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現実

「ん?ふぁ〜、...朝か」

枕元の時計を見てみると長針は12を短針は5を指している。昨日寝たのが23時だったのだでたった6時間しかならなかったようだ。ふっと横を見てみると、気持ちそうに寝ている明菜がいた。

(そう言えば、昨日の夜俺、こいつに告白したんだっけ...これからどう接していけばいいんだろうか)

そう悩んでいること1時間、明菜がふっと起き始めた。


「お、おはよう...」

「ん?お〜海斗おはよう〜」

(ん?こいつまだ寝ぼけてるのか?)

明菜は、昨日のことは全部忘れてるかのように俺に話しかけてきた。

「お、おい明菜?昨日のこと覚えてるか?」

「ん?昨日?あー!」

明菜は、なにか大事なことを思い出したかのように跳ね上がった。

(ようやく思い出したか...)

「海斗と夜を過ごせたのに何もしなかった〜!」


は?は?は?は?は?


「いや、お前昨日俺がお前に言ったこと覚えてないのか?」

「昨日?なんか言ったっけ?」

「...」

「...どしたの?」

その時、俺は全てを理解した。人間というものは、実にけしからんものだ。

「...海斗?」


「夢!だ!っ!た!の!か〜!」


人は自らが思うことが100%できる訳では無い。改めてそれを思い知らされた、ような気がした。


俺は朝日 海斗。なんの変哲のない普通の高校3年生。訳あって今年の夏は4人の少女たちと暮らすことになり、今沖縄旅行をしているところだ。初日は、素晴らしい勢いでずっこけたのだった。


あの告白が夢オチだったことを知って、少し残念な気持ちになりながらも、俺含め5人でホテルの朝食を食べていた。味はもちろんよかったが、なんとなく旨味の中に複雑な苦味が入っているような気がしてならなかった。

「どうしたのお兄ちゃん?どこか具合でも悪いの?」

「別に…どうってことないよ。…物理的にはな」

そう、精神的におかしいだけで、体は何も異変はない。もしこれが恋ならば、恋というものは、実に難しく、場合によっては一生心に残るものであると俺は思った。

「夢というものは…もっと楽しいものだろーがーーー!」

「…お兄ちゃん、やっぱりなんか変なものでも食べた?」

「咲ちゃんに同感です」

「だいじょうぶですか?」

「なんだか今日の海斗、朝から調子がおかしいんだよね〜」

「…本当に…なんでも無いから(涙」

その場から今すぐ消えたいと思えるぐらい内心ものすごく恥ずかしかった。それがみんなにバレていないことが唯一の救いだった。俺は “こいつらはどれだけ鈍感なんだろう” と思っていたが、自分も4人から少なくとも恋愛感情を持たれていることに気付いていないことと比べてみれば、同じようなものだとその時知る由もなかった。


〜1時間後〜


「これからどうしようね?」

咲がみんなに問いかけた。

「昨日はいっぱい遊んだから、今日は色々買い物したりしない?」

明菜が真面目な話をしだしたので少し戸惑ったが、いい案だと思った。初日の昨日は、ホテルに荷物を置いたら、あのボ◯トよりも速いんじゃないかと思うぐらいの速さで明菜と咲が海に向かったので、仕方がなく俺も残りの2人を連れて海で遊んでしまったからだ。

「遊んだ原因はお前にあるからな?」

「だって仕方ないじゃん。目の前に好きな人がいたら飛んで行きたいと思うでしょ?それと同じだよ!」

「いや、言ってる意味よくわかんねーし!しかも例えにしては説得力皆無だし」

「まあまあ、いいじゃん。んでどうすんの?」

と、そうこうしているうちに長い時間が過ぎ、時間では約2時間は経っていた。俺は数学が得意なので、いろいろな参考書や問題集を解くのが趣味になっている。なので俺は開始30分で飽きたので、問題を解いていた。感覚では30分しか経ってないように感じたが、時間の流れというものは複雑なものだ。


「海斗〜…って、うわっ!また呪文解いてんの?」

明菜は、勉強が苦手で特に数学が苦手。まさにギャルって感じだ。テストの順位も下から数えたほうが100%早いらしい。しかし、保体だけは中学の頃から100点しかとったことがないそうだ。もう俺にもよくわからない。

「呪文って数学の問題のこと?確かにこの問題は難しいけど、呪文だと思うのは明菜の勉強不足なんじゃないの?」

「なにそれ〜鈴香はこれ解けるの?」

「無理よ(ドヤ)」

(なんで会長はドヤってんの?)

会長は、学年で10位以内をキープし続けているほど頭がいい。しかし、数学が少し劣っていて、2年生の時に数学以外の教科はすべて学年1位だったが、数学があまりにも低かったせいで10位ギリギリだった事がある。世の中はすべてがうまくいくわけないことをよく知ったような気がした。

「それにしてもお兄ちゃんは本当に数学好きだね〜私にその脳を少し分けて欲しいわ〜」

「海斗さんの数学の学力は素晴らしいです。尊敬します」

咲は、完璧な文系で理数はボロクソである。兄妹でこんなにも違うものなのかと何回も疑った事がある。

春香は、この4人の中では唯一バランスが取れている。どの教科も90点近くの点数を取るそうだ。しかし、本人に聞いてみたところ数学が苦手らしい。特に関数や図形といった重要なところが苦手だという。


つまり、ここにいる4人全員が、数学が苦手ということだ。


(俺の仲間はいないのな)

そう思い、少し落ち込んでいた。そんでもって話し合いの結果は、自由行動になったらしい。みんなワクワクしていたので俺はその案に賛成した。



ちなみに、俺の学力は…以下の通りである。


1学期期末考査

3年C組 1番 朝日 海斗


現代文 40点

古文 12点

数学I 100点

数学II 100点

化学 50点

物理 50点

生物 30点

地理 24点

歴史 6点

英語 0点


合計:412/1000

順位:352人中339位


保健体育 0点

総合技術 0点

家庭科 0点


合計:412/1300

順位:352人中352位


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