第八話 笑う死神、笑えぬ死神
今日、人を殺す。
できるだけの、準備をした。、魔眼にも慣れた、集中したら三秒先まで見える。
でも、慣れたときに、レーナがきて「使い過ぎに気を付けなよ、」と言ってきた。
何のことかわからないが、まぁ勝つためならどんなことでもしよう。
そうこう考えていると、レーナが来た。
「シン、今日殺すやつだけど、王国軍の笑う死神って呼ばれている奴だ、かなり強いぞ。アングラウスはよほど、リサとお前を殺したいらしいな」
「そうか、、頑張るよ」
「そうだな、お前に死なれると困るからな、あっあの紫の魔剣は氷の魔剣だよ少し調べたんだよ、魔力を込めたら氷ができるよ」
ローブと、ローザにもらったナイフと剣をもって、イヤリングに魔力を込め町に出た
ここしばらく、学校に行っていないから、リサが心配しているだろうな。明日になったら、学校に行こう。
そう、学校に行こう。
ローザと別れてから、もうすでに二年もたった、ローザ何してるんだろう、、、、、、
そう思いながら、歩いていると横の商店から少し大きな男が出てきた、アングラウスで殺せと言われた男だ、
吹っ飛ばされた勢いでそのまま殴り飛ばされた。
受け身を取ったが、追撃が来た。必死に魔眼を開いてギリギリ回避した。
「あーーーお前か、白髪の魔眼持ち」
イヤリングの魔力が切れたのか。まぁもう関係ない。
直剣を抜いた、魔力を込めて冷気を出す。
目にも魔力を込める、集中して三秒くらい先を見る。
あいつが剣を抜くのが見えた、ヤバイ、、、赤くて大きい剣だ。
急いで距離をとった、次に見えてきたのは男が目の前に来るところだ、土魔術の壁を作る。
前が見えないが、こうするしかない。時間稼ぎにはなるはず。
すぐに、壁が敗れたと思ったらそこから炎が出てきた。あの剣だろうか。
「逃げるなよ、女神さまがお怒りだぞ、、」
こいつ、女神がらみか。最悪だ、アングラウスもじゃあ女神か。
俺の敵だ、できるだけ魔眼できるだけ先を見よう。
さっきの言葉に動揺していると、右腕を落とされた。
剣が早すぎて、見てからではよけられない、魔眼を使って5秒先を見る、目が痛い。
剣がギリギリ首筋付近を通る。
首から少し血が出た。
あんなに大きい剣なのに、早い、早い。
このままだと、
魔眼を使い過ぎて、見えなくなる。
相手の剣が、振り下ろされるのが、魔眼に見えたらすぐに土魔術で壁を作る、これしかないけど。打開策がない。
このままだといつか死ぬ。
自分の降りかかる殺意に息が詰まる。吐き気がする。
これだけ、魔眼を使うと、魔力の消費が激しい。もう半分を切りそうだ。
「死にたくないか?」
「そりゃ死にたくないでしょ」
は?、聞こえたのは、レーナと知らない男の声だ。
びっくりして、攻撃を食らった。
残った左腕が震える。
未来が見えなくなった。魔眼が切れてしまったのか。左目が見えない、俺が死んだら、リサ殺されるよな。そんなのだめだ。
でも体が動かない、頭が揺れて視界がゆがむ。血を流しすぎたのか。
死ぬのか、自殺じゃないだけましだったか、リサのために死ねるし。
悪くない。
こっ、、こっ、、こっ
靴の音が響く、軽快な足取りだ。男が笑った。
「面白かったぞ」
その声の木霊が大きくなっていく、意識が落ちる。目を閉じた
俺はまた、レーナと初めて会った、あの空間にいた。
レーナと、知らない男と三人で。
男は言った、背は高くなかったが、強い瞳で赤い肌、真っ黒な髪だな男だ
「お前、死ぬつもりか?」
「あぁ、もう駄目だ、あいつは強すぎる、どうやっても勝てない。」
「力があれば、勝てるか?。勝ちたいか?死にたくないか?、、、守りたい事はあるか?」
男の目は冷たかった。
「あ、、る」
「そうか、じゃあ取引だ、」
レーナの時もこんな感じだった。
「ああ、俺に何をさせたいんだ?」
「俺の呪いを一つ肩代わりしてくれないか?その代わりに、魔眼ををくれてやる。魔力支配の魔眼だ。魔力を思い通りにできる。」
「わかった、それで。呪いってなんだよ」
男の笑い顔が見えた。
「人に、嫌悪される呪い、、、だよ」
「誰にでもか?」
「そうだ、リサにもだ」
「知ってるのか」
「すまない、記憶を見た」
そんなこともできるのか。まぁいい、あいつに勝てるなら。
「いいよ、取引しよう」
「そうか、じゃ、、早速。そら。強い意志を持って右目に魔力を込めたら、思い通りになるよ。じゃあな」
目が開いた、
男が大きな剣に火をまとわせている。右目に魔力を込めて、手を剣に向けて握った。明らかに、剣から火が消えた。
「なるほど、」
無くなった左手に魔力を込めると、ものすごい速度で、再生した。
これなら、行ける、切られたそばから再生すればいい。
魔力が尽きる前に、決めよう。
むごい戦いになる、痛いだろうけど。今はもう関係ない、
カッコワリ。笑えねーよ。