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プロジェクト:異世界isekÆi  作者: 魔法烏新聞 幽玄会社
第二部 異世界勇者パーティーが全滅した件 後編
36/124

第三十二話 「カチコミじゃあ!!!!」

硬質化させたスライムで、中はまるでウォーターベッド!!

大人気【スRイムジン】!!




   【陰の狙撃手スナイパー ケント・オルカ】




 【 現実的リアリスティック反乱軍アナーキスト 】の人達に会ってから3日間、とにかく基礎的な魔法戦闘の訓練を色々と教わった。

より実戦的に魔力がなくなりかけてる時の戦い方や、アイテムを使う順番、非常時に使える小技なんかは王国では決して教わらなかったことだと思う。



熟練の冒険者が経験から基づいて導き出した答え。

例えば、薬草をいくつか混ぜて水と一緒にボトルに入れておくと薬水としてすぐに使える…とか。

アルコール消毒効果、回復効果、夏場には熱中症対策、その他雑魚モンスター(木に虫系)が忌諱する効果があったりとか。

フェイントや反則技なんかも実戦ではバンバン出るらしい、なにせ相手は魔物モンスターだからなりふり構っちゃいない。



 作戦の内容も、他の【 現実的リアリスティック反乱軍アナーキスト 】のメンバーの能力なんかもある程度は把握した。

俺達は皆Fランクからスタートした新米冒険者に対しビンセントさんとマーカス君はBクラス、

マリアンナちゃんと他三人はCクラス、残り二人もDクラスだ。

ワッキーが何回言っても作戦を覚えないので、なるべく簡単に「敵がアジトから工場の別のアジトに向かうまでに由貴達を奪還できれば俺達の勝ちだ」とだけ言っておいた。



 そして、ついに作戦決行日が来た。

国境にある敵の【 マートファミリー 】がアジトから幌馬車ほろばしゃで移動しだしたと連絡があった。



ーメッセージー

後ろの荷台は黒の布で覆われて中が見えない。

その荷台に例の四人、マントを被されて乗せられている。

他にも何人かの奴隷らしい影アリ

護衛の車は全部で2台、さらにその後ろから【スRィムジン】で蓮大確認



すでに奴等が向かうアジトの位置も、ルートも調べてある。

向こうが気を緩めだす2つの地点の中間で奇襲をかけることになっている。

【 現実的リアリスティック反乱軍アナーキスト 】のメンバーの内他三人と、マリアンナちゃんが護衛の車2台を、

俺、ワッキー、ウーメルで幌馬車ほろばしゃの運転手と由貴達の救出を、

ビンセントさん、マーカス君は最後尾の蓮大って組の若頭を、

それぞれ相手する作戦だ。









緊張で、手が汗に滲む。

俺の狙撃で護衛の車と幌馬車を止められるかが第一の関門だからだ。

向こうに魔法感知能力に長けたやつがいた場合を考慮して、ウーメルやビンセントさん達に最初の足止めを任せれた。

失敗はできない。



てか噂には聞いていたけど、なにあの乗り物…

馬車がでっかい荷台を引いてる方は分かる。どうせナーロッパだし。

けどその隣、二匹のでかいサメがその脇を走って…、泳いでる?

それぞれ二人組が乗っている。

サメの魔物が持つ浮力でリニアカーみたいな原理で走ってるらしいけど…



とにかくライフルのスコープを覗く、

十字に標準を合わせる、

風が凪いでいる、

良い、運はこちらに向いている。

マーカス君によれば奇襲後の戦力差は拮抗している。

だから打ち合わせ通り、慎重を期して距離はおよそ1500メートルまで近づける。










今だ!!

【RUGER M777】ライフルの引き金を引く。









彫魔刻弾に照準補正、万全を期した。

幌馬車の運転手、サメの乗り物に弾は命中し、それぞれの動きを止めた。

慌てて辺りを警戒し始めた組員たち。

全員手練れ、ギルドクラスにしたらDランク位だろうか?

