベルト、その火炎魔弾の雨をかいくぐって一匹の魔物がエメラルドの足首に噛みつく。




一瞬の隙、出口目の前で転けるエメラルド、矢継ぎ早に飛来する魔物たち…




「エメラルド!!!!」




スーザンが彼女の手を引っ張る。

最後にアルベルトが出口に立つと彼女達に背を向けた。

出口に突き刺さった大剣から、出口の縁にチラチラと火が燃え移り始めている。




「アルベルト何してんだよ!?」


「いいから先いけよ!

我、火界呪かかいじゅの軌跡の果てに願い申す。風前の灯を前に今一度御身の…」




スーザンが後ろを振り返り叫び尋ねたが、付き合いの浅くない二人は状況をすでに理解していた。

アルベルトは体のあちこちを魔物に噛まれながら印を結び、詠唱を始めている。





「アルベルト!?待っ…」


「じゃ、また後でな!綺麗な年増エルフ!!」

【転移魔法:御別火おべっかの積もり】ニカッとアルベルトは笑った。




手を伸ばしたエメラルドの手が出口を越える前に、消える事のない魔炎の壁がそこにはあった―




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