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noblesse;oblige  作者: 夏桜羅(原案・設定協力)、雪羅(原作・執筆担当)
第1章 蜂起 -rebellion-
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蜂起 -rebellion- 幕間

『鮮やかな引き際だな』


 立ち並ぶMCの中で、一際壮麗な、蒼玉(サファイア)の輝きを放つMCのコックピットに座る男がつぶやいた。

 革命団(ネフ・ヴィジオン)と名乗る、レジスタンスの宣戦布告より、四時間。貴族院が差し向けたMC部隊が、襲撃を受けた工業都市に到着していた。

 しかし、部隊が到着したころには、革命団(ネフ・ヴィジオン)側の部隊はすでに撤退しており、それどころか、追跡しようとした、輸送ヘリさえも撒いて、手がかり一つ残さずに消失した。まったく、鮮やかと言う他ない。


『隊長、追いますか?』

『やめておけ。手がかりもないのだ』

『ですが……』


 言い淀む騎士達の気持ちも分かる。何せ、駐留していた部隊を含め、総勢12機の〈エクエス〉を投入していながら、生還したのは2名のみ。散っていた騎士の無念に報いたい気持ちは、当然、男にもあった。

 しかし、それを成したのは型落ちした〈ミセリコルデ〉の改修機。それもたった4機だ。姿をくらました彼らを追い、撃破するのは相応の困難が付き纏うことは想像に難くない。

 その上、撃墜された〈エクエス〉の内、二機は跡形もなく消えていた。おそらく、彼らの手に堕ちたのだろう。

 革命団(ネフ・ヴィジオン)の戦力はさらに厄介になる。貴族院が思っているほど、戦いはたやすくは終わらない、男はそう考えていた。

 それこそ、このタイミングでの不用意な追撃は、さらに戦力を削ることになりかねない。


『今は誇り高く散った彼らを弔うのが先だ。それに……』

『隊長?』

『あれだけ派手に動いてみせたのだ。次は遠くないだろう』


 男は莞爾として笑い、誰に言うとでもなく、最後にこう付け加えた。


『その時は、狩らせてもらうぞ。革命団(ネフ・ヴィジオン)


その日、日が沈み、ゆっくりと暗闇の帳が落ちていく中で、革命の夜明けが始まった。

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