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SIDE:Leonard ⅩⅠ

見付けてくださりありがとうございます。

少しでも楽しんでいただけましたら、幸いです。

 正式な立太子はしていないけれど、今まで学園内のレストランでオースティンの使っていた部屋を使い始めた事で理解した生徒もいたようだ。でも、卒業パーティでヒルダと僕が2曲続けて踊った事の意味を理解していなかった生徒が、驚くほど多かった。


「その事なのですが。」


 と報告されたので、ヒルダにも共有しようと思ったから、今日は二人きりだ。

 今日は別行動のアンには、問題がおきたら僕の名でもヒルダの名でも使っていいし、逃げ場所としてはここを提供している。


「オースティンの側近の一人が自供した。『幼馴染故の親しさ』なのだと事有る毎に誘導していたのだそうだ。だから、男子生徒の一部は全く信じていなかったらしい。」

「そんな事までしていたのですか?」

「そうらしいぞ。ただし、オースティンの婚約者候補と言うのは信じていない生徒の方が多かったそうだけど。」


 そこまでしていたのに、残念だったな。

 逆に、そこまでしたが故に問題視されているんだけどな!


「それから、特に立太子と言った形はとらないけれど、これからは僕が第一王子になるんだ。第二王子は欠番で、ジェスは第三王子のままだな。」


 ジェイデンはそのまま僕の側近で、オースティンの側近は解役となる。

 使いたいと思う生徒が居たら、学園で声をかけてもいいと言う事まで決まった。


「本来なら、レナード様が第一王子でしたものね。」

「生まれ順だとそうだったな、程度にしか考えていなかったけどさ、オースティンは随分と重たい意味に受け止めていたな。」

「王妃様もですよ?」

「………………そうだったな。」


 それ故の暴走なのだろうな。

 母は完全に裏方に徹していたからね。


「でだ、第二王子の欠番は、そこにオースティンが入るから。そして、母は王妃になる予定はない。」

「まぁ、そうでしょうね。」

「その分、王子妃に負担が行くと思いますが、よろしくお願いします。」

「そんなに改まって言わなくても。」

「いや、ケジメとしてね。」

「はい、任されました。」


 ありがとう。

 そう言ってもらえて嬉しいよ。


「あ、そうそう、僕は成人しているから形だけはそうなるけど、内定はジェスの方ね。」

「未成人と言う事でいいですか?」

「そうなるのかな。もうすぐ12歳になるから、あと3年ちょっとの間はそうなっちゃいそう。」

「3年、ですか。」

「う~ん、もう少し早くしたいんだけど、成人しないと立太子出来ない決まりだから。」

「はい、理解しました。」

「今狙っているのは、ジェスの立太子と同時に臣下になっての婿入り。」

「はい?」

「3年かけてゆっくりと決めて行こうね。フォークナー公爵の許可も取ったし。」


 そう、ヒルダのご両親の許可も取ったのだ。

 しかも、僕と一緒に母も王宮を出る。行先はフォークナー公爵家。臣下にはなるけれど、継承権は持ったまま、と言うのがミソなんだけどね。

 それ故の母で、子どもの教育に関わってくれるそうだ。


「なので、一応、ジェスのバックはフォークナー公爵家になっちゃうんだよね。」

「それは問題ですね。さすがに一強になり過ぎじゃないですか?」

「ヒルダもそう思う?」

「当然です!」


 そうなんだよ。

 それが問題なんだ。


「ジェスの婚約者に期待! って感じなんだけどさ、幼馴染に侯爵家の子どもが居たりするんだよね。」

「え?」

「ジェスが居たのって、魔力過多の施設なんだけど、上位貴族の子どもが何人か居るんだよ。」

「そうなのですか?」

「そうなんだよ。婚約者は無理でも、側近候補は何人も居るんだ。しかも、かなり特殊な環境で育っているから、お互いがお互いを理解している感じかな。」

