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104話 ダンジョン説明会!





エトランゼ共和国に入った俺達は第三防壁を越えて入国した後、第二防壁に着いた。

あくまでもこの壁はダンジョンの魔物用という事で内側の壁が第一という事らしい。

正確には第一防壁。

そして俺達の前には第二防壁。近寄ると威圧感ぱねぇ…


「入り口は東側のようなので向かいましょう」


第二防壁と第一防壁に門はない。第二防壁は馬車が通行出来る高さ2.5m幅4mの穴が空いている。

第一防壁は人が並んで通れる程度のようだ。

常に開いているのは逃げるためではない。その隙間から出てきた魔物を倒す為の物だ。

スタンピードが起これば第一防壁で少しずつ削る。そこが崩れれば第二防壁で少し多めに削る。

そこが崩れれば街中での総力戦になるらしいが、今のところ使われた事はない。

冒険者達がダンジョンで魔物を定期的に排除しているからスタンピードが起こらないというのが定説だ。


街は外と同じく土が剥き出しだが、踏み固められているのか、乾いていても砂が舞う事がない。中世以前は土の上を馬車や人が通って砂塵が舞い、気管支系の病気が流行ったから都市部では石畳になったと聞いた事がある。


家などの建物は他の都市…リゴルドーや王都と変わらない形だな。


「おっ。人が出入りしているぞ!」


こんな長大な壁でこの一箇所しか出入り出来ないとは…


「私達も中に入って宿を探しましょう」


「そうだな。最悪転移でリゴルドーに飛べる部屋を確保できたらいいな」


「セイくん。それはあんまりじゃない?」


良いんだよ。俺達は万全の態勢でダンジョンに入る事が大事なんだよ。

情緒など、糞食らえだ!




「部屋は取れたのか?」


俺は今、エリーと共に宿の前で待っていた。中から出てきた聖奈さんに問いかける。


「うん。とりあえず入ろう?」


聖奈さんに促されて宿の中に入った。宿は一階が石造りで2階からは木造のようだ。ファンタジーアニメでよく見るやつだな。

中はもちろん木造でシンプルながら異世界情緒溢れる造りだった。

聖奈さんに案内されて三階の部屋へと着いた。


「中々いい部屋だな」


部屋の中は王都で泊まっていた宿と遜色ない造りで清潔感がありベッドは四つある。また同室だ…


「とりあえず座って」


丸テーブルに椅子が四つあるのでみんなが思い思いに着席したら続きを話し始めた。


「この宿、ううん。他の宿も含めてめちゃくちゃ高かったよ」


「いくらくらいなのですか?」


「4人で一泊大銀貨6枚だったよ。個室だと1人2枚だね」


「ひ、1人…20日分のおやつ代ですか…」


おやつ換算はやめよ?よくわからんから。


「そうか。物価が高いとは聞いていたけど、宿も高いんだな」


「うん。食べ物はもっと高いんだって。これは食事抜きの素泊まりの料金だよ」


ヤバいなエトランゼ…東京かよ…


「宿だけで物価が他のところの4倍以上。食べ物はそれ以上だからご飯は今まで通り私が作るね。

セイくんには転移をお願いね」


「悪いな。どこまで行っても、どこに行っても聖奈の作る飯が一番美味いから有難いよ」


「えっ!?まさか口説いてる!?」


な、わけ。事実を述べただけだ。被告には黙秘権があるからそれについては行使させてもらおう。


その後、暗くなるまで第二防壁内を探索した後、食事になった。



「やっぱりセーナさんの作るシチューが至高ですね!」


エリー。それについては市販のルーを作っている会社に感謝したほうがいいぞ。むしろこの甘辛炒めが至高なんだ。酒に合うぞ。

禁酒のバカァー!!


「それにしてもホントにそれは必要だったの?」


「当たり前だ!これで俺も遂に職業(ジョブ)は剣士だと言えるな!」


俺は椅子の横に立て掛けている剣を撫でる。


挿絵(By みてみん)


これは第二防壁内の武器屋で買った代物だ。


「見た目はカッコいいけどね。高かったんだからちゃんと使ってよ?」


「わかってる。大切に使うよ」


お値段なんと金貨215枚。21,500,000ギルだ。

もはや引き返せない値段の為、俺は


「この剣の名前はロン○ヌスだ!」


「セイくん。それはまずいよ。しかもそれ槍じゃないし」


名前を付けたが却下されてしまった。

いや、何もふざけているだけじゃないんだ。

武器屋の店主曰く、いい武器には名前をつける習わしがある。その方が大事に扱うからと言うのもあるが武器には魂が宿るという意味も踏まえての事だ。

そしてこの武器はアニメのロ○ギヌスのように先端が二つに分かれているわけじゃないが、剣が根元から二つ生えていて剣先で一つになっている。

むしろダイン○レイフの方が近い。

でも知名度って大事じゃん?


