第三話 白銀の魔女
第三話 白銀
「あ! やっと来た、私はね、白銀の魔女レーナ、君の魂が強くてさーなかなか、入れなかったんだよね」
これが、白銀の魔女なのか?ローザに似てる、きれいな銀髪に、紫の瞳、昔話に出てきた白銀の魔女だ
「君さー、死にそうだよね助けるからさ、契約しない?」
つい聞き入ってしまう声は、信用を誘う
「どんな、契約なんだ」
「君に、力を上げるだから、これから私を守ってくれない?」
「わかった、契約しよう」
「あー即決、そっか、じゃあ力を上げる」
「まず魔力」
苦しい、体が熱い
「次に、予見の魔眼」
目がえぐれる、痛い
殺す気なのか、
うずくまった俺を見て、魔女は「へー耐えるんだ」
なんて言っていた、
「よし、さぁあの魔人を殺せよな、がんばれ」
いきなりだ
目が覚めた、目の前に魔人がいる、腕がないでも、頭に詠唱が浮かぶ
「魂の泉は地獄の業火」
小声でぶつぶつと、詠唱を始める
「灯る聖火は、身を焦がす」
魔人がこっちに来る、それでも魔力が大きくなる
「嗚呼 雨よ 嗚呼 風よ 嗚呼 空よ」
魔力が広がり、腕が再生する、腕を魔人に向ける、薄れる意識を手に集中する
「大魔法 アクアバースト」
そこから先は、一瞬だった現れた水は、魔人に飛んでいき一瞬で蒸発した
魔人は跡形もなく消えた、この魔法は本来できない水の圧縮をしている
でも俺は倒れてない、あんな魔術を使ったのに、魔女の魔力か
しばらくして、一匹の黒猫がやってきた紫の瞳、「すごかったね」人の言葉だ
「白銀の魔女」
「やだな、レーナって呼んでよ」
「そうか、お前を守ればいいのか」
「あら話が早い、にしても君才能あるね、あの魔術を使うなんて」
「そろそろ、戻ろう、お前はただの猫って設定だからな」
「はいニャー」
暢気なことだ、俺は今ものすごい焦っているのに
「怖がりすぎだよ」
「そりゃ怖いだろ」
山のふもとに帰るまでに、魔物とあったが白銀を見て逃げて行った便利なことだ
「ついた」
「ここか、意外とぼろいな」
「だまれ」
リサを呼ぼう、落ち着こう
まだ7歳だってのに、ものすごい体験をした
「リサー」
「シン、、君」
心配してくれたのか、嬉しいね
「うん」
「魔人倒したの?」
「うん」
「じゃあさっきの、音もシン君なの?」
「うん」
「大丈夫なの?」
「うん」
「じゃあ、ローザのとこに行こう」
「そうだね」
ローザのとこに行くといって、いったところは寝室だった、どうやらローザは幻術をかけられていたらしい、それで俺たちを二人で行かせたのだ
「すまなかった」
ローザは俺を見てすぐに謝った、
「いや、仕方なかったですよ」
「そう言ってもらえると助かる、リサをありがとう」
泣きながら言っていた、窓の外が月の明かりで照らされる
それから三日は、ローザが動けなっかたので訓練は無しで、自由だったからリサに白銀を猫として紹介すると「名前は?」と言われたので、勝手に名前を考えた「ルーシー」「リナ」「リン」の中でどれがいいかという話になって、リサが「リンがかわいい」といったので、リンに決定した
リサが決めたのだ、白銀には文句を言わせない
リサが帰った後、白銀はおもむろに話し出した
「私は、ラナ帝国の女神教の果ての祭壇に行きたい」
「何をしに行くんだ」
「消えない炎を取りに行く、あれは私の身体だ」
そうか、ローザが言っていたと通りだな、
「何をするんだ」
「そうか知らないか、君がいた世界とこの世界は、コインの裏表なんだよ、だから君はこの世界に来た」
「どういうことなんだ」
「まあ簡単に言うと、君のいた世界とこの世界は所謂、死後の世界で繋がってて本来のところ、死後の世界で記憶を消されるけど、君にはそれがなかった」
「俺に記憶の消去がなかった理由は?」
「この世界の管理者女神は、私ような過度な力を持つものを手元に置くか殺したいんだよ、だから君みたいに、死後の世界から、記憶を消さず召喚して自分の手ごまにして、私を殺させようとするのさ、
君は、魂が強くて目立ってたから女神にとられる前に私が接触したのさ」
黒猫が、笑ったように見えた、そろそろ日が落ちる
「それで?」
「じゃあ、私の目標の話をしよう私は女神を殺す、そして二つの世界を引き離すそうすれば、私は死ねる
私の魂は強くて、記憶が消えない、だから死後の世界をなくす」
妙に説得力がある、信じよう、信じたい、前世では数えるほどしかしなかった、信じること
「分かった、協力する」
「ホントかい」
「そうだ」
「じゃあまず、一つ約束をしよう」
「なんだ」
「君が、私を殺して」
戸惑いはある、でも断る理由もない
「うん、分かった」
「じゃあ計画を、教えるね、まずは王国 魔法学校にいって仲間を作る」
「それもわかった、そろそろ戻ろうリサが待ってる」
「分かったよ」
家に帰ると、リサが夕飯を作って待っていた待たせたようで、すこしむすっとしている
「遅いよ」
「ごめん」
「いい許す、ローザはまだ駄目だから二人で食べよう」
「うん」
今日のメニューは大豆のスープと、焼き魚そしてパン
ご飯を食べ終わると、いつも通り部屋に戻り、魔術の勉強をするそして寝るのだ
ローザの訓練がないときは、こうやって過ごすのだ、冬でもそんなに変わらない、たまに雪かきをするくらいだ、前世では雪を見たことがなかったので、初めて雪を見たときは、少し興奮したが、今年はもうそうでもない、
ここにきてから、平和だ
求めていた幸せがここにある、魔女との目標もある