『想念』ー化物(コノヨナラザルモノ)。
【レベル0──。】
──この世を漂う生き霊や死者の魂。未浄化霊ではあるが、実質的な被害は小さく少ない。
しかしながら、未練や後悔など『想い』が強いと『霊障』といった形で、しばしば実質的な被害を生むこともあり、かつての浄霊師たちはその供養とあの世へと送る仕事を生業としていた。
浄霊。祈祷。お祓いの基本となる対象。
【レベル1──。】
『廃墟』など『想念』の溜まり場となる場所で長時間、物質世界に留まり続けた結果、次第に増幅し黒い塊のような集合体となった彼らは『霊道』と呼ばれる二次元世界──『あの世』へと生者の魂を導き入れる『次元の架け橋』を生み出すようになる。
しかし、それは、自然の摂理における浄化作用ともみなされ近づきさえしなければ甚大な被害に及ばないため、浄霊師の人員確保の難しさもあって問題視されず放置され経過観察されて来た。
稀に、大きくなりすぎると『呪い』と呼ばれる事象が多数発生するため、浄霊師が派遣され駆除及び掃除に当たる。
尚、『廃墟』そのものを撤去し自然へと還すことが望ましいが、費用面もありイタチごっことなっている。
【レベル2──。】
個体化あるいは複合融合化した『化物』が黒い影のようにして現れるようになる。
一部物質化あるいは、物質そのものを操れる力を有する者もあり、浄霊師ならずとも一般人の目で可視化出来るほど『想念』の濃度が圧縮化されている。
古来より妖魔と呼ばれ伝承に記録され始めるのは、この類である。
個体による『想い』に左右され、害をなさない者から人間社会に影響を及ぼす者まで様々である。
かつて、芸術家としてそれらを本にして描写した者がいるが侮れず、酷似した者が跋扈し過去世から現代における見聞録でも、歴史資料博物館等で垣間見ることが出来る。
【レベル3──。】
物質世界(三次元)において二次元世界『想念』から創生された彼らは、姿カタチを伴い、この世に跋扈し始める。
各々に想い描いた姿をカタチ取り物質世界へと当然のように干渉出来る。
逆に、そのことから物理的攻撃手段が有効になり得るが『次元創生』の『テクノロジー』の粋を集めた者か、浄霊師でないと、その魂を完全に消滅へと至らしめることが出来ない。
肉体は消滅しても、魂は崩壊していない為、損壊した死体あるいは機械化兵及び完全機械人間兵の遺骸にさえ憑依することが出来、ゾンビ化する。
『次元創生』の最先端技術──再構築を応用搭載された『宙野美羽』とは違い、原初的な『想念』そのものには、生み出す力はあっても再生復元させる力は無いため、肉体は再生されない。
各国の思想において、悪魔、天使、神仏、鬼、妖怪──、様々な形態を有し『自我』の萌芽のような個性が感じ取れるが、意思疎通を図ることは難しい。
【レベル4──。】
人間と同じく自由意思である『自我』と個性を獲得しており、人間と意思疎通を図ることが出来る。
人類の敵だけではなく、味方と総称される個体が確認されており人類の標的から外され考慮される者たちさえもいる。
気が合えば協力的にもなるが、必ずしもそうはならないため断定出来ず、度々、首脳会談で議題に挙げられる。
戦闘力は、身体機能向上した日本の6Xー1000cz部隊、美少女戦士ズと互角に闘うことが出来る。
『想念(レベル4──。)』は暗いものばかりでなく、人の魂の生み出した人間的な優しさとも言える光の部分にも触れることが出来、殲滅対象としては、グレーゾーンである。
また、レベル3とは異なり、レベル4は『自我』を獲得していることから『想念』の強さである『魂』が強化されたことにより、再起不能の状態にしても48時間以内に肉体を焼却しないと、レベル3では復元されなかった肉体が再生復元され、元の状態へと復活する。
【レベル5~6──。】
地球外星捕食生命体と呼ばれる星喰いの存在へと巨大進化を遂げた『想念』の異形と、かつて日本のアニメ文化から誕生した『魔王』と呼ばれる個体自由意思を持つ存在とに分類される。
能力的にここに位置づけられる黒薙焰は、アニメには興味が無く、なんとなく頭を抱えており調子が狂う様子。
人の意識に類似する思想を留める者は、人の姿を留めている。
地球外星捕食生命体は、巨大化して各大陸海洋に点在しており、核の使用が議論されるほど、殲滅は容易ではない。
核使用の対象は、黒薙焰始め、各『魔王』にも適用は承認されるが、倫理的観点から未だ使用には踏み切られていない。
人類側の希望としては、巨人機体──巨神光霊が挙げられるが、未だに動かせる者がおらず、地球の命運そのものが危ぶまれている。