鳥取の女子高生
普段はハイファンタジーを書いてるのですがそれだけだと残酷成分過多で死んでしまうので、息抜き用で女子高生三人のお話です。完全に気分で書くので更新は不定期です
鳥取県、とある高校。今日も授業終了の鐘が鳴る。
夏の騒がしさも終わり、所々で葉が色つき始める季節。そんな季節の変わり目をまだ気にしない年頃の高校生たちは道を歩む。
――高校生、それは青春という名の人生最大の輝きを放つ瞬間を生きている無限の可能性。
ある者は部活に、ある者は勉学に、またある物は友との友情に三年間を捧げる。どれほど苦難が待っていようと基本は楽しい。放課後にファストフード店で時間を潰す何気ない時間が後々宝物になる。
ここに二人の女子高生がいる。二人は部活をすることもなく、真っ直ぐ家に帰る。ただ妙なのはいくら歩いても一向に別れようとはせず、ずっと同じ道を進む。家が近所という訳でなく、同じ家に二人一緒に入っていった。友達の家で遊ぶのだろうか。
確かに遊ぶのは遊ぶ。ゲームで遊ぶ。高校生らしい事ではあるが、何か様子が違う。部屋につくやいなやPCで何かを操作、ヘッドフォン、マイクの準備。部屋には無数のコードが乱雑に置かれている。
「そろそろこの部屋も掃除しなきゃなー」
散らかった部屋を見て嫌な顔する金髪少女、田中紅葉はPC周辺機にかかっている埃を息で吹き飛ばす。
「も〜一番汚くしてるのはもみちゃんなんだからね〜」
若干不良寄りな見た目の紅葉に物怖じする事なくふわふわした声色で叱りつける少女、的場美優。
「みゆだってこの前部屋に自分で持ち込んだ腐向け抱き枕汚くしてるじゃないか」
「あれは抱いてれば汚くなるものなのー! それにもみちゃんと違ってちゃんと洗ってるし」
二人は痴話喧嘩をしながらも何かの準備を進めている。紅葉はマイクにあーあー語りかけマイクテスト、みゆは接続するケーブルを確認している。その部屋に大きな足音を立てて近づいてくる者が。その足音を聞き、二人は奴が来たと察する。その者は遠慮なく力いっぱい扉を開いて部屋に入ってきた。
「もう準備できた? おっけ?」
走ってきたのか彼女は息が荒い。
「静かに開けろって言ってんだろ、いつか扉吹き飛ぶぞ」
「大丈夫だって。あたしそんな力ないし」
「元柔道重量級女王が何言ってんだか」
「もう引退して一年だから筋肉落ちてるって」
「はいはい、おら宇佐美も切り替えろ。始めるぞ」
紅葉に宇佐美と呼ばれた少女、滝川宇佐美は喉の調整をしながら椅子に座る。
「どしーん」
「みゆちゃん効果音つけないで」
「こふーこふー」
「おいこら紅葉、豚の呼吸みたいな効果音つけんなや」
宇佐美はカメラとマイクを装着、そして今日のゲームの電源を入れた。
「今日はなんだっけ」
紅葉は今日のゲームを確認する。
「今日はネットで見つけたバカ乙女ゲーでーす」
宇佐美はそのパッケージを堂々と見せつける。
今日のゲーム『タコに転生してしまったけど幼馴染との結婚の約束を果たすまで死ねない件』
――これは、高校の放課後をゲーム実況に捧げた三人の女子高生の物語。
♢
ここでJK三人を五行で大雑把に紹介するのコーナー。
・的場美優(実況ネーム:みゆゆ)
パワー系ゆるふわ愛され系実況者。ごりごり腐女子。
得意ゲーム「FPS」
そのふわふわ声で超テクFPSを見せるギャップ。
視聴者から付いたあだ名「みゆゆん」
・田中紅葉(実況ネーム:くれは)
下ネタノリノリ系実況者。金髪に染めてるが不良ではない。
得意ゲーム「バカゲー」「ソシャゲ」
生放送で放送禁止用語連発、炎上経験多数。
視聴者から付いたあだ名「くれぱぁ」
・滝川宇佐美(実況ネーム:デカみん)
女性ゲーム実況者界最強の女。柔道重量級の女王。
得意ゲーム「格ゲー」「絶叫系ホラー」
自他共に認めるデブ。デブを武器に数々の笑いを取る女。
付いたあだ名「高 見 盛」「カズレーザーじゃない方」「アブドーラ・ザ・ブッチャーの擬人化」「いきなりステーキ(物理)」「振分親方」「小錦」「鳥取のリーサルウェポン」「相撲の白鵬、ゲームのデカみん」「鳥取砂丘ができた理由」「魔人ブウ」
三人合わせてゲーム実況チャンネル『とりとりJK』チャンネル登録者数7.8万人。今日も動画を待っている視聴者のためにゲームを実況します。
次から実況しまーす