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最後の一撃  作者: 唯一月
1/1

物語は、僕たちの大いなる光から。①

一話目なので、長めになっています。

ゆっくりと時間を使って読んでもらったほうがいいかもしれません。

魔王の城、その深奥。

扉の開く音がした。


勇者と、其れと相対する者。

彼等の視線が綺麗な一線を描いた。


最後の戦いと、その合図。

魔と勇の描く双曲線が交錯した。


予定調和の因縁と、その現実。

不公平の女神が魔を愛した。


舞台の暗転と、望まれた未来。

人々の祈りが最後の閃光を生んだ。


勇者の命と、その決断。

最後の一撃が魔王を打ち破った。




勇者が命を使い放った最後の一撃は


“魔王8.5体分”もの威力だった。


そしてその一撃の余剰は一本の光となり、

地球を周ったという。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ついに、勇者が魔王を倒した。

その知らせは、世界の果てとも呼ばれる俺の村にも届いた。

そうして勇者の勝利を祝うため、村では祭りを開催する準備を始めようととしていた。

だが俺、ススィ=パージパスは体を動かす気力が出なかった。

魔王が勝利すると思っていて、今日を最後の一日にするつもりでいたからだ。俺がベットに倒れ込んでから、すでに二時間は経過している。

一向に、動ける気がしない。

そして、俺以外にも動く気力がないのがいる。


「勇者様ぁ…」


俺の村の唯一の教会の僧侶である妹のアリスは知らせが届いてから、鼻水を拭くことすら忘れたままずっと勇者のこと呟き続けている。

勇者が、死んでしまったからだ。


「そうだよな、辛いよな。」


今の俺の精一杯の慰めの声をかける。

妹は世界の終わりのような顔をしている。

勇者は妹の憧れの人だった。

部屋の壁に商人から買った写真を何枚も貼っておくくらいには憧れていた。

俺は体を起こした。俺の動けない言い訳は、あまりにも陳腐だ。妹を見て、そう思った。

それに、村の皆が祭りの準備をしようとしているのに俺だけ動かないのは失礼だろう。

妹のことも心配だが、手伝いにいくべきだな。


「少し、祭りの準備を手伝ってくるから。」


そう言って俺は家を出た。

だが、まだ数人しか準備を始めていなかった。

そして屋台の準備すら始まっていない。

早かった。どうしよう、手伝うか?


「…散歩するか。」


俺は自然に見えるように体の向きを変えた。

村の外に出ようと門に向かうと、すでに星が出ていることに気づいた。


「やっぱ、星は綺麗だなあ…」


俺は星が好きだ、特に理由とかは無いが。

星を眺めていると、突然声をかけられた。


「うぉーい、ずっと空なんか見てっとぉ…後ろから刺されっぞー!」


その声の主は…コイツは…俺の隣人、そして幼馴染のアルヒアだ。ちなみにコイツは村一番の歴史オタクで中々厄介な性格である。


「なんだぁー?無視か?無視しちまうのかー?」


会うたびうるさい。


「うるさいわ。」


そして俺は毎回こう言ってる。


「またそんな分厚い服に探検セットみたいなの用意してよ、お前また家出でもするつもりか?」


コイツは結構な頻度で何日か家を空けて旅をしようとする。その時は毎回俺も捜索に手伝わさせられる。

だからコイツが重装備をしているときは、絶対に外に出してはいけない。


「おいおい、さすがに祭りの日に意味もなく家を抜け出すなんてことするわけないだろー?」


おい、今までの家出は意味なかったんか?


「なんかあったか?今日。」


適当に質問した。


「お前星好きなくせに知らないのかよ、今日はめっちゃ近くを通る流れ星が見れるんだぞ。ま、私も今さっき占い師のミラさんに聞いたばっかなんだけどな!」


え、まじかよ。見に行きてえ。


「それ本当か?」


「あぁ本当だとも。ついてきたまえ、今回の流れ星が一番綺麗に見える場所までわかっているのだ!私に感謝せよ!」


ついて行かない選択肢はなかった。


「この場所が一番良く見えるのか?」


アルヒアは首を縦に振った。

ここは村から500m程離れた崖だ。

海からの風は厚着を推奨していて、息は白くなっている。


「美しすぎじゃん!」


「やっぱ美しいな。」


星を見ていると、今日のことなど忘れてしまいそうになる。命を懸けて魔王と戦った人たちには申し訳ないが。


「ちなみにいつ見えるんだ?」


流れ星なんて中々見れるものじゃない。しっかりと目に焼き付けておかなければ。


「そろそろだと思う…けど。」


そう言ったのとほぼ同時に、地平線が光った。

次の瞬間、目の前が真っ白になった。

轟音がする。それは耳元でというか、自分から鳴っているようなそんな感じだった。

頭が割れるように痛んだ。

だが、少し余裕があるような気がする。

確かに、叫ぶほど痛い。

だが幻覚を見ているのか、痛みがぼやけている。

なぜか、勇者が目の前にいる。

幼い頃、一度だけ見た事がある。

その姿で、立っている。

頭が痛い。

そして、僕の方を見ている。

すぐに崩れそうな笑顔で、辛そうな顔で。


「ごめんね。」


そう言った。痛い。


「”僕は、魔王を倒さなければいけないから。”」


痛い、でも聞き取れた。


「約束は守れない。もうここで君と星を見ることは出来ない。」


勇者は泣いていた。痛い、涙すら焼き切れてしまうほどに。痛い。


「本当に、ごめん。」


勇者は言った。どうでもいい、とりあえずこの痛みが飛んでしまえばどうなってもいい。


「さよなら。」


最後勇者がそう言うと、痛みが完全に消えた。

俺はあの崖で倒れていた。

体を起こした。特に異常は感じない。


「…さっきの、誰だ?」


アルヒアが言った。さっきの、とは勇者のことだろうか。


「アルヒアにも見えてたのか?あの勇者のこと」


「あ、あの人勇者様か。というか、ススィにも見えてたのか?」

 

同じものが見えたのか…。


「うん。見えた。」


あれ?そういえば何で俺倒れていたんだ?


