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プロジェクト:異世界isekÆi  作者: 魔法烏新聞 幽玄会社
第二部 異世界勇者パーティーが全滅した件 前編
22/124

第二十話 卒業試験2 Bチーム 危機一髪

〚マップ:ラビュリントス遺跡〛にて【コカトリス 白亜合成種】に遭遇したBチームの天王寺、ガネリオ、ジェシー、ケント―




    【大食い女戦士 ジェシー・ウィンストン】




閃光フラッシュ】天王寺が目くらましの魔法を放つ。これは後衛の準備が出来た合図でもある。特殊ゴーグルをしてるケントにはこの光は関係ない。

【タイガー12 SBS】SBS(SショートBバレルSショットガン)の略、すぐに構えやすいこれに【彫魔刻弾】で【麻痺属性】を付与しながらケントが撃ちまくる。



コカトリスが早速暴れ回る。


あの大蛇の尾が厄介だな…、何匹か目が眩んでないやつがいる…


てか、なんかこのコカトリスもう瀕死じゃね?



【火属性魔法:ファイアボルテックスリング】ガネリオさんが振る錫杖から火の輪を幾つもコカトリスに飛び出していく

【KSG-12】ケントが素早く【龍角散弾】を装填し、ポンプアクションをガシャンっと鳴らすとガネリオさんに続いた

【火属性魔法:エディブル・イビル・オードブル】2人の攻撃に怯んだコカトリスをグリルチキンにしようと私はミートハンマーを打ち込んだ!


【闇属性魔法:鳥獣戯画】コカトリスが翼仰いで、滞空しながら羽根を広範囲に渡ってナイフのように飛ばす


【一般魔法:魔法壁】すかさず由貴が私達全員分を魔法の壁で覆った



皆でダメ押しでとりあえずダメージ重視の技を使いまくっても【コカトリス】が倒れる様子はない…


不味いな、私もそろそろ魔力が…


どうなってんだこのモンスター…


っと、危ねっ!!



【闇属性魔法:鳥獣戯画】コカトリスがまた羽根をナイフみたいに辺りに飛ばしてくる。広範囲で厄介だ…



まだ反撃出来る力有り余ってんのかよ…


てかケントはさっきからどうした?


全然弾撃ってねぇじゃん!




「おい!ケント!!ふざけんな!早く改造弾だかなんだか知んねぇけど撃ち込めよ!!!!」


「彫魔刻弾だよ!!うるせぇな!!!あれはもう使い切ったんだよっ!!」


「弾切れかよー?!?情けねぇ!!!まだコカトリスピンピンしてんだぞ!!」


「知らねぇよ!!こっちが聞きてぇわ!!!お前こそさっきから全然攻撃打ち込めてねーじゃん!!バテてんじゃねぇよ!!」




ケントのやつ…、うるせぇな…


今戦ってる場所は吹き抜けに近い天井の高い場所、薄暗く、壁の近くには柱がある。


ただでさえ松明たいまつの灯りがなかったら暗くて見通しの悪い場所、柱の陰に私達四人は隠れながらヒットアンドアウェイを繰り返してるけど、それももう向こうに読み切られてきてる感がある。


二階には一階フロアが見下ろせるキャットウォークがある。


そこまで行って、脳天に溜め攻撃を食らわせれば麻痺を狙えるかもしれない…


私が敵の隙を見て階段付近に駆け出そうとしたその時、目の前には二匹の大蛇が待ち構えていた…


まずっ…!!



【一般魔法:魔法壁】由貴が私を大蛇の素早い噛みつきから守ってくれた



「油断しない!」


「由貴!助かった!!」


「脳天を狙う!援護頼んだ!」


由貴が【魔法壁】でカバーをしてくれるので、大蛇の尾をフル無視して二階へ駆け出す。




「任された!」


「ケントお前には言ってねぇよ!!!!」


「ジェシー!!案がある!合わせろ!!」




合わせろっつったって…、まぁガネリオさんが言うんだ、なんか策があんだろうな




「天王寺!そろそろメインディッシュの時間だ!」


「いや、こんなん食えへんわ!!!」


「そう言うな!安心しろ!うちのチームには育ち盛りがいる!」


「デザートもちゃんと用意してくれんねやろうなぁ!!!!!」


「まぁそう慌てるな!!!合図したら胸を狙え!!!!」




あの二人マジで仲いいな…


ちょっと羨ましい



【闇属性魔法:鳥獣戯画】コカトリスが羽を大きく広げて先程の羽根のナイフを全方位に巻き散らそうとする。



「今だ!!」



ガネリオさんが叫んだ。



【物理攻撃:杯盤水銀狼藉はいばんすいぎんろうぜき】「ほないくで!!!」と天王寺が脚につけたホルスターから幾つものカトラリーナイフをコカトリスに投げつける。


【雷属性魔法:テーザーライトニング】ムネ肉に刺さったナイフが避雷針になるようにガネリオは魔法の雷を放った。




愚ぐ欺ャァァァァァァァァァアギカギカギガギギガギギカギガギ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




「鳥はその体の構造上大胸筋を使って羽を下ろす、テーザーがそこに直で効けばさっきの厄介な技は使えないだろう!!!

後は頼んだぞジェシー!!!!

ハンマーを振り子の原理で加速度を付けて顎にクリーンヒットさせろ!!」




…いや、注文むずすぎ



【支援魔法:食い溜め】私はありったけのスナックを走りながら食べ尽くす。最近のオススメはやっぱりソフト食感オレオだな

【火炎・氷属性魔法:ロースト・フロースト・バースト】私は戦鎚ミートハンマーにさらに魔力を溜めガネリオさんな言われたとおりに顎目掛けて振り下ろす!



