第一話。「サブタイトルを付けるつもりはないというサブタイトル」
どうだろうなあ。暇で暇で仕方ないときにでもどうぞ。
...なんだかなあ。
「ねえ、シュレックってなんで緑色なのかな?」
彼女が唐突に尋ねる。
「なんでって、なんでだろうなあ。森の中に住んでる描写があるから保護色だったりして」
僕は答える。何を真面目に考えているんだろう。だけど。
「そうかな?保護色だとしたら『身を守る』ことに使われるんじゃない?散々奢り高ぶってた彼には必要ないんじゃない?」
「そうだな。じゃあ、こういうのはどうだろう。彼だと分かって寄り付くものは誰もいないから、狩りの時気付かれにくくしているっていうのは?」
というか、「彼」って。人間でもないのに。
「そうかな?そのために緑色をしているってのは考えにくいわ。そうじゃなくて。私は君に論破されるためにこの話題を提供したんじゃなくて、人間に光合成は可能か、ってところに持っていきたかったんだけど」
なかなか潔い話題転換だな。
「なるほどね。どう持っていくつもりだったのか理解出来ない。だって人間は緑色をしてないだろ?」
彼女は「あ」という顔をする。なんなんだコイツは。
「まあそれとこれとは違くて、えっと違くなくて、えっと...」
「まあ付き合ってやるよ。面白そうな話だからな。ちなみに体重50㎏の人間が一日に必要なカロリー量を光合成で補うには大体30万平方mの面積が必要だ。残念だったな」
彼女は眼を見開いて驚きの表情を浮かべた後、「お前だけは許さない」という表情を浮かべ吠える。
「なんだよ!私はこの後どんな理屈を並べれば君の言葉を論破できるの!そういうのつまらないよ!」
「僕は面白いよ」
「私は面白くない!」
「「...」」
ここで僕の予想なら爽やかに二人で笑うシーンであったので、笑ってみる。が、彼女は思わぬ行動に出た。
「せえい!」
彼女は僕の鼻に右のストレートを飛ばしてきた。顔が一瞬で強張り、後ろに仰け反るも自分の鼻に激痛が走る。
「っ痛ー!」
思わず涙目になり目を逸らすと。
「あ!鼻血、垂れてる」
ニシシっといった顔を浮かべる彼女。
「バカ、お前な。血は体温と同じだから垂れるの気付かねーんだよ」
なんだろう。そこ弁解するところだっただろうか。勝ち誇った顔してんじゃねーよ。
可笑しくなってきた。今がタイミングだな。
僕たちの笑いはどこまでも青い空に吸い込まれていく。
なんか書いていてこそばゆい気持ちになってたのは内緒、ですよ?
なかなか面白いものですね。こういう文章も。