prologue
第4章 連鎖 -butterfly effect- スタート!
今回も隔日更新です。
漆黒の帳が落ちた夜。
暗闇の中、男は窓際に立って、燃え落ちる屋敷を見ていた。
それは、伯爵という権威の象徴であり、権力の象徴でもあった。
それは人々にあるべき権威と権力の崩壊を告げる鐘の音。
それは立ち上がらんとする人々への叛乱と革命への狼煙。
男はいつの間にか手に握らされていた紙に気付き、それを見て、ゆったりとした動作でうなずいた。
死すべき者は死んだ。
立ち上がらんとする者はここにいる。
しかし、男の頬には空虚な笑みが張り付いていた。
「さて、始めるとしよう」
男はつぶやくと、颯爽と部屋から出て、集まっていた人々に言う。老若男女問わず、たった一つの目的のために集った仲間達。
「諸君、時は来た。抑圧され、弾圧され続けた諸君らの苦しみは今ここに、結実する!」
男の言葉に、人々は湧いた。皆、この時のために命をかけ続けて来たのだから。あの日からずっと。
それが多くの犠牲を伴うと知っていながら、彼らは今日まで走り続けて来た。
そして、彼もまた走るのをやめなかった。
それが破滅へ向かう一本道であっても。
そうするしかなかったのだ。
そうしなければならなかったのだ。
守りたいものが、救いたいものが、あるが故に。
「彼らに思い知らせてやらねななるまい! 我々の屈辱を! 我々の怒りを! 諸君! 我々、革命団は、私、《テルミドール》の名において奮起し、貴族共を討ち果たし! 我々による新たな秩序を創出することを誓おう!」
わーっと、歓声が上がる。
誰もが男に期待していた。
誰もが男に追従していた。
しかし、それを一身に受ける男の顔色は晴れない。
男には見えないが、糸はそこにある。
それがある限り、彼は道化でしかないのだと、自分で理解していた。
「諸君、決行は明日だ。今は身体を休め、明日に備えてほしい」
思い思いに散っていく仲間達にかける言葉もなく、男はただ見ていた。見ていることしかできなかった。
「…………」
それは始まりにして終わり。
崩壊へと続く、終わらない円舞曲だった。
そして、幕が上がるーー
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突然訪れた結果に驚喜した(むしろ狂喜?)ので、11月中旬予定だった、公開を早めることにしました。
今章も隔日更新となります。(もしかしたら、章の途中で連載が空くかもしれません)




