家庭科部の妖精先輩
部活に入ろう、というオリエンテーションにて私たちは家庭科部に来ています。ちなみに私はここに入ることは決定しているので他は見なくていいのですが、ヴィン君やアンちゃん、エレンちゃんは居心地悪そうにきょろきょろしています。
「ううん、俺はこういうとこは場違いなような。」
「私もここはやりたいことができなさそうねー。」
「あたしも。」
「別に別行動してもいいですよ?」
そういうとヴィン君はサッと顔色をかえてこちらを向きます。
「やめてよ、そんなことしたら俺が囲まれて死ぬ。」
「ですね。アンちゃん、エレンちゃん、ちょっとヴィン君と待っててください。」
ざわざわと女の子が群がる中に私は突っ込んでいきます。うむぅ、邪魔なのですよ。なんでこんなに女の子が…
「はいはい、お菓子目的なだけの子はお断りだよ。作る気あるの?食べ專なんて部員なんかにさせないよ。最初からあまり見学してないのにお菓子をねだってくるとか、いくら年下に甘い僕でも怒るよ?」
高めの少年の声が聞こえる。やっとはけた人だかりの中心には羽のあるちょっと年上の男性。名札にはキッシュ、家庭科部受付係と書いてあります。
「先輩、入部届だけください。」
「ん?ああ、君は…うんわかったよ。これからよろしくね。」
「はいなのですよ。では、失礼します。」
ジ…っとヴィン君は先輩とアイコンタクトをしていましたが、男の子は複雑だそうなので気にしないことにします。
「終わったのですよー。では行きますか。」
「うん、俺は家業もあるからあまり部活できないから三人についていくだけだけどね。」
「あ、じゃあ私マネージャーしたいから運動部に見学行きたいなぁ」
「あたしも運動部かな。」
ぞろぞろと四人で他に部活見学をしてその日は終わったのです。結局、アンちゃんはバレー部に、エレンちゃんはボクシング部のマネージャー見習いとして入部することになりました。やっぱり学生としての醍醐味は部活動とお勉強、イベントですね!
「…お、さっきの後輩ちゃん。見学は終わったのかな?」
トコトコとアンちゃんとエレンちゃんと別れてヴィン君と二人で校門に向かっていくと三つ編みの髪をなびかせながらこちらにあるいてきたキッシュ先輩。
「あ、はぁい。終わったのですよ。先輩。」
「呼び方、堅いの嫌いなんだよね、ボク。キーってみんな呼んでいるからそう呼んでよ。」
「…キーくんでいいですか?」
「ふふ、うん。よろしくね、えーと…」
「あ、ユーリュシュフィアです。」
「うん、ユーちゃんだね。そっちはお友達、だよね。」
「ああ、俺はアルヴィン。よろしく。」
「うん、レイに聞いてるよ。まあ、おいおい話す機会をもうけるよ。」
「ああ、助かる。」
むうう、また仲間はずれ…やっぱり男の子に生まれたかったかもなのです。




