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コクハク

ジャッポーン!

「ほらほら〜早くきなよ〜みんな!」

「今いくよ〜明菜ちゃーん!」

「んじゃ準備終わったし行こうよ咲!」

「うん、行こう春香!」

「みんな元気だな〜(汗。ん?会長は行かないの?」

「え?い、いや私は...その、泳ぎが苦手で...」

「そうなの?あれ、でも確か部活は水泳部じゃなかったっけ?」

「ギクッ!そ、そうだったかな〜?あはははは」

「もったいないですよ?せっかくの旅行なんだから」

「海くんがそこまで言うのだったら…」

「うん!行っておいで!」

「は、はい!」


俺は朝日 海斗。なんの変哲のない普通の高校3年生。訳あって今年の夏は4人の少女たちと暮らすことになり、今沖縄旅行をしているところだ。


「やっぱし会長は泳ぎがうまいな〜水泳部ってのも伊達じゃないな」

会長の鈴香は、中高と水泳部だったらしく中学では全中に高校ではインターハイに出たことがある。今年は怪我をしてしまい最後の高総体は出場することが出来なかった。それを機に水泳のことはあまり話さなくなってしまった。

「そう言えば会長、『出来れば私のこと名前で呼んでくれると...う、嬉しい...』って言ってたような...この機会だ明日言ってみるかな」

何故か照れくさかった。


「明菜はー相変わらず...で、デカイな...」

幼馴染の明菜はスポーツ万能でスタイルもいい。けども、外見がギャルなのであんましいい評価をもらっていない。唯一あるとすればあの、まるでスライムをつけてるんじゃないかと思わんばかりの胸だろう。今年の4月には「海斗〜見てみてまたおっきくなったんだ〜念願のEカップ突入だよ〜、ねーねーみてってばー」とか言っていた。宝の持ち腐れと言いますか、豚に真珠と言いますかとにかく俺はもったいないと思っている。

「今度からは頭も一緒に成長してほしいな」

「ィックション!ん〜かぜでもひいたかな〜?」


「咲は相変わらず変わらないな〜いつまで経っても咲は咲のまんまだ」

妹は、勉強はそこそこ出来る優等生派だ。しかし、勘違いしないでほしい!誰も優等生とは言ってないこと。あの性格をどうにかすればもっといい人になっているのではとかれこれ1000回は思ったことだろう。だがそれに比べて咲には結構お世話になっている。勉強や家事などでは大変助かっている。

「将来は家政婦でもやったらどうだろうな…まっ、あいつはそんなことしねぇよな」

咲の夢は、好きな人のお嫁さんになることらしい...意外と女子である。


「春香ちゃんとは、今回の旅行で仲良くなっておきたいなー」

咲の友達の春香は、あんまし俺に対していいイメージを持ってくれていないような気がする。これまで家には何回も来ているのだが全然話しかけてくれない。

(いつもなんか、寂しいんだよな〜)

「今回のこの機会にみんなといい関係を築くぞ〜」

「何してんの?」

「え?いや何でもないよ咲〜ただの独り言です...」

「あっそ」

(なんか冷たくね?)

「ほら!お兄ちゃんも行くよ」

「え?いや俺は遠慮しとくよ、あはははは」

「あっ!そっかーお兄ちゃん泳げないんだったね〜プププ!」

「うるせぇなーできねぇもんはできねぇんだよ!」

「なになに〜?どしたの?」

「明菜ちゃん!」

(よりよって、1番めんどいやつが来た)