俺やワッキーじゃ多分手も足も出ない…

けど、今回は味方がいる。



俺とワッキーが駆け出すのと同時に【 現実的リアリスティック反乱軍アナーキスト 】達も護衛に飛びかかる。

辺りは一気に乱戦状態になった。

【 現実的リアリスティック反乱軍アナーキスト 】達が最初に護衛を引き付け、その間にウーメル、ワッキーと馬車の荷台の方へ駆け寄る。

少し離れたところでビンセントさんとマーカス君が最後尾の【スRィムジン】に奇襲を仕掛けたであろう爆音が聞こえた。

俺らも素早く荷台のタープをめくって中の天王寺達を助けなきゃ…

作戦では俺達はそのまま攫われた人達と天王寺たちを連れて一時離脱することにってる。



怯えた表情の荷台の人達…

数は五人とさらにマントを深くかぶった天王寺達四人、逃げ切れるだろうか。

とにかく冷静に…、

と彼女らを移動用の馬車を止めてある別の避難地点まで誘導しようとした時、マントのフードを四人が一斉に外した。










「よぉー、勇者様。蓮台様の言う通り俺等を助けに来てくれたのかぁ?」


「へっへっへ、全く…、優しいことでチュわー!」










…!?

しまった、天王寺達じゃない!!!

でも、じゃあ天王寺達はどこに?

今はそんな事考えてる場合じゃない、こいつらこんな当て馬のザコキャラみたいな風体と喋り方してるくせにまぁまぁ強い…

スキル【ステータス表示】の数値に少しビビりながらも奴らを倒すプランを考える。



敵が初っ端から銃を撃ってきたので俺、ウーメル、ワッキーは荷台の横に素早く屈み込み隠れる。

幌で俺達の姿は見えないはず。

それでも彼等は手当たり次第に幌荷台の中から銃を撃ちまくってくる。

低く、姿勢を低く!!!!!

敵が弾を撃ち尽くしてリロードする瞬間がチャンス…

ウーメルが【無線念波テレパス】で合図を指示する。

そしてこのタイミングで俺の新たなスキルが解放された!











【スキル】熱感知:対象の熱量、魔力を視認出来る。障害物、距離等の精度はレベルに作用する。】



行ける!

再び照準を合わせる、3、2、1!!!











【物理魔法:Glocky-24】グロッキー状態を引き起こす銃弾を込め、ハンドガンの引き金を引く。

【一般魔法:一番槍】ウーメルが反対側から槍を一突き。



やった!?










「くそがぁぁぁぁぁぁぁぁぁきぃぃぁぁぁいあいいあ!!!!!!」



まだ居たのかよっ!?

俺が一人撃ち漏らしたのか…くそっ…!!!

敵は日本刀で幌を切り裂きながら飛び出してくる。

そいつと取っ組み合いになりながらゴロゴロと荒野を転がる。

腕っぷしが強い…!!

俺は馬乗りになられ、敵が日本刀を振りかざすのを見ていた。

けれど絶望的な気は全くしてなかった。

すでにワッキーが罠を仕掛けているのが見えていたから。



【特殊魔法:絶対に踏んではいけない地雷】ワッキーが改良に改良を重ねた爆発と感電を伴うトラップ。精神的にもかもしれない。




「「ぎゃぃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!!!!!!!」」


「おお、思った以上に威力高め…」


「ワッキー!!てめぇふざけんな!!!!なんで俺までまとめて爆破しとんじゃい!!!!!」


「悪い悪い…、つい」




コイツは後でぶっ殺す…

とにかく今はそんな事言ってる場合じゃない。

俺は急いで荷台の方へ駆ける。

ウーメルはすでに誘拐されてた彼女たちを解放していた。




「天王寺達は!?」


「わからねぇ!」


「くそっ!おい、お前!俺等の仲間をどこやった!!!」




俺はあえてさっきグロッキー状態にしておいた敵の一人の胸ぐらを掴み揺する。




「へっへ…、あ、あの新しい馬鹿な勇者どもならな…、すでに製造所で薬漬けだ…ひっ、ひっ…、てめぇらも直にそうな―」













ゴッ!!!




