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noblesse;oblige  作者: 夏桜羅(原案・設定協力)、雪羅(原作・執筆担当)
第4章 連鎖 -butterfly effect-
71/300

prologue

第4章 連鎖 -butterfly effect- スタート!

今回も隔日更新です。

 漆黒の帳が落ちた夜。

 暗闇の中、男は窓際に立って、燃え落ちる屋敷を見ていた。

 それは、伯爵という権威の象徴であり、権力(ちから)の象徴でもあった。

 それは人々にあるべき権威と権力の崩壊を告げる鐘の音。

 それは立ち上がらんとする人々への叛乱と革命への狼煙。

 男はいつの間にか手に握らされていた紙に気付き、それを見て、ゆったりとした動作でうなずいた。

 死すべき者は死んだ。

 立ち上がらんとする者はここにいる。

 しかし、男の頬には空虚な笑みが張り付いていた。


「さて、始めるとしよう」


 男はつぶやくと、颯爽と部屋から出て、集まっていた人々に言う。老若男女問わず、たった一つの目的のために集った仲間達。


「諸君、時は来た。抑圧され、弾圧され続けた諸君らの苦しみは今ここに、結実する!」


 男の言葉に、人々は湧いた。皆、この時のために命をかけ続けて来たのだから。あの日からずっと。

 それが多くの犠牲を伴うと知っていながら、彼らは今日まで走り続けて来た。

 そして、彼もまた走るのをやめなかった。

 それが破滅へ向かう一本道であっても。

 そうするしかなかったのだ。

 そうしなければならなかったのだ。

 守りたいものが、救いたいものが、あるが故に。


「彼らに思い知らせてやらねななるまい! 我々の屈辱を! 我々の怒りを! 諸君! 我々、革命団(ネフ・ヴィジオン)は、私、《テルミドール》の名において奮起し、貴族共を討ち果たし! 我々による新たな秩序を創出することを誓おう!」


 わーっと、歓声が上がる。

 誰もが男に期待していた。

 誰もが男に追従していた。

 しかし、それを一身に受ける男の顔色は晴れない。

 男には見えないが、糸はそこにある。

 それがある限り、彼は道化でしかないのだと、自分で理解していた。


「諸君、決行は明日だ。今は身体を休め、明日に備えてほしい」


 思い思いに散っていく仲間達にかける言葉もなく、男はただ見ていた。見ていることしかできなかった。


「…………」


 それは始まりにして終わり。

 崩壊へと続く、終わらない円舞曲(ワルツ)だった。

 そして、幕が上がるーー

日間アクセス数3000弱

ジャンルランキング6位

日間ランキング276位

突然訪れた結果に驚喜した(むしろ狂喜?)ので、11月中旬予定だった、公開を早めることにしました。

今章も隔日更新となります。(もしかしたら、章の途中で連載が空くかもしれません)

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