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魔女の屋敷

目を潰されたポリュペモスは叫んだ。

ポリュペモス:「畜生!オデュッセウス!許さんぞ!」

その声を聞き付けたのはポリュペモスの父海神ポセイドンだった。


ポセイドンは嵐をおこしオデュッセウスの航海を妨害した。


嵐に巻き込まれたオデュッセウスの船は浮島アイオリア島に漂着。

そこには風神アイオロスが住んでいました。

アイオロスはオデュッセウスを歓迎し西風ゼビュロスを詰めた革袋を渡しました。


風神アイオロス:「これでイタケに帰れますよ」

オデュッセウス:「有り難うございます。アイオロス様」


オデュッセウスは、風神アイオロスからもらった革袋を船に積みこんだ。

西風ゼビュロスの風にのって船はグイグイ進み、故国イタケに近づいた。

オデュッセウス:「もうすぐ故国イタケだ、降りる準備をしておけ」

オデュッセウスは部下に荷物をまとめるように指示を出した。

部下たちは戦利品や財宝を分けはじめた。


部下:「この袋はなんだ?」

部下がその袋を開けると、勢いよく逆風が吹きはじめた。


船は故国イタケから遠ざかり、元の浮島アイオリア島まで戻ってきてしまった。

オデュッセウスは風神アイオロスにかけあうがアイオロスは眉をひそめた。


オデュッセウス:「部下が逆風の袋を開けてしまいまして・・・」

風神アイオロス:「お前たちは神々の怒りを受けている、早々に立ち去るがよい」


風の力を失い自ら船を漕ぐ部下たちを休ませるためにオデュッセウスは近くの島に寄港します。

その島の入り江は狭く、なかなか入り江の内側に入れません。

部下の船は入り江の中に繋げましたが、

オデュッセウスだけは入り江の外側に船を繋げ上陸しました。


部下たちが水や食料を調達していると夜がやってきます。

部下:「早く船に戻ろう」

慌てて、船に戻ると、また明るくなってきました。

太陽を探しても、厚いモヤがかかったようで何処にあるのかわかりません。

他の部下たちも甲板に出て回りを見渡しています。


すると巨大な手のひらが現れ次々と部下たちを捕まえていきました。

部下たちの悲鳴と共に空から雨が降り出し、

空を見上げると、山のような巨人たちに取り囲まれていました。

そして、その雨は部下たちの血の雨でした。


一斉に逃げ出す部下たちでしたが、狭い入り江で船がつっかえてなかなか出られません。

船は次々と壊され船団は全滅、残ったのは入り江の外に繋いでいたオデュッセウスの船だけでした。


多くの部下を失ったオデュッセウスは失意のなかイタリア西海岸にあるアイアイエ島に立ち寄ります。

疲労困憊していたオデュッセウス一行は二日二晩眠りについたあと島を探索する事にしました。

オデュッセウスは部下を2チームに分け、片方のリーダーをエウリュコロスにして島の探索にいかせます。


高台に登ったエウリュコロスは煙が昇っている場所を見つけその場所へ向かいました。

その場所には、狼やライオンなど猛獣がうろついていましたが人懐っこく、屋敷の中から

女性の歌声が聞こえてきました。

部下たちはその歌に引き寄せられ、屋敷の中へ入っていきます。

不審に思ったエウリュコロスは外に残り中の様子を覗いていました。


女はとても美しい女性で、部下たちに食事を振る舞いました。

チーズやハチミツなどのご馳走に覗いているエウリュコロスも喉をならしましたが、

部下たちが一口二口と食べたあと、女が手にしていた杖で床を2度叩くと、

部下たちは豚の姿に変わりました。


驚いたエウリュコロスは、慌ててオデュッセウスのもとへ逃げ帰ります。

エウリュコロス:「この島もヤバイ、いますぐ船を出そう」

オデュッセウス:「ほかの者はどうした?」

エウリュコロス:「ありゃダメだ」と首を振ってことの顛末を話した。


オデュッセウスは悩んだあげく、部下の残しては行けないと女の屋敷へと向かった。

エウリュコロス:「俺はいかないぞ!」

オデュッセウス:「お前たちはそこで待ってろ!」


オデュッセウスはどうしたものかと思いながら屋敷に向かっていると

一人の旅人がオデュッセウスの前にあらわれる。

オデュッセウス:「あなたは・・・」

旅人は、旅行用の小さなマントに翼のあるサンダルに翼のある帽子を身に付け、

手には2匹の蛇が絡まった杖を持っている。

旅人:「オデュッセウス、お前がこれから向かおうとしている場所はキルケという魔女の屋敷だ」

オデュッセウス:(この方は伝令神ヘルメス様だ)

オデュッセウスは旅人に深々と頭を下げる。


旅人:「この薬を飲めば魔女キルケの術は無効になる」

旅人はオデュッセウスに小さな瓶を渡した。


旅人:「キルケが妙な動きをしたら剣を抜いて脅せ、そうすれば許しを乞い寝屋に誘うだろう。」

オデュッセウス:「・・・夜を共にしても大丈夫なのですか?」

旅人:「寝てもよいが、もう悪巧みはしないと誓わせてからにしろ、そうでないと精気を奪われるぞ」

そう言うと旅人は煙のように消えていった。


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