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魔女の付き人  作者: 夢の鯨
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第四話 リサ アングラウス




「おい、シン」

この上ないほど慎重なローザが俺を呼んでいるのは、まだ日も登りきっていない早朝のことだ

「何ですか?」

「あのな、頼みがあるんだが」

どうせリサのことだろう、母親の目だ


「あのな、リサを町に連れて行ってくれ、そこでいい感じのプレゼントをしてくれ」

銀貨9枚を押し付けて言ってくる、断れないよな、まあ嫌じゃないんだけども

「分かりましたよ、じゃあ今日の朝ご飯を食べたら行ってきます」

「よろしく頼む」

まぁ嫌じゃないけれども、俺ってそんなことを頼まれるほど、リサと仲良かったっけ?剣の練習はしたけど、

とりあえず、何にしろ、一年近く一緒にいるのでそれなりになるだろう。



その日の朝食はローザがさっさと作った卵焼き?だ、きっと目玉焼きを作るときに黄身を割ったのだろう見た目は最悪だが、取れたての卵はうまい、しかしあの猫も何か食べるのだろうか、一応生物だしな何喰ってるんだろ、、、、

何てことを考えていたら、先に食べ終わったローザがウインクをしてきた、一つため息をついて、リサに声をかけた





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その日は、リサと街に出かけた、ちゃんと町に来るのは初めてだリサもそうなのだろう、

しかし、リサの様子が変なのである、トイレか?何なのだ分からん、トイレに行ってもらうか、いや、違う気がする、甘いものでも食べながら話を聞くのがいいのだろうか、、、、

よし、甘いもの作戦にしよう、

「リサ、アップルパイでも食べますか?」

どうだ、勇気を振り絞っていった

「う、、うん」

良かった、丁度よく、パイの店があったのだ。

「アップルパイを二つ」

「はいよ」

この世界のアップルパイは、前世のものと違い、パイの上にリンゴジャムをかけるものだ、前世ではあまり甘いものは好きいじゃなかったが、このアップルパイはうまそうに見える、


「お待ち」

「ありがとうございます」

リサに一つを渡すと嬉しそうに受け取って、快活そうに「ありがとう」と言ってきた、

「何処かに座ろう」

と提案して、人の少ない公園のベンチに腰掛けた、

「元気がないけど、同化したんですか」

「人が多くて、怖い」

なるほど、よしさっさとプレゼントをして帰ることにしよう、しかし何を口実にプレゼントをすればいいのやら、そうだ誕生日という素晴らしい制度があるじゃないか、ここにきてまだ、リサの誕生日を祝っているのは、見たことがないそして今年はもうすぐ終わる、つまりリサの誕生日は近い可能性が大きいのだ

「リサ、そういえば、誕生日とかって、もうすぐだったりしますか」

「その、、、今日が」

あ、、、、、、

ヤバイ、知らなかったのか、みたいな目で見られてる。

しかしそういうことだったのか、ローザ

「あ、、そそそうでしたか、何かプレゼントをしましょう、誕生日はプレゼントを渡すのが、僕の故郷の習わしです、何がいいですか」


「そそ、そうだね、髪留めとか」

良し、かみかみだったけど、

「じゃあ買いに行きましょう」


セーフなのでは、


そのあとは、髪飾り的なものを売っている、出店に行っていろいろと吟味したが、リサに「シン君が選んで」と言われて、悩んでいる最中です。

リサは金髪だから、青がいい気がする、覚悟を決めて、青い布に金色の小鳥の刺繡が施された髪留め?

を買って

「お兄ちゃん頑張りなよ」

店主のおじさんに言われた、なんことだろう、

そんなことは気にせず「ローザには内緒ですよ」、といたずらっぽく言って、少し頬を赤らめて喜ぶリサの反応を眺めた、リサの髪はきれいな金髪で、青い瞳、この世界では金髪は、貴族に多く、青い瞳もまた貴族に多い、因みに白髪は、白銀の魔女の象徴のようなものなので、奴隷となる場合が多い、だから俺たちは貴族の娘と、その使用人に見られているだろう、


ボーとしていると、笑顔のリサが「帰ろ」と買ったばかりの髪留めをして目の前にいた、不可抗力なので、素直に変えることにした、これに逆らえる奴はなかなか居ないだろう、




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家に帰ると、料理が下手なはずのローザが作ったとは到底考えられない、料理が並んでいた。


「こんな料理、どうしたんですか?」

「街に行って買ってきたんだ」

なるほどな、ていうか、リサを街に連れ出している隙に料理をするってことじゃなかったのかな?

もしかして、町で付けてきてたとか?あり得るよな、


そうこう考えていると、ローザが良くやったといわんばかりの顔で、ウインクをしてきた、、

まあ良い、食事を楽しもう、ローザ作ではないので、味には期待できる。

まずは、大きめのチキンの、胸肉を頬ばろうとすると、リサの髪留めに気が付いたローザが、

「シンちょっといいかな」

なんて言って、俺を食卓から少し離れ部屋へと連れていき

「あの髪飾りはどういう意味だ、リサと何があったんだ、大体まだ9才だろリサは」

どういうことだ、不味いことをしたか、だがこういうことは聞くのが一番なのだ、

「何のことでしょうか?」

「もしかして知らないのか?金の小鳥の話」

「ええ、知りません」

「まあそうか、6歳のころ親を亡くしているのだからな、すまない」


「いえ、でその話というのは?」


そのあとに話した話は、

主人公の美しい貴族の娘に、取り入ろうとする者たちが多くいて、

そいつらの中から、婚約者を選ぶことになった主人公は、婚約したいものを集めて社交界を開くことにした、その社交界に着ていくドレスを仕立ててもらうため、仕立て屋に行くと幼い時、父の妾の子としていた、その子がいた、そして紆余曲折あり二人は恋に落ち

駆け落ちする。

それで、駆け落ちした二人は、結婚式を挙げることとなり、その結婚式のドレスが青に金の小鳥の刺繍だったことから、青に金の小鳥は真実の愛を表すらしい、そして男性は、愛する女性にこの刺繍のハンカチを送るらしい


え、待って俺ヤバイことした?

不味いかな、いや不味いよね


そう思うや否や、俺は部屋を飛び出しリサの居る食卓に向かった


「リサ御免、その髪飾り、意味知らなくてごめん、また違うの買いに行こう」

「いや、いいよこれ気に入ったし、シン君が選んでくれたもん、いやじゃないよ」

こ、、ここれは、告白?そうなのか?


慌てていると、ローザが来て、俺の肩をたたいて無言でうなずいた


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