①陰キャの俺、寝取られる
「おーい、そこ行く陰キャくんwww」
図書委員の仕事を終え下校するために靴箱へと向かう俺を軽薄そうな声が呼び止める。
すでに夕暮れ時となっており、周囲には他の生徒の姿はない。
ゆっくりと振り向くとそこには同じクラスの二階堂ヨシキが立っていた。
一年にしてサッカー部のエース、超のつくイケメンにして家は大金持ちというハイスペック陽キャ男子だ。
学年でもトップ中のトップカーストに位置する存在
といっても過言ではないだろう。
「二階堂くん、な……なんのよう?」
いきなりの陽キャイケメンの登場に俺は少し焦りながらもなんとか返答する。
「そういえば陰キャくんってさぁ、たしかアヤネちゃんと付き合ってたよね」
二階堂の口から飛び出したアヤネの名前に俺は当惑をかくせない。
「まあいいや、いいもん見せてあげるよ~」
二階堂はニヤニヤとしながら俺の肩に手を回すと、俺の目の前へとスマホを勢いよく差しだした。
そしてそこに映っていたのは、俺の恋人で大切な幼なじみでもある北条アヤネの信じられないような姿だった。
そこには全裸の状態で双乳を揺らし、真っ赤に上気した顔で喘ぎ声を上げる幼なじみのあられもない痴態がしっかりと映し出されていた。
――――その瞬間、ピタリと時が静止した気がした。
俺の頭は真っ白となり、次の瞬間両膝がガクガクと震え出す。
「大事な幼なじみちゃんの処女もらっちゃってごめんねー、いやーなかなかのエロボディしてるよアヤネちゃんwww、まっヤリ飽きたらそのうち返品してあげるよ陰キャくん亅
そう言って俺の肩を叩き笑いながら二階堂が立ち去ったあとも、俺はしばらくその場から動けないでいた。
その後どれだけの時間が過ぎたのだろうか、気が付くと俺の背中は冷や汗でぐっしょりと湿っていた。
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