「助け合って、とそんな感じだったのですね。」

「そうらしい。」


 親元から離れての共同生活だったし、男女差のない頃からだからね。

 年齢も性別もバラバラなのに、妙な一体感があるんだよな。


「そこの面々が、年齢順にテウト学園に入学しているんだそうだ。ジェスは見送ったけど、早々に編入させる予定だよ。」

「お会いするのが楽しみです。」

「同じ事をジェスも言っているな。」

「あら。」


 とヒルダが楽しそうだから、いいか。

 仕事は山積み決定だけど。


「誠に申し訳ないのですが、早々に側近を決めて公務をしないといけなくなりました。」

「もしかして、オースティン様の分ですか?」

「う~ん、正確に言うと違う。」


 え? とヒルダは驚いているけど、もう一人忘れていない?

 あれでも一応、仕事はしていたらしいよ。


「元王妃様の仕事を母と一緒にする事になっているんだ。」


 でも、ヤバそうなものは回さない約束で。

 3年を目安に臣下になるからね? 絶対になるんだって、決めているから。


「母は表舞台には立たないと決めているから、パーティに参加する場合は、パートナーになって欲しい。ヒルダのメインの仕事はこれ。」

「それだけでいいのですか?」

「だって、神殿絡みは丸投げになるでしょ?」

「確かに、聖女のお仕事ですね。」

「だろう?」


 それだけでも忙しそうだもの。

 聖女としての視察とかを王子の婚約者も込みですればいいと思うんだ。そうしたら、こちらの仕事も減るし、とそんな計画。


「一応、学業優先にはなる。だから、休みがなくなってしまう可能性もあるから、無理だけはしないでください。」

「はい。」


 と返事をしてくれたけど、バックに聖女様だ。

 テコ入れは確実にされるだろうな。


「後、聖女の学習施設を作る前に、ジェスのいた場所の、そこにも聖女様が居たそうなんだけど、そこを見学するなりジェスから話を聞くなりしてください。」

「え?」

「うん、何と言うか学習施設も込みになっていてね? 面白い試みをしているんだよね。」

「面白い試み、ですか?」

「そうなんだ。その施設の子どもは魔力過多専門なんだけど、要するに魔力を放出させる事で体のバランスを取っているんだ。ここまではいい?」

「はい。」

「で、だ。どうせ放出させるのなら、闇雲に放出だけするよりも、使い道があった方がいいとね、考えて聖女が結界を張る為に魔力を注ぐのと同じ魔法具がある。」

「え?」

「門外不出のはずなんだけど、王族が関わっているから、まぁ、そんな感じ。」


 そうなんだ。

 でも、使い道が違うんだよね。


「何と言うか、魔法具の動力として使っていてね、独特のものに改良されていたんだよね。」

「そうなのですか?」

「そうなんです。」


 本当に画期的な魔法具だったんだ。

 話に聞いて驚いたんだもの。だから、ジェスを迎えに行きがてら、絶対に見ようと思ったんだよね。


「今までの概念だと、使う度に魔力を使っていたものが、使わなくてよくなった訳だ。だから、魔力がほとんどなくても魔法具を起動出来る。」

「確かにそうですねぇ………」


 ヒルダは考え出したけど、僕は考えても理解出来なかったんだよ。

 でも、実例を聞いて、なんとなぁく理解したと言うかなんて言うか。


「危険な物にはしていない。灯りをともす魔法を使って部屋を明るくするのではなく、ボタン押せば部屋が明るくなるだとか、薪を使うとか火魔法で鍋を温めるのではなく、専用の台に置いてボタンを押せば鍋は温まったりする。」

「凄いですね。聞いただけでも驚きです。」

「だろう? なので、見学を希望しているんだ。」

「いいですねぇ。私も実物を見てみたいです。」

「この辺は相談してみるよ。」


 と言う事で、ジェスを迎えがてらの見学を計画中だ。

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