表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/25

魔の海域

翌朝、キルケと侍女たちは、オデュッセウスたちの船を見送った。

キルケは少し腰を押さえていた。

侍女:「キルケ様どうかされましたか?」

キルケ:「い、いや大したことはない・・・ハハハ」

キルケの顔はちょっとひきつっていた。


キルケ:(オデュッセウスのやつ最後だと思って激しくやりおって・・・)

この時出来た子供がテレゴノス(遠くで生まれた者)

正妻ペネロペとの子供がテレマコス(遠くで戦う者)

時の泉に入ったのがラティヌスになります。


キルケの島を出港したオデュッセウス一行はセイレーンがいる島に近づいていた。

オデュッセウス:「お前たち、耳栓の準備をしろ、それと俺をマストに縛り付けてくれ!」

エウリュコロス:「おいおい、オデュッセウス気でも狂っちまったのか?」

オデュッセウス:「俺はセイレーンの歌声が聞きたいんだよ!」

エウリュコロス:「お前の気がしれんよ、どうなっても知らんからな!」

エウリュコロスはオデュッセウスに念をおしてマストに縛りつけた。


エウリュコロス:「いいか!これからセイレーンの島を抜けるまで、俺が船長だ!」

オデュッセウス:「セイレーンの島を抜けるまでだからな!」

エウリュコロス:「わかってる!」

エウリュコロスはオデュッセウスを睨み付け黙れと言わんばかりに叫んだ。


エウリュコロス:「絶対にオデュッセウスの言うことに耳を貸すな!」

オデュッセウス:「まぁこれから耳栓するからそもそも聞こえんがな」

エウリュコロスはチラリとオデュッセウスを睨み付けた。

オデュッセウス:「あとは任せた船長殿」


エウリュコロス:「それでは、全員耳栓装着!」

全員が耳栓をつけると、後は身ぶり手振りで指示を出していった。


セイレーンの島に近づくと、かすかに歌声が聞こえだし

オデュッセウスはフンフンと楽しそうに歌に耳をすます。

オデュッセウス:「全員!島に向かって進め!」

部下は全員無視してオールをこぎ続ける。


オデュッセウス:「なにをしてるんだ!島に進むんだ!」

エウリュコロスもオデュッセウスが何か叫んでいるとはわかっていたが、

あえて相手にはしなかった。


オデュッセウスが叫び続けて、ぐったりなった頃。

セイレーンの島を抜けたんだなと、オデュッセウスをマストから解放し耳栓をはずした。


オデュッセウスが気がつくと、エウリュコロスが言った。

エウリュコロス:「随分、楽しそうだったな。知らんけど」

オデュッセウス:「俺もよく覚えちゃいない」と肩をすくめて手のひらを天井に向けた。


エウリュコロス:「で、次はどっちへ行くんだ?」

オデュッセウス:「次はスキュラの方に行くことになっている」

エウリュコロス:「話によれば数名犠牲者がでるはずだが・・・」

オデュッセウス:「なんとかなるかもしれん」

そういってオデュッセウスはキルケから受け取った小瓶を見せた。


スキュラの海域に来ると、海面から1匹の犬が飛びかかってきた。

その犬を避ける部下、犬の胴体は蛇のように長く、その先は同じような犬蛇が6体集まり、

上半身は美しい女性の姿をしていた。


オデュッセウス:「あれがスキュラか!!」

オデュッセウスは小瓶を掲げ叫んだ

オデュッセウス:「まってくれ、お前を元の姿に戻してやる!」

そういって、オデュッセウスは小瓶の蓋を開け海へ海へ垂らした。


キラキラと海面が光輝き、スキュラの犬蛇が消えていく。

スキュラはしばらくオデュッセウスを見つめると、海の中へ消えていった。


エウリュコロス:「あれが本来の姿だったのか・・・」

オデュッセウス:「きれいなニンフだったんだな」


一段落ついたオデュッセウス一行は、イタリア南岸にあるトリナキエ島で休むことにした。

この島は太陽神ヘリオスが家畜を飼っている島である。

オデュッセウス:「この島は明日には出発する。それとくれぐれも家畜に手を出すな」

オデュッセウスは部下に念をおし休んだ。


翌朝、嵐がやって来た。

この嵐というのがなかなか止まず、一ヶ月ちかく足止めをくらう。

エウリュコロス:「こりゃどうなってるんだオデュッセウス」

オデュッセウス:「俺もどうしていいかわからんよ」

エウリュコロス:「それと、食料が無くなってきている、部下たちもイライラしているぞ」

オデュッセウス:「・・・・・・絶対に家畜には手を出すなよ」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