男が最後まで言い終わらないうちにウーメルが槍の柄の部分で頭を殴り、男は気絶した。










「えっ、合ってるよな?」


「うん、いやそうなんだけどさ…」(語彙力の無い噛ませ役は喋らせないに限る★)


「…」


「…。」


「………。」


「って、それより!どうする!?天王寺達もう攫われちゃったって!!!!!」


「そうだ!そうだ!!!とにかく、その製薬所に向かおう!」




ウーメルにしては珍しく動揺している。




「けど彼女達は!?」




俺は先ほど荷台から降ろした攫われた人達の方をチラと見る。

まだ他にも敵がいるかも知れない。

そうじゃなくたってこんな荒野に裸足の着の身着のままで放り出すわけには…




「俺に任せとけ!」




ワッキーが言った。なんかキメ顔してやがる。




「お前…、敵のアジトに行きたくないだ―」


「頼む!必ず天王寺達を連れ帰ってくる!」




俺が言い終わらないうちにウーメルがキメ顔でワッキーに返した。




「頼まれた!彼女たちを馬停めてる所まで連れてって一段落したらすぐに追いかける!」




俺もワッキーと目線で会話する。

ウーメルはすでに馬と荷台を切り離している。

ウーメルの後ろに飛び乗って俺達は荒野を敵の製薬所アジトに向かって走り出した。

馬を走らせて少しして、ウーメルが変なことを聞いてきた。




「ケント、なんでそんな一生懸命なんだよ。はっきり言ってこれから敵のアジトに行ったら生きて帰れるかわかんないぜ。

それだけ危険な場所だって、ビンセントたちも言ってたろ?」




ビンセント達は作戦を練る時点で魔片製薬所《敵アジト》に着く前までにケリを着けたいと念を押していた。

敵が待ち構える場所では当然生存率も救出の成功率も格段に下がるから。

それはよくわかる。

少し納得がいかなかったのは、ウーメルが自分は率先してそこに向かってるのにそういう質問を自分にしてきたこと。

でも不思議と出てきた言葉は柔らかくて、本音でもあった。




「俺は浜須賀たち女子軍団の事何にも知らないしさ、半年間特に仲良くもなかった。

正直、どうでもいいと言えばどうでもいい。

なんなら多分転生前の元の世界だったら、あいつらは俺をイジメたりして笑ってたグループに居るやつなんだろうなとすら思う。








でも、俺変わりたいんだ。






異世界にこれて、ようやく今〝変われるチャンス〟が来たって思うんだ。





こいつだから助けるとかじゃなくて、皆助けれる、助けたいって思える、そんな勇者に変われるチャンスが今なんだとしたら、やっぱりこのまま俺だけ知らんぷりはできないじゃん?




打算的でも何でも良い、俺は行くよ、ウーメル。」









「そっか…。

変なこと聞いて悪かったな。」




ウーメルはいつになく真面目な顔でそう言った。




「俺もさ、やっぱりちょっと怖いんだよ。

あの【魔人パクリカ・レプリカ】って奴、めちゃめちゃ強かったし、今の俺らがなんであんなのと戦わなきゃいけないんだって正直思ってる。

だから、余計なこと聞いちまった。ごめん。

かっけぇな、ケント。」




そういう風に真正面から言われるとなんだか照れくさい。




「もういいよ、あんま喋んなよ。舌噛むから。」




ウーメルが「はいよっ!」と手綱を引き締めて馬の速度を上げた。

製薬所《敵アジト》が見えてくる。

装備を確認し、マップの図面を思い出し直す。

確か地上にまず見える古い一軒家が魔法で製薬所を見えなくしてて、ブレーカー的なのを落とすと視認できるようになるらしい。

別に敢えてそれをしなくても家には地下の工場に通じる階段があるらしいけど。

俺達は改めて気を引き締め直した。




「見えてきた。罠があるかもしれないけれど、とにかく突っ切るぞ!」




ウーメルの気合の入った声。

俺も頷く。

フェンスを飛び越え、家の前に馬を待機させる。

警報とか鳴るかなーとかちょっと構えてたけど、家の中の潜入までは意外とすんなり行けた。



古い民家、ネコのおしっこの匂いとかがする。

一階のリビングにはアナログのテレビが置いてあって、よく知らないアニメが放送されている。

それをまじまじと見つめている一人の…、子供?