「お兄ちゃん高3にもなって泳げないんだって〜」

「え?マジで?だせぇ〜」

「うるせぇな...」

このあとも他のふたりも合わさって4人に集中攻撃された。


「やっぱりこの先不安だーーーーー!」



〜ホテルに帰宅後〜


「ふぅ、食べた食べた〜美味しかったわ」

「そうだなぁ、作れそうなものもあったから家でも作ってみっかな」

「マジー?食べたい食べたい!」

「100%成功するとは言ってないぞ?」

「大丈夫だよ!海斗の料理は美味しくなかったことなんて今までありませんから(ドヤ」

「どの立場で言ってんだよ...」


「あの二人仲いいね〜」

「全く私にも話ぐらいさてくれてもいいのに〜」

「お姉ちゃんはそんなに好きなの?海斗さんのこと」

「え?い、いや別に〜好きじゃないですよ〜全然!」

「え?お兄ちゃんのこと嫌いなの?」

「嫌いではないけど〜」

「んじゃ好きなの?」

「...」

「お姉ちゃん?」

「...好きです(ボソッ」

「もう1回」

「2度も言わせるな〜」


「後ろも元気だね〜」

「会長はあんなに声が出るもんだったんだ」

(もしかしてだけど海斗は、鈴香が自分のこと好きって気づいてないのか?)

「ねぇ、海斗。最近モテてる?」

「ぜーんぜんモテてません!誰も俺なんか好きにならねぇよw」

(こいつ、ほんとに気づいてないよ!全く鈍い男ね〜)

「ん?どした明菜。俺になんかついてるか?」

「ううん。何でもない!」

「それならいいけど...」

「それより海斗〜今日の夜何する?」

「寝る」

「それだけー?」

「それ以外になんかあるのか?」

「男なら普通、女子と夜同じ部屋に寝ることになったら色々したくなるもんじゃねぇのかよ?」

「別に?」

(こいつ、どんだけうちらに興味ないんだよ)

「ちぇっ、せっかく......(((ボソ」

「え?いま、なんて?」

「べ、別になんでもないよ〜」

「...」

一応聞き返したが、俺にはちゃんと聞こえていた。そして俺はあることをしようと考えた。


「さぁ、今日はもう遅いから寝ようか」

『はーい』

「明日は8時起きでいいからゆっくり眠れよ〜」

『はーい』

「んじゃそれぞれ部屋に戻って就寝!おやすみ〜」

『はーい』

(てめぇらほんとに話聞いてんのかよ!)

「ちなみに海斗さんは明日の指名は誰にするか決めたんですか?」

「ん?あぁ、それは明日言うよ」

「わかりました」

「それじゃみんな」

『おやすみー』


そして俺たちの沖縄旅行1日目は終了...だと思っていたのだが…

「んじゃ海斗〜どうやって寝る〜?」

(こいつがいるの忘れてた〜!)

明菜との夜を過ごすという1番の難関が残っていた。

「んじゃ、さっき考えたやつにするか」

「考えたやつ?」

そう言い俺は、ベットに少し手を加えた。

「よし!完了!さっ、寝るぞ!」

「え?どうやって寝るの?家のベットに荷物置いたまんまなんですけどー!」

「一緒に」

「なるほど一緒に寝るの...はーー?一緒に寝るのー?」

「んだってお前さっき『せっかく一緒に寝れると思ったのに』って言ってたじゃねぇか」

「き、聞こえてたのかよ...」

「ほら、来いよ」

「...んじゃ、失礼します」

そして俺と明菜は2人でひとつのベットに寝ることになった。

(なんか流れで一緒に寝たけどめっちゃドキドキしてる!隣に女子がいるとかマジで無理〜!)

「ねぇ、海斗」

「はい!」

「海斗は私のことどう思ってるの?」

「は?」

(何それ〜なんかの前置き?なんかすごいデジャブなんですけど!この流れはもしかして)

「どゆこと?」

「だから...海斗は明菜のことが好きか嫌いかってこと...」

(やっぱり来たーー!この展開はやばいって!いくら幼馴染でもこれはヤバいって!)

そう思いながら俺は振り返った。するとそこには今までに見たことのないぐらい女の子っぽい明菜がいた。

(?!明菜...)

「海斗?」

「好きだよ」

「え?」

「俺は明菜のことが好きだ」

「ほんとに?」

「あぁほんとに。今までお前と接してきていつの間にか大切な存在になっていた」

「...海斗」

「だからこれからも俺と一緒にいて欲しい」

「私も...海斗が好き...です...」

「...」

「...」

『チュッ』

そして俺らは、その日から付き合うことになった。その後は抱き合いながら寝た。


〜続く〜

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