「喰らいやがれぇぇぇ!!!」




ぐ愚煮ょょにににょゃょゃゃニニニニニニ逃逃ニニニニニニ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




見切られたっ!??


てかなんだよあの動き!?!?


コカトリスの首が3メートルほど、ぐにんと伸びた。


しまった…、重力落下で軌道を変えられない…!!


確か由貴が言うには物体の重さは落下速度には関係なかったはず…


てことは首をUターンさせて私の腹を一突きしようとしてるコカトリスの一撃を避けれないのは私のせいじゃないわけだ…


ってそんな事言ってる場合じゃねぇな…、



「ジェシー!!!!」



わりぃ、ガネリオぱいせん


しくったー…





【特殊魔法:スクランブル】


私の眼の前までコカトリスのくちばしが来たとき、コカトリスの首が曲がっちゃいけない方向に90℃、立て続けに何度も回転して曲がった。


【毒属性魔法:エト・モルヒネ】


天井から翡翠の細い管が何本も伸びてきてコカトリスにぶっ刺さる。


動きが止まり、そのまま泡を吹いて倒れるコカトリス。










     【猛進の僧侶 ガネリオ】




何が起こった…?


ジェシーが眼の前で腹を一突きされそうになっているのを慌てて防ごうと杖を振ったはずだ。


勿論間に合わない事は自分の魔法発動までの時間が他の奴らに比べて長いからよく分かっていた。


だが、今ジェシーはなぜかキャットウォークの位置に戻って、やはり俺と同じ様にキョトンとしている。


魔法…?




「ごめんね、悪いけれどコイツは僕らが貰ってくよ。」


「いや、てか横取りされるところだったろ?」


「そもそも取り逃したの僕らだけど?」




誰だ?


天井付近に二人分の人影が見えるが、場所が暗くて顔までは見えない。




キ゛ョ゛拒ゃぁぁぁぁいあ亞亞亞亞嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あ




首を捻っちゃいけない方向に捻られたコカトリスが奇声を叫び上げ、再び羽根のナイフを撒き散らそうとした。


俺が反応するよりも早く、目の前に白い魔導服に身を包まれた男がいる。


さっきの声の主だろう。


手には…、あれはルービックキューブか…


魔導具の一種なんだろうが…


彼は片手でルービックキューブをカシャカシャと器用に回転させている。


回転させる事にコカトリスの体は毎回ゴキゴキと骨が粉砕骨折したような音を立ててありえない方向に曲がっていく。


なんだ、この魔法は…


デタラメじゃないか…


満足したように白い魔導ローブの男は一息つくとフードを取った。


泰晴達と同じくらいの年のまだ若い子供だった。


隣にはもう一人、白とは対照的な黒の魔導服に身を包んだ男が現れる、


手に病院で点滴を打つ際に使われるゲートルをまるで杖のように持ちながら。




「マリアンナがここにものすごい勢いで向かってくる騎士団が居るってさ」




白の魔導ローブの男が言った。


水色の髪、色素の薄い肌、少年の顔立ち、どこの世界にも大人を圧倒させる程の素質を持った子供はいるものだな…




「どうせ副団長だろ、急いで例の細胞探すぞ」


「はいはい。」




副団長のことを知っている?


それに細胞ってなんだ?




「おい、君たち、助けてくれてありがとう。礼を言う。キャメル副団長のことを知っているのか?」




黒魔導服の方は俺の問いかけに一瞥もくれず黙々と杖を地雷除去装置の様に使いコカトリスの体をくまなく調べている。




「どういたしまして!僕はマーカス!で、こっちはビンセント!知ってるもなにも、割と付き合い長いよ、ね?」




白魔導ローブのマーカスと名乗った少年がもう一人の黒魔導服の方を向く。


だが黒魔導服の方は一切反応する様子はない。




「ごめん、彼無愛想だから…」




少年はあどけない笑みでそう謝った。




「おい、マーカス、この辺りだ。」




ゲートルの杖の先を光らせたビンセントと呼ばれている黒魔導服の男がそう言った。


天王寺、ジェシー、ケントはまるでなんのことやらわからないで口をぽかんとさせている。




「はいはい。」




白魔導ローブの少年は彼に近づきルービックキューブを何度か回転させ、コカトリスの肉片を立方体状に取り除くと魔法で何処かへ消した。


あれは…、転移魔法陣か?




「さて、副団長さんが来ると色々と面倒だから僕らはこれで失礼するね。」




マーカス少年がそう言うと天王寺はちょっと待ってという風に口を開きかける。


確かに助けてもらったのもそうだが、彼等は俺たちがこれまで会ってきた中で副団長を除いてトップクラスに強い。


泰晴ですら、二人がかりで相手されればもしかしたら…


ケントが恐らくステータスを覗き見ているその表情がこの二人のそれだけの実力を物語っている。




「おい、お前等。言っとくけどあんまり王国に首を突っ込みすぎるなよ。」




俺が呼び止めようとした時、黒魔導服がそう口を開いた。


何のことだろうか?


もしかしてこの前の地下牢の…、いや何かもっと重大なことを伝えようとしている感じがある。




「それはどういう―」




俺が引き留める言葉を出し切る前にマーカス少年がルービックキューブをカシャカシャと再び回し、二人は何処かへ消えた。













天王寺由貴の技名を書き直しました!2024/12/30

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