「…俺に何があったんだ?」


困惑は自然に口から出た。

数秒の沈黙の後、アルヒアは笑い出した。


「流れ星直撃した人間とか初めて見たんだけどwwwどんだけ星に愛されてるんだよwww」


嘘だろ?一瞬光見えたけど俺、流れ星直撃したの?生きてるのか?え…?


「…落ち着こう。」


ツボに入っていたアルヒアを止めた。

とりあえず今は謎が多すぎる。


「状況を整理したい。質問に答えてくれ。」


「いいよぉ!」


フワフワしてるな、コイツ。


「俺に流れ星が落ちてきたんだよな?」


「うん。」


「それでよくわからない幻覚を見たんだよな?」


「見たよ、勇者がいたね。」


「まとめると?」


「幻覚誘発星型弾頭直撃」


「……何が何だかわからない……」


「だね。」


…。本当に、何が起きているのだろうか。

流れ星に、勇者の幻覚と。


「そういえば、今日って祭りだったよね。」


「…あ。」


そういえば手伝うつもりだったんだよな。急ごう。


「祭、始まっちゃってるねぇ…」


「申し訳ない…。」


村に戻った。もう祭は始まっている。


「とりあえず、妹の方見てくる。」


「ついてくわ。」


…別にいいか。

アリスはまだ泣いていた。アルヒアが声をかけた。


「どーしたアリス、そんな死んで蒸発しかけのスライムみたいな顔しちゃってさ。」


そういえば、勇者が死んだのって教会の関係者にしか伝えられてないのか。

だけどコイツ感情読めなすぎだ。


「アルヒア、お前外出とけ。」


首根っこを掴んで家から出そうと思ったが、抵抗してくる。なかなか動かない。なんでこういう時だけ力が強いんだよ。


「アリス、まだ動けないか?」


妹は静かに頷いた。


「俺はコイツと祭り行ってるから!」


家を出た。祭りのいい匂いがする。

だが祭を楽しめるような気分ではない。

そして今さっき起きたことを整理したい。本気で。

近くにあるベンチに座った。当たり前のようにアルヒアが横に座ってきた。


「そういえばよう、あの流れ星ってさぁ…魔法だったりするんじゃねーか?」


魔法か。魔法は誰もが持っているその人の一つの個性のようなもので生活に使えるものや、狩りのような場所でしか使えないものもある。

だから、あのような魔法もあるのかもしれない。


「でもあんな規模の魔法なんて存在するのか?」


いくら魔法だとしても、海を超えて飛んでくるなんて規格外すぎる。


「ふふっ、存在するか?だなんてねぇ。愚問だよ、それは。魔法なんてこれまでの歴史も振り返れば星の数くらいあるんだからねー。」


ドヤ顔で言ってきた。ムカつくが、そうでもある。

そうしてなんやかんや討論をしていると、誰かが近づいてくる気配がした。


「ススィさんにアルヒアさんじゃないですか。流れ星は楽しんでもらえましたか?」


そう言ってきたのは占い師のミラさんだ。片手に焼きそば、片手にたこ焼きを持っている。


「おーう!綺麗だったぜ!ちょーっと、問題があったけどな!」


アルヒアの反応に、ミラさんは笑顔になる。


「それにしてもやっぱり、この村の祭は特殊ですね。他の街ではこんな料理など出されたことないですよ。」


ミラさんは元々世界を旅する占い師だったそうだが、この村の祭の料理に胃袋を掴まれてからここに住み続けているらしい。


「ところで、その流れ星のことなのですが…」


今日会ったことを話した。

話を聞くと、ミラさんは両手の料理をベンチに置き、


「…もしかして、ですが。」


と言って近くにあった新聞を俺の方に差し出した。

新聞には「魔王城からとてつもない魔力反応!」という見出しが載っている。そしてそこには、魔王城から放たれた魔力の塊が空へと飛んでいき世界各地で見られた、と書いてある。


「流れ星がこれ、ということですか。」


このことは、思ったより重大なことかもしれない。

それは、人生を大きく変えるような。

まだ物語はプロローグです…。

(このままだと後三話分くらいかかりそう…)

最初の詩は読み飛ばしてしまっても構いませんし、伏線探しに読み込んでもらってもいいです!

初投稿なので、これからがすごく楽しみです!

物語進行って、すごく難しいですね!

(それ以前の問題かもしれませんが…)

世界観が読み取り辛く、物語の途中に不自然に置かれた説明があったり、唐突すぎる緩急、恐ろしく拙い語彙、早く雑すぎる場面転換など問題点が多すぎてメンタルに結構ダメージを受けています。どうにか今は頑張って言葉の使い間違いなどを気をつけていますが、正直五つくらいは間違いがあるんじゃないかと思っています。

なのでまず、読むことすら拷問に近い(と自負する)この作品を最後まで読んでもらえたことに感謝します。

もしこれ以降が作られていれば、もう少しこの駄文未満に付き合ってもらえれば幸いです。

地獄へ招待してしまうことになってますが。

最後に、感想(指摘・改善点等)もお待ちしております!


  > 自 分 で 読 ん で て 辛 い !<


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