「じゃあ何にする?」


「おやつ剣はどうですか?」


却下だ。


「それでしたら高級剣では?」


うーーーん。保留で。


「フェラーリでいいんじゃないかな?」(私にはどっちもお金の無駄に思えるから)


「うーん。なんかどれもしっくりこないからまたにしよう」


俺たちにはセンスがないからな。馬の名付けの時から知ってるんだよ。

とにかく!俺は以前に欲しかった剣が手に入ってご満悦だ!酒が飲めないんだからいいだろ!ご褒美だよ!何のかは不明だ!


「まあこれで上手く使いこなせたら俺達も近接戦闘はBランク級になれる。みんなは武器の扱いの習熟に力を入れてくれ。

エリーは魔法だな。他にも攻撃魔法の魔導書が有れば集めよう」


「それはいいね!カッコいい魔法があればいいなぁ」


多分聖奈さんの言っているのはRPGゲームのようにエフェクト付きの魔法の事だろう。浪漫はわかるがいらんくね?


「はい!次は魔導具屋に行ってみましょう!」


「そうだな。明日はとりあえずダンジョンだろ?」


すでに情報収集もしてきたし、早速夢の冒険に出掛けられるぞ!


ここからは今日集めたダンジョンの情報だ。


ダンジョンとは?

誰にも存在理由がわかっていない。

中は?

1階層の入り口から徐々に降っていく。明確な階段などはほとんど存在しないが、出てくる魔物の種類、強さが変わったところを区切りとしている。

降りだが、殆ど降りを感じさせないくらい緩やかなものだ。

ダンジョン内は通路ではなくフィールドと呼んでいいくらい広く天井はあるがかなり高いらしい。

入り口の階段を降ると2階層目。ゴブリンの巣窟。3階層目、オークの巣窟。

このように明確ではないが出てくる敵が違い、フィールドも魔物の過ごしやすい環境になっている。もはやダンジョンではなく、魔物の家だ。サファリパークかな?


倒すとどうなる?

魔物は霧のように消えて魔石を残す。偶に魔石ではなく宝箱を残す時がある。倒した敵は一定時間後にリポップする。リポップ場所は不確定。

ボスはいるのか?

フィールド毎にそこの支配者がいるようだが、出会わなければスルー出来る。ゲームのように必ずエンカウントしなきゃ先に進めない縛りはない。

冒険者ランクは上がるのか?

出張買取所がダンジョン入り口にあり、カードを渡して買取されるといずれランクアップされる。

明確な基準は不明だが、納品物が10階層を越えるとBランク、20階層を越えるとAランクに成れると言う噂だ。もちろん越えなくてもなれた事例がある為不明のようだ。

他の所では強さだけではなれないBランク以上にここではなる事が出来る。簡単に言えば貢献度が貯まりやすく死にやすい。

何故Bランク以上が二万人も?

大陸中から普通ではなれないAランクを目指した志の高い(?)冒険者達が集まるからだ。実際は高確率で命を落とす、割に合わない場所。

じゃあAランクに上がったらエトランゼから出て行く?

そんな事はない。むしろAランクまで(20階層)生き残れた奴は更に先を目指す変態の集まりだ。

逆に言えばそれくらいの集まりでないとここでは生き残れない。下手に堅実な奴はいつまでも下に向かえない。死なないがそれ以上もない。そしていつか周りに置いていかれる焦りから無理をして死ぬ。なまじ地元では有力な奴ばかりの集まりだから挫折したら中々立ち直れない。いや立ち上がり方を知らない。

じゃあみんな死ぬ?

それも少し間違いだ。中にはホントの意味で堅実な奴もいる。そんな奴は金を稼いだら冒険者自体を辞めていく。他にはAランクだけを目標にしている奴らが昇格したら各地へ散らばって行く。


じゃあ俺達は?


ミラン「セイさんはどこを目指しているのですか?」


聖「お金を稼がなくても良くて、美女、美少女に囲まれて、ずっと酒を飲んでいても怒られない生活だな!」


ミラン(今は使いきれない程のお金を持っている。私自身はよくわかりませんが、セイさんもセーナさんも美少女だといってくれます。じゃあ後は…飲酒を怒るセーナさん…)「セーナさんがいなくなる事が目標なんですね」


聖奈「なんでっ!?」ガーン

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