なんでこんなとこに?

怪しむ俺の脇を素早く横切ってウーメルが素早くその子に駆け寄った。










「こんなとこで何してるの!?危ないから、ここにいちゃだめだぜ!!」


「お兄さん、パパのお友達?」








パパ…?

なんだか嫌な予感がする。




「パパって…、もしかして【魔人パクリカ・レプリカ】の?」




ウーメルがどうしていいかわからない様子で俺の方を見る。

どうしたものか…










『危ないから、ここにいちゃだめだぜ?』








声を聞いてぎょっとした。

そらは間違いなく子供の口から出た音なのに、ウーメルの声と全く同じだった。

能力スキル

けれど俺の【ステータス表示】にも子供の情報は何も表示されない…

どんな人間でも何かしらは表示されるのに…

高レベルでスキル対策をしてるって感じでもなさそうだ…










『危ないから、ここにいちゃだめだぜ?』










子供はもう一度それだけ言うとふかふかのアームチェアから飛び降りてパタパタと何処かへ駆けていく。




「あっ、ちょっ、君!!」




ウーメルが咄嗟に追い掛けたけど、部屋続きのキッチンを覗き込んだ時には子供の姿はなかった…




「とにかく今は由貴達を見つけよう。」




あの子供の事ももちろん気になるけど、とにかく今は元の目的を果たすことが最優先だと思った。

泰晴が敵わないような奴のアジトにいるならなおさらだ。

ウーメルは何か言いたげだったけど、「そうだな。先を急ごう」と言って俺達は地下へ続く階段を降りる。



地下室ベースメントは四方10メートル程の空間、そこに扉がもう一つある。

普段は厳重に閉鎖されているんだろうな、あれ。

分厚い扉は本棚位の厚みがある。

まるでお待ちしてましたと言わんばかりにその扉が今は開いている。



ウーメルと顔を見合わせてその扉の中へ入る。

ガコンッ!

とその扉の先がエレベーターの様に移動し始める。

着いた先に銃を構えた奴等が待ち伏せしてたらどうしようと考えながら緊張感を走らせる。

銃を握る手に尋常じゃないくらい汗をかいているのが分かる。



エレベーターが止まる。

予想に反して誰もいない、良かった…

いくつかのガラス張りの部屋が並ぶ通路を走り抜けて、角を曲がる。さらに階段が続くその手前でその空間に驚愕した。



なんだよ…


ここ…



魔片製薬所、アリーナサイズの巨大な施設が地下にそのまますっぽりある…

ウーメルも同じ気持ちだったみたいで顎を外しそうになっている。

ちらほら見える白衣を着た研究員の様な人達が見たこともない機械をいじりながら、

その空間の中央、馬鹿でかい水晶の隣に鎖に繋がれた天王寺達を見つけた。

【麻痺・混乱】の状態異常がついてる…、毒か!?



ウーメルと目を合わせる。

【ステータス表示】にも目立ってエグい奴はいない。

多分皆非戦闘員、いける!

