始まり
ミ〜〜〜ンミ〜〜〜ン
真夏の昼にないている蝉。そう、高校最後の夏が!summer vacationが!新しい出会いのある夏が!ついに訪れたのだ。
「来たぞ...遂にこの時期が...夏という時期が!今年こそは新しい青春の青春をしてやるぞ〜!」
そう思い、俺は自分の部屋を出てリビングに向かった。そして、まさか今年の夏があんなことになるとはまだ思ってもいなかった。
ガラガラ
「...」
俺は、寝ぼけているのかと目を擦りもう一度見た。
「どうも〜」
「よっ!お久〜」
「お久しぶりです。」
「あっ!お兄ちゃんおはよ〜」
「...」
「どうしたの?」
「なっ、何事だーーーー!!!!!!」
今年の夏は、今までにない夏になるように思った。
「なんで、明菜と鈴美と春香が家にいるんだよ!」
「あれ〜お兄ちゃんに言ってなかったっけ?夏休み初日から明菜ちゃんと鈴ちゃんと春香が泊まりに来るって。」
「一言も言われてねーよ!」
「まぁまぁ!そう言わずにさ!これからよろしくな!海斗。」
「うるせぇな〜離れろよ明菜!」
こいつは高橋明菜、俺と同じ学校の同じクラス、言わば幼馴染。俺によくくっついてくる厄介者でめんどくさい性格。でも、学校では1番人気の美少女?らしい。
「あ〜!明菜ちゃんだけずるい〜お兄ちゃんは私のお兄ちゃんだからね〜」
そしてこいつは俺の妹の咲、中学3年生で高身長。学校では結構もててるとか...とにかく明るい少女で毎日毎日手を焼いている。
「誤解される言い方をするな咲!とにかく2人とも離れてくれ。」
「そうだぞ!さっさと離れてくれないか。あんたら2人だけの海くんじゃないぞ!」
「誰のでもねぇけど?」
この人は、赤星鈴美、俺の高校の生徒会長で春香の姉である。普段はキリキリしているのだが、俺といる時は何故か落ち着きがなくなり第2の鈴美が現れる。...今のように。
「姉さんこそ、十分変な事言ってるけどね」
んでこの子が、赤星春香、鈴美の妹で中学3年生。咲の親友らしい。性格はその4人の中で最も普通の性格。
(それにしてもいくら知り合いとはいえ...JK2人とJC2人と俺1人って結構ヤバくない!?)
なんと言えばいいのか、いわゆるハーレム状態になっていた。
「まっ、ということなんで宜しくね海斗!」
「同じくよろしく〜海くん」
「よろしくお願いします海斗さん」
「ついでにうちもね〜お兄ちゃん」
「よろしくな〜ってなるかよ!これから心配だ〜」
俺はこの先不安なことしかないと感じていた。
そんなこんなで朝食を食べ、俺は4人を集めて話を聞いた。
「ふむふむ、なるほど。ということは夏休みの約1ヶ月間3人がうちに泊まるってことだな?そして、いい思い出を作ろうと...」
「そそ、だからいいでしょ?おねが〜い!」
「でもな〜」
「いいだろ海斗〜別に1ヶ月ぐらい泊まってもさ〜。ね?♡」ギュッ
「あぁも〜くっつくなって明菜!」
「いいじゃ〜ん」
「よくねぇーの」
俺は無理やり離した。ちょいと後悔しながらも...
「でも、そうした場合色々と決め事が必要だぞ?部屋とか風呂とか色々な分担とか」
「部屋は私の部屋に春香が寝て、お兄ちゃんの部屋に明菜ちゃんと鈴美ちゃんが寝るってことで〜」
「はーーー!?俺の部屋に明菜と鈴美が?いやいやいや、それで納得いかねぇだろ2人が」
「いや?納得いってるけど〜?」
「元々全員で決めたことですから。」
「お前ら頭のネジぶっ飛んだんじゃねーのか?」
「まっ、そういうことで。お兄ちゃん!」
『これからよろしくお願いします!』
「!!...はい、((ボソッ…」
俺は照れながらも、軽く返事をした。
(そりゃー女子4人から割と可愛い顔されてあんなこと言われたら断るに断れねぇし照れるだろ)
「お?海斗ー顔赤いぞ?もしやーー照れてんのか〜ww」
「う、うるせぇな!俺だって一応男なんだよ」
「正直だね」
(相変わらず春香は直入だな。怒らせたら1番めんどくさいかもなww)
「何?」
「何でもないよ」
俺は笑って返した。
「んじゃあとは、風呂だけど。どうするの?」
「適当でいんじゃね?」
「お前、ほんとに大丈夫か?」
「幼馴染じゃん!今頃恥ずかしくなんかないよ!」
「お前に聞いた俺が馬鹿だったよ。鈴美はどうしたい?」
明菜に叩かれながらも聞いた。
「特に希望はないかな。入れればそれで。」
「私もそれで〜」
「特に意見はないのでそれで」
「お前らな〜」
女子達はニコニコ笑っているが俺にとっては笑い事ではない。この男女比率が1:4の中でもし俺が仮に誰かの裸を見たとしよう。そしたら俺はほかの3人からもボコボコにされ居場所が無くなってしまう。それだけが唯一の不安だった。
「んま〜とにかくそういう話はその時にすれば良いの!」
「そんな風に言ってテストの点数が悪いのはどこの誰だ?」
「(๑>•̀๑)テヘペロ」
「ったくもー」
「よっしゃー!この夏は死ぬ気で楽しむぞ〜」
「そうですね!楽しみましょう!」
「楽しも楽しも!」
「やるからには全力で」
「もう、俺、不安でしかない...」
そう思いながらも俺は笑って彼女らと話していた。
ついでに彼女とか作れねぇかな?
そうなったらそれこそ修羅場かww