階段を静かに降りてとにかく水晶の中の天王寺達に助けに来たことを知らせようとした時、後ろから聞き覚えのある声で呼び止められた。












「こんなところまで、さすがだな!」





「キャメル副団長!?どうしてここに!?良かった、そこに天王寺達が居て…」








そこまで言ってウーメルも言葉を止めた。

こんな偶然居合わせるはずがない。

はじめからこの人はそっち側の人間だったんだ…




「どうしたんだ、ウーメル。仲間を見つけたんだろ。早く助けに行ってあげたらどうだ?」




キャメル副団長がひどく嫌な笑みを顔に貼り付けながら言った。

背を向ければ一瞬で真っ二つにされる。

俺とウーメル二人がかりで戦っても勝てる相手じゃない…

万に一つも…

キャメル副団長は飄々《ひょうひょう》とした態度で居るけれど、すでに腰に下げた『聖剣 サンバースト』の柄にはしっかりと手をかけてる。




「ウーメル…、天王寺達を頼んだ。」




チャンスは一瞬…

ウーメルが何かを言う前に俺は火炎放射器をぶっ放した。



【火属性魔法:火炎放射器フレイムソローワー】目の前の通路を覆う火炎を素早く持ち替えた放射器から噴出させる。




「ウーメル!!!!今だ!!!!!!!!走れ!!!!!!」




ウーメルが階段を飛び降り、天王寺達の元まで突っ走る。

後は俺がキャメル副団長をどうにかすればいい。



もちろん、それはそう簡単にいかない事はよく分かってた。

なにせ王国騎士団で2番目に強い人だし…

それはこの王国で二番目に強いということ。

たまに授業を見てもらうときになんかは他の騎士団とは格が違うのも嫌と言うほど見てきた。

けれど、けれど、それはここで皆を見捨てる理由にはならない!



炎の中に【魔法壁】で、まるでダメージのないキャメル副団長が立っている。

まだ剣は抜いていない…

舐められてるのか…、なんにせよ隙だらけ!!!!



【物理魔法:Benewli GHT4 】ポンプアクションで【龍角散弾】を溜め、間髪を入れずに撃ちまくる。







課金アイテム、出血大サービスじゃおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ







【水属性魔法攻撃: 大海原ザ・オーシャン 】ついにキャメル副団長が聖剣【サンバースト】を抜いた。



先程まであった通路一帯を埋め尽くしていた炎があっという間に掻き消える。

そのまま飛ぶ斬撃がこちらに飛んでくる。

くっそ、飛び道具の強みないじゃんっ!!!!!!



【防御魔法:ヨシムラ式ダイヤモンドシールド】目の前に幅一メートル、厚み少し、高さ1メートル半の盾を出現させる。

ワッキーにも教えたお気に入りの防御魔法壁!!!!



そのとっておきはあっさりと3度の斬撃を受けて粉々に砕け散った。

嘘…!?ダイヤモンドなんだがっ!?だがっ!?普通に戦車の砲弾とかでも受け止めれるんだがっ!?!?!?










けど一々嘆いてる暇はない。

ウーメルはすでに天王寺達の所までたどり着いてる。

俺は最大火力を持つ銃を取り出す。

あっ、俺の武器は魔法空間から出し入れ可能な物もある。そういえば、自慢し忘れてた。



【物理魔法:Killtrch KSG 12】パンプアクションで素早く打ち込みながら少しずつ後退していく。



出口はここだけだ、なんとかキャメル副団長をここから移動させないと。

向こうもそれはわかってるだろうけど、これだけの巨大施設で俺が辺り構わず銃器をぶっ放しにかかったら流石に焦って隙を見せるはず…

はず…



【召喚魔法: 黒犬ブラックドッグ 】キャメル副団長の剣からいくつもの黒い犬、魔獣が飛び出してくる。



やばい、あの様相。多分俺の着てる防護服位は突き刺せる牙を持ってる。

焦って研究施設のなんか機械を死角にそれらを一匹ずつ撃ち抜いていく。

もちろん、隙あらばキャメル副団長を狙い撃つ

いいぞ!順調にキャメル副団長は階段を降りてきてる!







「面倒になってきたな。本気出すか。」







キャメル副団長がなんかすっごい嫌なセリフを吐いた。

気づかなかった。

気づいた時にはもう遅かった。



【物理魔法:ハートブレイカー】真後ろにキャメル副団長がいて、目に見えぬ速度で突きが心臓目掛けてやってくる…




「中々多才にやれるようになったじゃないかケント!どうやら一皮むけたみたいで上司の俺はうれしいよ!」




くっそ…、避けきれ…



俺に攻撃を繰り出していたキャメル副団長に、ようやく少しの隙が生まれたってのに…

結局カッコいいところは見せらんなさそうだ…

この製薬所に居た【八期生】は俺だけじゃなかったし。

さっき【ステータス表示】を使った時に見覚えのある、頼りがいのある仲間がいたのを見つけた。

その仲間が言った。




「あんたもう上司じゃないだろ?」




【砂属性魔法:砂中偶語さちゅうぐうご惨砂鉄剣ざんさてっけん】泰晴が油断しているキャメル副団長の死角から、その剣を振った。









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